178-3.津川蛍子 警部補夏木マリ


このHPではGメン75の、他の女刑事も掲載する予定なので、1人ずつアップしていきたい。

女刑事たちの、経歴は、 「101.吹雪刑事のプロフィール」の中で記載。
   〃     家族は、 「134.吹雪刑事の妹」に記載。


1.概 略

3代目の女刑事で、Gメン"初”の女警部補という設定で、エリート女警察官。
美しく魅力的で、かつ妖艶という表現が似合う女刑事で、プロ歌手でもある
夏木マリさんが演じられた。

「津川蛍子」という名前は、キイハンターの「津川啓子」と同音異語である。
近藤プロの作品群の中でも、由緒ある名前が与えられている。

  出演話数 : 205話〜251話の47話に出演した。(252話は未出演)
  主役作品 : 13話 (2人等主役含む)ある。

夏木マリさんは、Gメン出演以前に他からドラマへのオファーが何本か来ていたが断っていたという。しかしGメンからのオファーには意義を感じ応諾したとの事。


2.登 場

1979年5月5日に、田口刑事、村井刑事とともに、205話「新Gメン対ニセ白バイ警官」で初登場した。  (右の画像)
この作品での出演は少ないが、カッコいい登場シーンで、視聴者の印象に強く残ると思う。 初登場シーンに順位をつけるなら、吹雪刑事がダントツでトップだが、2番目津川警部補の登場シーンではないかと思う.

また夏木マリさんが、プロの歌手であることも考慮されて、新曲「さよならの鐘」
(作詞・作曲 中島みゆき) を熱唱する場面も用意するという配慮もなされている。


3.特徴・特技

女刑事7人の中で一番のエリートで、出世が最も速い
       (あの年齢での警部補は非常に速い。但しキャリアなら遅いが)
外事課出身で、英語・フランス語は外国語。
          (初代から3人連続で、特技が外国語)
似顔絵書き ・ 歌が得意。(夏木マリさん本人がプロの歌手である)



4.実戦能力

しかしエリートゆえなのか、格闘は苦手で、射撃も下手という設定で実戦能力が低い設定になっている。
精神面には"もろさ"も見せるが、それを克服しようと努力する津川警部補の姿が、見もののひとつとして描かれている。
また感情に流されやすく、ハードボイルドに中々なれない一面があった。

<射撃>
  1)下手という設定であるが、デビュー作では射撃の上手なシーンが特に用意されている。
  2)デビュー直後の、207話「婦人警官連続射殺事件」の立花警部による特訓場面では、最初は標的にすら
    当たらなかったが、かなり上達するまでになっている。


5.印象に残る活躍作品

蛍子自らの捜査活動による成果はあまり多くはないが、多くの作品で魅力的な活躍をみせている。

その中で捜査活動の、白眉の作品は、
 238話 「ジングルベルに呼ばれた幽霊」 (左の画像)
    津川警部捕の犯人逮捕への執念の捜査で、したたかな悪徳弁護士を
    追いつめていく捜査は素晴らしく、彼女の代表作と言えるだろう。
    また、彼女の美しさもこの作品は特に際立っている。


他に活躍編として良かったと思う作品は、

 207話 「婦人警官連続射殺事件」
    ちょっとした心遣いが逆にあだとなり、仲の良い婦人警官が何人も
    犠牲になってしまう。
    ライフル魔と対決する為、射撃が苦手な津川警部補だが特訓を受ける。

 216話 「口裂け女 連続殺人事件」 (左の画像)
    過去の事件の恨みが、発端となって事件が発生。
    事件を解決した当時のメンバーが次々と危機に見舞われる。
    津川警部補も標的となって、精神的にも追い込まれていく。

 242話 「美女たちの密室殺人事件」
                             津川蛍子は高校時代の女友達らと新春パーティを行なうが、
                             殺人事件に遭遇し、捜査をするうちにお互いを疑う羽目になる。


6.変 装

津川蛍子警部補の変装シーンには印象的なシーンが多い、
例えば、次のものがある。

登場編では、「歌手」
   夏木マリさんは、本当にプロの歌手だから、お手のものである。
   この時に歌われた 「さよならの鐘」 は、レコードやCDに収められているもの
   よりも、情感がこもっているように思う。

213話 「ニューカレドニアの逃亡者」では、「社長秘書」 (右上の画像)
   社長秘書は変装といえるほどではないが、このメガネをかけた顔は、
   知的でかつ魅力的だった。
   これ後は夏木マリさん自身が「メガネ」を意識したのか?、
   人気が出たからか? 女刑事では唯一メガネをかけるシーンが多い。

222話 「大暴走!バスジャック」では、「看護婦」 (右の画像)
   突き刺すような鋭い眼光で、犯人を威圧する。
   この眼光は夏木マリさん独特のものである

233話 「金髪女性連続殺人事件」では、「金髪外人」
   この変装は、セクシーで必見のシーンで、162.吹雪刑事とGメンの変装
   のページにも書いているが、夏木マリさんは外人が良く似合う。
   また最後の犯人追跡と、格闘シーンでも懸命に闘っている。


7.格 闘

津川警部補はエリートゆえなのか格闘能力は低い。
Gメンファンならご存知の方も多いと思うが、他の女刑事と比べても弱く、これが彼女の最大の弱点である。
眼光は鋭いし、カッコイイ良いのだが実戦力が乏しい。

しかし津川蛍子警部補は格闘は苦手だが、決して臆病や卑怯ではない。
悪党相手に敢然と立ち向かい、果敢に追跡するシーンもカッコ良かった。

いわゆる格闘シーンは、残念ながら格闘にならないことが多かった。警部補ならもう少し強くてもと思う。その点は残念である。

次の作品は、津川警部補の数少ない懸命の格闘(抵抗?)シーンである。
   226話 「電話魔」で、噴水の中で犯人相手の闘い(右上の画像)
   233話 「金髪女性連続殺人事件」での、絞殺魔との死闘(右下の画像)

<護衛>
1人で護衛を命じられても、失敗もあったが毅然として護衛の任についている。
圧巻は、218話 「梟の森みな殺しの夜」で、護衛中に現れた殺人鬼に立ち向かい 「徳永精一」 と叫ぶシーンはカッコ良く、彼女の大きな見せ場となった。

<帰って来た女刑事シリーズ>
280話 「パリから来た車椅子の女刑事」 では、蛍子は車椅子という道具立てにより格闘がなくなり、格闘シーンは吹雪刑事が1人で担当することになる。


8.追跡シーン

津川警部補アクションシーンの見せ場はあまりないが、「追跡シーン」が印象に残っている。
走る姿からは、Gメンの女刑事の中では速い方ではないと思うが、蛍子が思い切り良く果敢に追跡する姿は印象的だ。

例えば、次のような作品での追跡が思い出される。
   207話 「婦人警官連続射殺事件」
   216話 「口裂け女殺人事件」
   218話 「梟の森みな殺しの夜」
   233話 「金髪女性連続殺人事件」

容疑者を思い切り良く、追跡するシーンはそれなりに迫力があり、気持ち良かった。


9.ピンチ

アメリカでも、ハードボイルドの主人公はピンチに陥ることが多いといわれるが、
津川蛍子も幾度かのピンチに陥り、拉致などでは生死の境をさまよった。

津川警部補には、「Gメン75の伝説」と言えるほど有名な危機がある。
227〜228話 「Gメン対香港の人喰い虎」 で、"虎"の恐怖を味あう(右の画像)

また、彼女のピンチの特徴としては、殺害される寸前にまで追い込まれてしまう事が多かったことがある。 あと数秒Gメンの救援が遅れれば殺されるという、ギリギリまで追い詰められる修羅場を何度もくぐることになる。

これは同じ女刑事でも、吹雪刑事や響刑事らのピンチとは様相が違っている。


他のピンチの例としては、
  213〜214話 「ニューカレドニア」−−前編の一撃と、ラストも危うかった
  216話 「口裂け女連続殺人事件」−−電気ドリルの恐怖を味わう
                                   (右の画像)
  226話 「電話魔」−−ナイフで襲撃され大ピンチ
  231話 「危機一髪!車椅子の女刑事」−−犯人に見つかり追いつかれる
  233話 「金髪女性連続殺人事件」−−絞殺魔を追うが、反撃される

等々で、津川警部補は絶体絶命のピンチに陥る。

10.重かった警部補?

津川蛍子は警部補だったが、個人的にはそうではなく刑事としての設定の方が、良かったのではないかと考えている。
階級が警部補で、下の階級の男性刑事が3人いて、指示する立場でありながら実際は殆どしていない。

せっかく、年齢の若い女警部補という新しい試みをスタートさせたが、警部補としてふさわしい活躍は少なく、これは脚本家にとっても難しかったからだと思うが、警部補というポジションを生かそうという気がなかったとさえ思えてしまう。

年齢的にも「刑事」の方が年相応で、もっと活躍の場が広がったと考えている。



11.主な作品

<印象に残る作品の一例>
   207話 婦人警官連続射殺事件
   213〜214話 ニューカレドニア2部作
   216話 口裂け女 連続殺人事件
   226話 電話魔
   227〜228話 Gメン対香港の人喰い虎
   231話 危機一髪!車椅子の女刑事
   233話 金髪女性連続殺人事件
   234話 女たちの拳銃泥棒
   238話 ジングルベルに呼ばれた幽霊
   242話 美女たちの密室殺人

12.帰って来た女刑事シリーズ

津川警部補はレギュラー終了後の翌年に、このシリーズの2話で特別出演している。
     280話「パリから来た車椅子の女刑事」
     289話「裸の女囚たち」
これも加えると、出演49話 ・ 主役作品は15話となる。
ハードボイルドな女刑事になっていて、レギュラー時代とはイメージが変わっている。個人的には、レギュラー時代の津川警部補の方が似合っていて好きである。


       226話 電話魔          216話 口裂け女 連続殺人事件    239話 親を撃ち殺す子供たち



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