星羅棋布




BUD BOY 徒然草 曲解小事典



●曲解小事典 [東雲明日香 編]


曲解辞典は '97/3時点であきらかになっている範囲での推測です
【聖仙の生理学】
   『青天牢』(第四巻、十話)では、能力を奪われた東雲と蕾は普通の人間と同じ状態だということだが、そうでなくても基本は人間と同じと見てよいのだろうか? 怪我をすれば流血を見ているしな。それと、蕾が無花果を食べたりするのは共食いにはならないのだろうか? そういえば『花贄狩り』(第一巻、一話)では蕾が薫に「朝露や霞を食っていても平気」なんて発言をしてるし、薫の体重は「基本的になし」《プリンセスGOLD96年11月号より》などと書いてある。謎が多い話じゃ。

【緑仙と花仙】
 植物は、花の咲かない隠花植物(胞子で増える植物・現在ではこの言葉は使わないらしいが)と花の咲く顕花植物(種子植物)に分かれる。となると、植物全体が緑仙の管轄で、顕花植物のうち特に花卉が花仙の管轄なのだろうか? 杉だって桧だって花粉を飛ばせるだけに花は咲くんだけどなぁ、と考えたのだが、やはりここは「天の理」というやつで考えてはいけないのかも。余談になるが、プリンセスGOLD96年11月号掲載の《思い出せよ花の色》(叢雲シリーズ・津寺里可子)では「桜は花じゃないよ、木」なんて台詞があったのでした。

【植物】
 対義語は動物。人間も含めた動物は聖仙の守備範囲には入らないようだ。となると気になるのがミドリムシの扱いである。

【神扇山】
 天界・聖仙郷にそびえる山。緑仙はここに棲んでいるらしい。先に書いた通り花仙は緑仙に含まれる形になるようなので、神扇山の方が華恭苑より高い位置にあるようだ。視覚的にもそうなのでこれはよく出来ているのだろう。

【聖仙郷】
 天界のうち、光明界を除いた部分で、神扇山や華恭苑を総称するエリアと考えてよいのでしょうか? 単行本第5巻の図からだとそうなるのですが。

【花の皇子】
 蕾は錦花仙帝の皇子であるが、同時に玉風大帝の皇子でもあるはずである。しかし華恭苑で育ったというのは、玉風大帝さまがあぁいう性格だとかいう話とか、「錦花仙帝さまには皇子である君しかいないんだから」とか、色々あるのであろう、ふむふむ。鈴蘭さんに言わせると平安時代の日本と同じで母親が育てるしきたりなのでは? とのことですが、それでも東雲の母親はすでに亡くなっているという設定も勝手に作っていたりするのですよねん。

【贄の皇子】
 『禁色戒』では「第九皇子」となっていたから、九番目というのが問題なのだろうと思っていたのに『夢縁思』では「末皇子であれば」なんて発言が……? 末子思想? ところで、畏界側の犠牲ってないのだろうか? 天を侵さないのが条件?とか言い合っていましたら鈴蘭さん曰く、「『禁色戒』(第三巻、八話)では、[天上の森の化の命を吸えば若返ることができ、吸い尽くせば不老を得られるという]そうだから、月呼見の儀で緑仙である永輪樹帝の(一番若くて力のある)末皇子を喰う訳になるのね」――鋭い。

【緑修天司】
 『花喰い花』(第一巻、二話)によると「すべての植物とそれにやどる精霊、そしてすべての聖仙を監査するおつとめ」だそうで、東雲は次期にこの位につくことになっているらしい。緑仙の位階表が現時点で発表されていないので推測でしかないのですが、これはもう殆ど永輪樹帝直下の高位ではないのでしょうか? 第八皇子である東雲がそうだ、というのはやはりここにも末子思想が? 勿論本人の能力も高く評価されてのことなのでしょうが。でも、本人の性格はあまり関係ないのかもしれません(笑)。

【東皇使】
 五行では、木・東・春・青・龍が一線に並ぶことから、春の宰主である東皇使が緑仙の管轄というのはよく分かる話。五行ということで脱線しますが、『椿侍童』(第三巻、六話)では老松=蒼龍ってなってるよな……これの出典は一体? でも、きっと若い聖仙でないと東皇使は勤まらないのだろうなとも想像してしまうのです。あと、五百重さまが先代の東皇使だった説を思い付いたのですが、煮詰まらずに今回はパスしました。任期がどのくらいなのかさっぱり見当がつかなくて……。しかし、CDシネマ第3巻で東皇使の正装のカラーを初めて見たのですがやはり緑でしたのね、というか、カラーにしても地味といいますか……いやはや。『百花宴』(第五巻、十三話)での盛装はもう少し派手目みたいだけど? でも東雲ってこの東皇使の正装か高校の制服くらいしか着てくれませんが、似合う服がないからなのでしょうか?花の方々は花だけにあんなに華やかなのに……。

【地味派手】
 飛田さんおよび飛田キャラに通じるキーワード(笑)。じ、地味なんだよぉぉでも妙に派手だったりするんだよぉというのが多く、東雲もまさにそれ(表紙を描く羽目になった鈴蘭さんの苦労たるや……紙を選ぶのも一苦労でした)。だから派手派手な声は似合わないと思うのよねぇ……飛田さんの東雲というのは凄く合ってると思うのですけどね?合わないという人はその理由と誰だったらはまるのか教えてください。←マジ。

【東雲】
 教えて頂いた話では、女性が(男子禁制の場で警備をするなどの理由で)男装する際に使う名前に「東雲」というのがあるそうです。因みに私(東雲明日香)のペンネームは【BUD BOY】の連載開始以前から使っているもので、今回のどはまりは偶然の所産。臨海高速鉄道の東雲駅は通過したことはあってもまだ下車したことはありません。

【各話タイトル】
 ひねりが効いていてよくできているなぁと毎回感心しています。おかげさまで今回の本もどーする? と悩ませていただきました。ところで『椿侍童』は『椿待童』だとずーっと思っていましたが、「侍」って「はべる」の意味があるのでこれで全然おかしくないのですね。勉強になりました。

【各話の時間経過】
 季節感が取り入れられている都合上、ちゃんと時間経過はあるようなのですが、気になって仕方ないのが東雲と透の学年です。サザエさん状態ならともかくとして、そろそろ卒業年次になりかねんのですが……まぁいいか。

【ジェットマンとチェンジマン】
 『花喰い花』に登場するこれは、東映の「鳥人戦隊ジェットマン」と「電撃戦隊チェンジマン」のこと。子供の歌はジェットマンのOPで、母親の歌は「ファイト!チェンジロボ」。

【右? 左?】
 贄の皇子が書いていた法文は日本語と同じ右から左ですが、『夢縁思』(第六巻、十七話『秘迷言』と同じ)で東雲が読んでいた秘典はどう見ても左から右なんですよねぇ。天地で書き順が違うとかあるのでしょうか?

【薫】
 コミックと音盤でイメージが違うような気がします。サントラを聴くまで、薫さんのテーマはあの「津軽海峡冬景色モドキ」だと思い込んでおりました。米本さんはコミックを読んで作曲されたそうなので、あの「妙香花仙 薫」の曲は原作の薫なのですね。音盤が出た後のコミック版の薫が音盤のイメージを取り込んだ格好だなと思っていたのですが、『朱旋律』(第七巻、十八話)では元々の薫さんのスジの強さみたいなものが見えていて良かったです。

【CDのジャケット】
 綺麗です。1枚目が赤(椿)、2枚目が青(?)、3枚目が緑(カーネーション)、4枚目(サントラ)が黄色(コスモスと1輪だけマーガレット)。コンセプトがちゃんとしてるなというのがわかって気持ちよいですね。にしても〜キャラクターの紹介が2枚目にしかないというあたり全部揃えろということなのかな?(1枚目に欲しかったけど、透が出てないからこの処置は正しいのかも)でも原作者・脚本・キャストのインタビューが入ってる3枚目は嬉しいし、サントラも作曲の米本さんのコメントがばっちり入っていてヨイのであります。ここまで気合が入っているのに、何故店頭にある状態でキャストの確認ができんのだ〜(涙)。飛田ファンでこれを偶然見つけるのには確率が低くなっていると思うぞ。ぷんぷん。

【差別化】
 今回の執筆中の合い言葉(笑)お互いに、東雲を書こうとするとどうしてもカミーユに似てきてしまったり、話がなんとなくΖになってしまうことからこの言葉を念頭に置いた次第ですが如何でしたでしょうか。話も違えば性格も言葉遣いも全然違うのに何故なんだ〜。

【目的のためには手段を選ばない男】
 『百花宴』での透の東雲評。的を射た指摘である。但しこの「目的」が蕾に絡むことが殆どではないかとも思われる。

【蕾】
 作者が描きたくて描いているという主人公。自分で東雲を書きたくて書いているとどうも【BUD BOY】らしくなく、蕾はまさに主人公なのだと実感する。声の田野恵さんは「ちびまる子ちゃん」の野口さん!東雲は丸尾君ですが(笑)。

【春日】
 貴重な女性キャラなのに、季節限定のためなかなか出てきてくれない。結構好きなキャラなのに春の話を書かない限り彼女を書くことは出来ない。う〜辛いところじゃ。

【東雲の部屋】
 春日を送り出した小さい方の窓は外開きなのに、蕾が押しかける大きい方の窓は内開きなのは何故? 推定8畳、ベッドと本棚、ローボードにコードレスホン。机にはパソコン有り。高校生にしちゃ贅沢だと思うが昨今はこんなものかなぁ。

【この文章】
 なんだかまとまりがありませんが、思い付いたものや鈴蘭さんとの会話をつれづれに書き連ねただけですのでお気になさいませぬよう。しかし、こんなもん書いとらんで小説書きなさい、という指摘はごもっともでございます。


第六巻の作者による 【森の皇子様一覧(^o^)】 への補足
位階表はまだ先送りですがやっと全員の名前とお役目がわかりました。嬉しい(^^)。こちらが先に出たのは、『秘迷言』があるからでしょうね。第九皇子の初登場は第3巻でしたから。
キャラクターガイドや曲解小辞典で書き散らかした世迷言と比較してみましょう。そうか、蓬莱大公さまって第二皇子だったのね(しかしそういうお方に呼び出される薫さんってのもまだまだ謎なお方だ……『海南風』での「お呼び出し」とか←CD版と話が通じているのがなんとも)、母上様もちゃんといらっしゃるのね(しかも役付きであの様子だと夫婦別居だよなぁ)とか、なんだお世継ぎはやっぱり第一皇子だったのかという目論み違いもありました(^^;。だとしても緑修天司というのがその第一皇子の役職の右腕となると、やっぱりねぇ……といいますか飛田さんの声が似合うよなといいますか(笑)。
ただ、「次期」というのがいつ頃を指すのかさっぱり分かりませんが……今の第一皇子が跡を継いだらなのかしら。あと、三・四も双子っぽいですね。一・二は微妙ですがここは双子ばかりというの方が面白いのでそうだといいかな。命名やお役目がちゃんと対になってますもの。八・九というのもよく見ると、春な東雲と秋な贄の皇子でちゃんと対になっているのでした。
次こそ神扇山の位階表かな? 期待してます市東先生(^^)。←第5巻に間に合わなかったCD第3巻のコメントも見たかったですけど……。 



   ◆神葉樹譚 目次