ふたごちゃん 3日目
ブダペスト−センテンドレ−ヴィシェグラード
この日も天気が悪い。でも買物はほぼ終了している、自分が欲しい物など特にないので、とりあえず 郊外に出かけてみる事にする。

電車に乗りたかったので、しかも長時間は嫌だったのでセンテンドレに向かう事に決めた。 やる気はないのか。やる気はない訳ではなく、来るまではガイドで色々郊外にどんな町があるか 調べていたのだが、あまりの寒さに行動半径が一気に1/3程度になった。

センテンドレ、変な名前だが英語にするとセントアンドリュー。何となくわかりやすくなったので 満足する。

雪が積もっている訳で 現地に着いてみると、雪が積もっていた・・・。
今日もどっかで転んで、どっかぶつけて痛くなるのねと覚悟を決める。 カメラだけは守ろうと、慎重にゆっくりと雪を踏みしめて歩く。

ガイドブックによると、土産物屋が多くて別名ブティックシティ。
冬で観光客がいないからどこも開いてやしねえ。やめやめ。観光を取り止め、予定変更。
「ドナウ一の景勝地」ヴィシェグラードまで足を延ばしてみる事にする。

目撃者なし ヴィシェグラードに着いた。ここにも全く全然観光客の気配なし。 ヨーロッパの観光客は冬はどこに行っとんねーん!
答:おそらく暖かい所。
現地に来てからぐちっても仕方ないので小高い丘の上の城?要塞?に向かう。

ところが入口に着くなり係員に「CLOSE」と言われる。
今日は定休日か、それとも時間外か?地球の歩●方には冬だって4時までやってるって 書いてあるぞ。早く閉めたいだけか?ここまで来て入れないなど許さん。

はるばる日本からやって来たんだけど・・・。と古典的に泣き落としてみると、あっさりと 「いいよ。」と言ってくれた。ハンガリー人はいい人だ。
周りに誰もいなかったから、最悪こいつを殺せば入れたが。
それかジャパンマネーにものを言わせて札束で頬を叩いてもよかったが。

俺の庭 敷地内に入ってみても当然誰もいない。係員のおっちゃんに「急いで見ておいで。」という ような事を言われたので、先を急ぐ。と思ってはいたが、入口の看板を読んで来る時間が なかった為、どこへどう歩いて行っていいのかもよくわからん。通り道に由来も正体も わからない小屋のドアが開いていたので、中に入ってみちゃったりする。

たたたた、たたたた、たーたー。
残念ながら、火曜サスペンスではないので死体は転がっていなかった。
風の音と、木の枝から時たま落ちる雪の音しか聞こえない世界。風流。と思ったが、 もしここで転んで足など折れてみたりしたら、助けを呼んでも誰も来ないだろうイコール死と いう事になるよな。

ムースポッキーまたは白いフラン 崖っぷちに出てみると、眼下に不思議な色のドナウ川と6角形の塔が見える。これだけ遠くが見えるのに色が2色しかない 不思議な景色。 普段は絶対に言わない「やっほー!」を一瞬言ってみようかという気になったが、慣れない事はやめておく。

木の枝が雪で飾られて、一面に白い花が咲いてるみたいに見える。試しに一発木を蹴ってみる。
桜の花のように雪が散っていくのが風流だね。わびさびだね。
誰も見てないのをいい事に調子に乗って2本目の木をキック。
・・・風向きは変わっていた。
あー。自分のばかさ加減を呪うが、時、既に遅し。背中を伝うのは非常に低温の水。


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