雑草の世界へ

アレチギシギシ

アレチギシギシ (Rumex conglomeratus Murr.

2008年6月24日。路傍や荒地に近頃よく見られるタデ科の帰化植物である。ユーラシア大陸原産。世界各地で繁殖しているようなので、適応性に優れた植物なのであろう。近くを観察すると、乾いた場所にも、湿地にも生えている。同属のスイバやギシギシと比べると、地味で目立たない植物だが、それらに迫るほどに、さらに増えつつあるように感じられる。

タケニグサ (Macleaya cordata R. Br.)

7月1日。日当たりのよい荒れ地に生えるケシ科多年草で、日本、中国、台湾に原産する。大型の雑草で、高さは2メートル位になる。おもしろいことに、ヨーロッパでは主要な庭園植物として利用されているらしい(朝日百科「世界の植物」)。思いがけないことだが、そう言われれば、なかなか立派な姿に見えてくる。茎や葉を傷つけると黄色い汁が出るが、これには数種のアルカロイドが含まれ、有毒である。

タケニグサ
エノコログサ

エノコログサ (Setaria viridis P. Beauv.)

7月7日。言わずと知れたネコジャラシ。こどもの頃、これで本当にねこのこをじゃらしたものである。ユーラシア大陸原産で北米にも広がっている。エノコログサ(犬ころ草)にしても、ネコジャラシにしても、当を得た名だと思うが、英語では、green bristle-grassとそっけない名である。エノコログサ属には、栽培種のアワが含まれている。

クサイ (Juncus tenuis Willd.)

7月17日。散歩道で最も多く見かける雑草の一つ。世界中に分布しているそうで、極めて適応性に富んだ植物なのであろう。いたるところに見られるけれども、見栄えのしない姿なので、この草に気がつかない人も多いだろう。イグサ科の植物で、イ(イグサ)は葉が茎を取り巻く鱗片状のものであるが、クサイのほうは、はっきりとした葉が存在する。英語名は path rush。rush はイグサであるから、道ばたのイグサか。いかにも雑草という感じである。

クサイ
ヘクソカズラ

ヘクソカズラ (Paederia scandens Merr. var. mairei Hara)

7月17日。誰でも知っているヘクソカズラ。花がなくても悪臭ですぐこれとわかる。しかし、花も実も可愛いというので、この植物が好きな人もいるようである。アカネ科の多年生つる草で、アジア温帯と熱帯に分布している。万葉の時代にはクソカズラとよばれていたらしい。

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