よーろぴあーん 4日目
ブダペスト
この日も天気悪し。
どこの観光地も冬は閉まり気味な事がわかったので遅めに起きて街をふらふら。

ハンガリー陶器はとてもいいと思ったのだが、何となく決めかねてしまった為、今回はご縁がなかった という事にする。
そして最後の候補であるチェコのボヘミアングラスに結論を持ち越した。

最後の夜なので寒いのを我慢して、そしてある覚悟を決めて夜の街に出る。
夜景は期待通りで、地面の雪が街灯の灯りでオレンジに染まっているのがとてもきれいだった。

ドナウの真珠 夜の街を歩くのに、何の覚悟がいるか。ハンガリーはそんなに治安が悪いのか? 当時はそんなに治安が悪そうではなかった。なかったのだが、この国に関する本を読んでいた時、 ある事が書いてあるのを読んだからで、その為にハンガリーのご当地ものの1つ、温泉に行く勇気は 出なかった。

それは、ハンガリーの国はホモの人達がとってもオープンという話で、作者の人が温泉に行ったら、 そこはホモの人達の楽園となっていて、危うく自分もやばいとこだったと書いていた。
しかもブダペストの主だった温泉は大抵そうなっていると。

きれいね そんな事を気にしてるのは、自意識過剰と思われるかもしれないが、過去の旅行で オーストラリア・ヨルダンと、必ず日程中に1回、計2回の男ナンパされ歴がある俺としては 神経質にならざるをえんのよ。
といっても、それがどんだけ怖いか実際にされた人じゃないとわかってもらえんと思うが。

犬にでもかまれたと思って忘れた方がいいような出来事に至った事はないが、衝撃は大きかった、 実際のとこ。(このナンパの話は<旅の出来事>を参照下さい。「世界の親父から」という タイトルでシリーズ化が着々と進んでいます。悲しい事に。)

君の瞳の方がきれいだよ 結果:今回は特にナンパされなかった。
ほっとして、さあホテルに帰りましょうというところで、気の緩みが出たのが敗因だった。

帰りの市電(トロリーバス?)のナンバーを見間違えたらしく、気がつくと全然見覚えのない道を走ってる。 慌てて降りてみたけど、かなり遅い時間で折り返せる電車があるかどうかすら全くわからない。 15分待ったが電車が来ない。しかも、タクシーも通る気配もない。

君の瞳に乾杯 乗り場に人がいないという事は、終電が終わったという事かと頭の中大パニック。寒くて死にそう だったので、別に助けを呼ぶ訳ではないが、市電の乗り場で大声で叫んだり、歌ったり、めったに しない屈伸運動などもやってみた。
それでも寒さが体に染み込んできてどうしようもないので、とりあえず来た道を歩いて引き返し 始めた。とぼとぼと雪の中を歩いていく。もうドナドナどころじゃない悲劇。売られてゆーくーのー。 売られて済むならまだいいやろ。死ぬかもしれんで、このまま。

結局30分程後、何駅分か歩いた所で無事逆行きの市電に乗れたし、その後の乗換もうまく行って 何とかホテルに帰れたのだが、かなり神経が逆立っていたようで疲れた。ホテルに着いて、部屋に 入って服を脱いだ時にちょっと泣きそうになった。寒さをしのげる事がどんなにありがたい事かを 学んだ。俺は少し大人になった。

ひょっとしてラッキーホテルか? 5日目
最終日
ブダペスト
最終日になって初めて晴れた空を見た。ので、早起きをして出かける。 出かける前にホテルの写真を撮る。
ホテルラッキー。
ラッキー・・・。名前は微妙。
晴れたので、見晴らしのいい所へ行こうと一路、ゲッレルートの丘を目指す。

ガイドブックに載っていた中央市場にも行きたかったのだが、結局場所がわからず断念した (帰ってからよくガイドをチェックしたら、市場の前を普通に何度も通り過ぎてた事がわかった。)。

初めての太陽 朝早いので人影はない。
雪・氷が一部溶けて多少歩きやすくなっていたが、今日だけは転ぶ訳にはいかない。 転んだが最後ジャンパーがどうなるか想像するだけで鳥肌が立った。
チェコの街を泥水まみれの服装で歩くのは避けたかった。既にジャンパーはぼろぼろだという噂も あったが。元がトリコロールカラーのジャンパーなので茶色は非常に映えるだろう。
というか、この青・白・赤のジャンパー、現地でとても目立ちまくっていたようだった。
そら、目立つな。グレーにどんよりな町のなかスカイブルー・・・。 俺、通りすがりの人から何人だと思われたかな?
日本人旅行者は割と地味めな服着てる人多いもんなー。
とにかく非常に慎重な足取り。

少年よ、大志を抱きたければ勝手に抱け。 丘の麓から銅像を見上げる。とりあえずあそこまで行ってみよう。 階段を登り始めたが、これが氷で作ったのかと思うような仕上がり具合で、 手すりにしっかり捕まっていないと、まっ逆さまという状態だった。
えーと、手袋を持って来ていないので、雪の積もった手すりを素手で 掴む事になるのかな。
丘に登ろうなんて誰が言い出したんだよ。と、1人ボケてみる。
階段の途中で止まる事もできず、1つの階段を登り、5分位手を温めながら 休んで次の階段を登る。

そして、後から来た現地の人達に次々と追い越されていく。
しかも彼らは怪訝そうな顔で俺を見ながら抜いて行く。かっこわる。とりあえず彼らとは 絶対に目を合わさない。目が合うと石になるよ。と視線に耐える。

天然もの やっとの思いで登りきって、さあ素晴らしい景色を眺めようと思って、見晴らしのいい所に 立ってみたのだが、結局のところ川の向こう岸は霞んでよく見えなかった。やめときゃよかった。

空腹も手伝って、かなり不機嫌。
つるつる階段を降りるのは自殺行為に等しいので、遠回りには なるが丘の裏側の坂道を降りる事にした。途中でスケートリンク発見。スケートを楽しむ子供達の声を 聞いて、ちょっとなごむ。

滑り台は付いていない 空港へ行かなければいけない時間が迫って来たので、最後に漁夫の砦という名前の砦に。
日本では、そんなのなくても冬を越せるもんと思って持っていなかった手袋とかマフラーなどの 防寒具、中欧では持ってないと命取りになりかねない事を再実感。でも結局買わなかったが。 というか、現地で買うという発想が何故か浮かばなかった。買っとけよ。

それと基本的に観光客は冬に中欧に来るべきじゃないぞ(何回も書いてるような気がするが。)。
もう少し大人になったら温泉も含めて再度訪れてみようと誓った。


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