カキネガラシ (Sisymbrium officinale (L.) Scop.)2008年5月13日。近頃、道ばたや荒れ地によく見かけるアブラナ科植物。横に張った枝の先に小さな黄色い花をつけている。昨年、建築物の造成予定地に、この植物が群生しているのを見た。横に張り出した枝が互にからみあい、なんとも不気味な群落だった。今は工事が始まって、この群落は消滅した。いずれにせよ、どうも好きになれない植物である。カキネガラシはヨーロッパ、アジア西部に原産し、日本には明治時代に入ってきたという。 |
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アカツメクサ (Trifolium pratense L.)5月13日。ムラサキツメクサともいう。こちらの方が標準和名のようだが、私は以前から親しみやすいアカツメクサを使っている。ヨーロッパ原産の植物で、明治時代に牧草として北海道に導入されたとある(朝日百科「世界の植物」)。現在も優秀な牧草として使われているが、帰化植物として、野原などに多く見られる。花は明るく美しい。また、葉に白い三角の斑紋があることも面白い。斑紋はどういう役割をしているのだろうか。 |
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コメツブツメクサ (Trifolium dubium Sibth.)5月13日。アカツメクサと同様、ヨーロッパ原産のマメ科シャジクソウ属 (Trifolium)の植物であるが、こちらは牧草ではなく、野原の雑草である。小さな植物で花も小さく、普段はあまり目にとまらないが、よく見ると、地面を覆うようにして、実によく繁殖している。改めてその生命力に感嘆する。 |
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ハハコグサ (Gnaphalium affine D. Don)5月21日。おなじみの春の七草「ごぎょう」のこと。ごく普通の越年草で、畑や道ばたに普通のキク科の雑草である。日本全土、中国、朝鮮半島、東南アジアおよびインドに分布する。ハハコグサ(母子草)という名は、文徳実録(879年)という書物で創作された名で、それ以前はホウコと呼ばれていたという(北村四郎 朝日百科「世界の植物」。春の野の花を代表する植物の一つだが、むしろ今の季節、大きくなった株がよく目立つ。 |
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ブタナ (Hypochoeris radicata L.)5月29日。この数年で非常に増えてきたように感じられる。ヨーロッパ原産のキク科の多年草で、葉や花はタンポポに似ているが、花茎が長く、なんとなくタンポポに対するような親しみがわかない。ブタナという名はフランスの俗名salade-de-pore (ブタのサラダ)によるとある(長田武正 野草図鑑4 保育社)が、名前は憶えやすくても、ますます親しみがわかなくなる。英語名はcat's-ear。何が猫耳なのか、よく分からない。 |