【文学作品(書物)】

    
源氏物語 (げんじものがたり)

【成立時期】
   
 平安時代 (1010年ごろ)

【作者・編者など】
   
 紫式部(むらさきしきぶ)

【種別・ジャンル】
    
物  語

【内 容】
   宮廷(きゅうてい)での生活や政治を背景に、光源氏(ひかるげんじ)が体験した
   かずかずの事件や恋愛(れんあい)、喜びや悲しみを描いている。

   第1部…桐壺(きりつぼ)〜藤裏葉(ふじうらば)まで
         主人公の光源氏(ひかるげんじ)の誕生(たんじょう)から、葵の上
         (あおいのうえ)や紫の上(むらさきのうえ)、空蝉(うつせみ)、夕顔
         (ゆうがお)などの女性と関係をもち、栄華(えいが)をきわめる姿が
         書かれている。

   第2部…若菜上(わかなじょう)〜幻(まぼろし)
         理想女性の紫の上(むらさきのうえ)の死など光源氏が第1部での
         女性関係に苦しみ、なやむ晩年(ばんねん)から死ぬまでの姿が
         書かれている。
         光源氏の死が書かれているはずの「雲隠れ(くもがくれ)」は巻名だけ
         で本文はない。

   第3部…匂宮(におうのみや)〜夢浮橋(ゆめのうきはし)
         光源氏の子孫の薫大将(かおるのだいしょう)や匂宮(におうのみや)
         の二人の恋や、二人の愛に板ばさみにあった浮舟(うきふね)の苦し
         みと身投げが書かれている。

【特 長など】
     日本古典文学の最高傑作(さいこうけっさく)とされる。
    ● 54帖(じょう)の長編小説である。
    ● 
「もののあはれ」を基本とする。…人の心に生じる切ない思いや深い感動

【備 考】
  
源氏物語の54帖(じょう)
 源氏物語(第1部)
1 桐壺(きりつぼ) 2 帚木(ははきぎ) 3 空蝉(うつせみ)
4 夕顔(ゆうがお) 5 若紫(わかむらさき) 6 末摘花(すえつむはな)
7 紅葉賀(もみじのが) 8 花宴(はなのえん) 9 葵(あおい)
10 賢木(さかき) 11 花散里(はなちるさと) 12 須磨(すま)
13 明石(あかし) 14 澪標(みおつくし) 15 蓬生(よもぎう)
16 関屋(せきや) 17 絵合(えあわせ) 18 松風(まつかぜ)
19 薄雲(うすぐも) 20 朝顔(あさがお) 21 少女(おとめ)
22 玉鬘(たまかずら) 23 初音(はつね) 24 胡蝶(こちょう)
25 蛍(ほたる) 26 常夏(とこなつ) 27 篝火(かがりび)
28 野分(のわき) 29 行幸(みゆき) 30 藤袴(ふじばかま)
31 真木柱(まきばしら) 32 梅枝(うめがえ) 33 藤裏葉(ふじうらば)
 源氏物語(第2部)
34 若菜上(わかなじょう) 35 若菜下(わかなした) 36 柏木(かしわぎ)
37 横笛(よこぶえ) 38 鈴虫(すずむし) 39 夕霧(ゆうぎり)
40 御法(みのり) 41 幻(まぼろし)      
 源氏物語(第3部)
42 匂宮(におうのみや) 43 紅梅(こうばい) 44 竹河(たけかわ)
45 橋姫(はしひめ) 46 椎本(しいがもと) 47 総角(あげまき)
48 早蕨(さわらび) 49 宿木(やどりぎ) 50 東屋(あずまや)
51 浮舟(うきふね) 52 蜻蛉(かげろう) 53 手習(てならい)
54 夢浮橋(ゆめのうきはし)      

  〈 源氏物語の書き出し 〉
     いづれの御時にか、女御(にょうご)、更衣(こうい)あまたさぶらひ給ひける
     なかに、いと、やむごとなき際(きは)にはあらぬが、すぐれて時めき給ふあ
     りけり。

  [意 味]
     どの帝(みかど 天皇のこと)の御代(みよ)であったか、女御(にょうご)や
     更衣(こうい)がおおぜいお仕えしておられた中に、それほど尊い(とうとい)
     身分ではないが、たいへん帝(みかど)に気に入られていらっしゃる女性
     (桐壺の更衣)がおられた。

     ※ 女御(にょうご)…皇后(こうごう)や中宮(ちゅうぐう)につぐ
                                       天皇の后(きさき)
     ※ 更衣(こうい)…女御(にょうご)につぐ天皇の后(きさき)
     ※ 桐壺の更衣(きりつぼのこうい)…主人公 光源氏の母親
     ※ 皇后(こうごう)…天皇の正式な后(きさき)
     ※ 中宮(ちゅうぐう)…天皇の皇后(こうごう)と同格の后(きさき)



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