エピソード91(半径5メートル)
学生時代の友人と久し振りに街で遭った時の事、その友人が連れていた彼女に一応会釈をし、しばらく友人としゃべっていたら突然その彼女が「今日は本当に感激です。哀川さんのそばに学生時代は怖くて半径5メートル以内には絶対近寄れませんでしたから。」と、笑顔満面で言い出した。
はぁ?良く聞いてみたら友人の彼女と友人は同級生=俺とも同級生だったらしい(笑)。
半径5メートル…確かにどんなに混雑している朝の満員電車に乗っても俺の周りだけは、快適空間だった気がする(笑)
エピソード92(母親)
俺には2人の母親が居る。1人は本当の母親で、もう1人は現在の戸籍上での母親だ。
刑務所を出所後、1度だけ父親を尋ねて行った事があり数日間だけ寝泊りをさせてもらった事がある。その時、新しい母親に初めて会ったのだが、なんと母親は近所の中学校の俺の後輩で、ツッパリ時代に何回か俺と会った事がある奴の姉ちゃんだった。
当然、俺の新しい母親は弟に息子はあの哀川力だと言って姉弟で俺の噂話で盛り上がったそうだ。
母親が近所の中学の先輩で、ホストクラブ通いをし俺の父親と始めて潰した居酒屋の借金の金利を払うのが馬鹿馬鹿しいとか言いだし、数日間寝泊りした事に恩をきせられ何百万円も貸す羽目になり、酒癖の悪い母親…悪酔いして俺に傘で殴りかかり…数日間(3〜4日)でたくさん嫌な思いをし結局ずいぶんと久し振りに再会した父親ともこの世でもう2度と会う事は無いだろうと腹をくくり別れの挨拶をして家を出た。
思い出すだけでムカツクが親は親…なんすかねえ?(笑)
エピソード93(六法全書)
ある日俺と兄貴分が用事があって本部事務所に寄った時の事、当番の若衆が3人くらいで事務所でボサーッとしていた。事務所の中をパッと見回した俺は、こりゃあカミナリが落ちるぞっと思った矢先に兄貴分が「おい!お前等、掃除もろくにしねえで何やってんだ!
事務所当番代わりに俺と哀川がやるからお前等俺が良いって言うまでずっと掃除してろ!」はぁ〜、この鈍臭い奴等の当番の日は俺でさえいつも頭に来るので、まぁ、仕方が無いかと思いカンカンに怒っている兄貴分の目の前で週刊誌や漫画本を読むのもなんだかなぁ…と机の周りを見回すと六法全書しかなかった。
いつまで続くか分からない掃除の間、俺は六法全書とにらめっこしていた。
30分程経った頃、ピアスをしているような今時の若衆の一人が「哀川さん、すごい本読んでますね分かるんすか?」と聞いてきた。俺は、「わかるわけね〜だろ!わかんね〜から読んでんだろ(笑)、六法全書を読んで、理解できるのは大学卒業してるうちの親分しかうちの組にはいね〜よっ!」と言ってやった。目の前に座っていた兄貴分も笑いながらうなずいておられた(笑)。
エピソード94(ダイエット生活!?)
毎日、豪勢な生活を送り高級車と高級ブランド、いい酒にいい女!?に囲まれ家のタンスを開ければ万札の束な〜んて今考えると良かったんだかアホだったんだか良くわからない日々を送っていたわけだが、どうも計画性が無く崖っぷちに追いこまれないと本領発揮する事の無い俺は、あっ!金無くなった…じゃあまた1年くらい遊んで暮らせる金作ろうかな〜んて事ばかりしていた。
金を作るまでの間、家賃滞納は勿論の事ガスが止まったりして10月に水風呂に入って、カップラーメンと白メシとかカロリーメイトとポカリスエットだけとか1日1食ですませたりしたのでまとまった銭が入るまでの1ヶ月位で激痩せした。
銭が入ったとたんにグルメに走り、リバウンドもすぐにした(笑)。
エピソード95(妹)
ある日の夜、街中を歩いていると何処かで女の子が叫ぶ声が聞こえた。
あまり気にせずにスタスタと歩いていると通りの向こう側でまだ叫び声は続いていた。
何を言ってるんだろう?と耳を傾けると「お兄ちゃ〜ん!待って〜!」と聞こえた。あぁ、とりあえず俺には妹なんかいないし関係無いか…、それにしても妹にこんなに叫ばれてちょっとくらい待ってやれない兄ちゃんってどんな奴だと思って周りをチラッと見たけど帰宅途中のサラリーマンのオッサンばかり…。しばらくそのまま歩いていたら、なんだか走って追いかけてきた女の子は息を切らせながら俺の真後ろで、「お兄ちゃん、いっくら呼んでも止まってくんないんだからっ!」ビックリして俺が振り向くとそこにはメチャクチャ金髪のヤンキー娘(後輩)が立っていた。
周りを歩いていたオッサン達は、あぁこの兄ちゃんにこの妹の組み合わせか納得というような顔をしてこっちを見た後、すぐに視線をみんなそらして行った。
「名前を呼べ!名前を!お兄ちゃ〜んじゃ何度呼ばれてもわかんね〜よ!」と当然その妹!?に言ってやりました(笑)。
どうやら、鑑別所を出てきたばかりで暴走族の集会の待ち合わせ場所に行く足が無くて焦っていたら俺の名前すらド忘れしたらしい(笑)
ムショぼけってのは聞いた事あるけど鑑別所ぼけってのがあんのかなぁ?…笑!