4日目
最終日
高雄−台北−中部
起床。今日もホテルで朝食は摂らない。青子がまずいって言ってたもんなー。 それ以前の問題でもあるが。
早めに目が覚めたので、1人で散歩に出た。まだ人の少ない愛河沿いをゆっくり 歩いて、ちと座る。
あー、のんびりするねー。

おかずソフトフォーカス ホテルに戻り、メンバー達と合流して本日の朝食は粥。
ここもホテルから徒歩圏内で、前日の牛肉麺の店のすぐ近くだった。 やって来たのは「高雄清粥小菜」という店で、ここも地元で有名な店らしい。
Kの紹介でやって来たのだが、俺はここに来るのが初めてだった。ここは何度も通った事のある 通り沿いで、しかもえらい看板のでかい店なのだが、今まで全く気付かなかった。

メインのメニューは当然粥のみだが、おかずが充実している。
大きく分けると、普通にご飯のおかずになるようなものと、ご飯にかけて食うふりかけ的な ものの2種類がある。
その中から焼き魚と、豚の角煮と、鰹でんぶみたいなやつと、あと何か煮物、他適当に 何品か選んで食ってたら、粥がぐびぐび胃の中に入っていく。

俺以外のメンバー達はもう1泊してから帰るのだが、俺は1日先に帰る。 最終日なので心置きなく食っておこう。
粥を食い終わったら高雄ですべき事は一通り終了した。あの小籠包屋にもう1回行きたいと 若干の心残りはあったが。

土産になる雑貨を探そうと、愛河沿いにある土産物屋に行った。行ったのだが、時間が 早過ぎるのか、店の中が真っ暗だった。開店前なら諦めようかという話になったのだが、 試しに自動ドアを踏んでみる。
うぃーん。
開いた。そして中にたくさんの従業員がいた。目が合った。
ど、どうしよう。
メンバーに相談する間もなく、いらっしゃいませー。と言われ、今まで暗かった店内にぱ ぱぱっと電気が付いた。
これは入らんといかんよなー。

ま、いっか。全員で店に入る。客は全5名、店員は何名いるんだ?鉄板で俺らよか多い。
ちょっと店を歩き回ると、まるでセンサーに触れているかのように、俺の行く先々の担当者が 急に動き出し、ショーケースの中の商品を慌てて取り出す。
すんません、買いません。恐縮して動くのをやめた。

土産を買った後はまた飛行機で台北に戻って来た。
まずは彼らが今日泊まるホテルに寄って、荷物を預かってもらう。

すくってもすくっても豆 最後の食事は雲南料理「雲南人和園」。以前に台湾に行った時に既に、台湾担当セールスN君の 「お奨めリスト」に入っていた店ながら、名物がグリーンピースのスープと聞いて、行かなかった 店だった。

あんだけ拒んでたのに何故Kが行く事に同意したかはわからんが、とりあえず行ってみる。 店のドアを開けると、奥のテーブルに緑の山があり、その周りで店員達が総出で何か作業をして いるのが見えた。何だろう?
席に付いてそちらに目をやると、何かのさやを剥いているのがわかる。
・・・あれ、全部グリーンピースか。

その作業量で本当にここの人気メニューなのがわかった。
注文を取りに来た店員も間違いなくグリーンピースのスープを人数分頼むと思っていたのだろう。 俺らが1人前しか頼まないと、非常に意外な顔をしていた。

そしてとうとうスープがやって来た。あれ?
俺はてっきりグリーンピースを裏ごししたポタージュのようなスープを想像していたのだが、 出て来たのは透明なスープの上に緑の小さな豆がびっしり浮いた一品で、しかもかなりの小鉢。
グリーンピースとはいっても、冷凍のミックスベジタブルに入っているような球形の物体ではなく、 小さな枝豆のような姿だった。これならグリーンピース嫌いの人でも抵抗ないな。
早速飲んでみた。美味い。あっさりしたスープとぷちぷちした豆の食感が非常に合う。
皆同じ感想だった。だが、それで気が済んだので追加は頼まず、1人前のみ。

この旅一番の収穫 他に頼んだもののなかで珍しかったのは、「干した筍と茸炒め」と「ラッキョウとひき肉の炒め物」。 あれ?この組み合わせで合ってるのか?本当に。
干した筍の方は、何だろう?筍というよりごぼうチップスのような食感だった。これは日本人は 好きな感じ、好きな味なのではないだろうか。

そしてラッキョウ。この炒め物がひどく気に入った。
日本では漬物又は箸休めの役割で、ラッキョウを刻んで炒め物に使うという感覚は全くなかったが、 食ってみるとこれが美味い。酸味と肉の香りと旨味と甘味。これはいい。
このままご飯にかけていけそうだった。酒のつまみとしてもいけそうだった。
これを食いに、次回台湾に行った時もこの店に行こう。と思った。

他には、ここにも空芯菜炒めがなかったので頼んだ「豆苗の炒め物」、豆苗が何だかはわからんが、 これも美味かった。それと「エビと筍の炒め物」あれ?筍ダブってんな、おかしいな。どっちか 間違えたか。
それと「ナスとひき肉のトマトソース炒め」も食った。これは一見中華料理に見えなかったが、 雲南地方の料理らしい。これも美味かった。
最後の食事も素晴らしかった。

未練も無く、清清しい気分で帰れる精神状態にあった。
まだ空港に行かなければならない時間まで少しあったので、台北駅の構内にある台湾先住民の 民芸品屋に行ってみた。
中華系とは全く違った感じのデザインの小物や大物が所狭しと並んでいた。見ているだけで 面白かった。
そして空港に行く時間になった。
台北駅の近くから空港行きのバスに乗る。他のメンバー達に見送られるのが、不思議だった。
彼らと別れ無事に空港に到着した俺は、空港内のCD屋でCDを買って名古屋に帰った。

残った彼らは台湾で行方不明となり、その後の消息はわからない・・・。
風の噂では青子が大食いクィーンとして世界中を飛び回り、彼らを養っているらしい。


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