<寄り道する価値なし>
「面白いバオバブがあるから、寄り道しよう。」
ガイドがそう言い出した時、俺の胸は高鳴っていた。
キリンディー自然保護区からの帰り道、ムロンダバの街まではずっと1本道で、
そこで出会った日本人2組も帰る時間はほぼ同じで、でも帰り道に寄り道する所は
微妙に違っていて、3台の車は抜いたり抜かれたり、それが俺は何故か不思議に見えてそれを楽しんで
いた。
今度会った時に、その時どこに寄り道をしたか話すのも楽しいかと思ってた。
(でも、どちらにもその後もう1回会ったけど、聞くの忘れた。)
冒頭の一言の後、俺達が向かったのは小さな集落で、他の2組は、そこには
寄らなかったようだった。
そんな面白いバオバブなら、他の2組も寄るはずなのに何でだろうと、ちらっと
思った。
その集落で撮った子供の写真は<旅の記録>に載せている。
集落に入って、「これだ。じゃーん。」と彼が指差したのは1本のバオバブだった。
?
特に何の変哲もないバオバブ。他のものと違っているのは本来、木のてっぺん
にしかない枝が1本、木の途中から1、2m程出ているくらい。
これを驚かなければいけないならば、アカデミー賞級の演技力が必要だな。
と思っていた時にガイド君が言った名前は「ちんこバオバブ」。
しかもご丁寧に「ちんこ」は日本語。
そんな日本語、どこのばか日本人が教えるんだろう。
いくつかの国でバカ日本人から変な日本語を教えられてる現地人に会ったが、
あれは非常につまらない。
話が脱線したが、その言葉を聞いた時の脱力感は、どう説明したらいいか
わからない位だった。
「ちんこバオバブ」確かにちょっと離れた所から見て、位置や垂れ具合、長さ太さ
形など、そう見えなくはない。幼児のちんこっつー感じか。
大人のに見えるようなら、彼らもこんなに屈託なく紹介するはずないか。
ひとしきり乾いた笑いの後、ガイド君に言われて写真を撮る。
この写真が俺のHPに載る日は来るのだろうか。
下に載せてみた。
ここの集落自体は昔ながらの家や、子供、井戸なども見れてよかったのだが、
メインの目的があれでは・・・。
他の2組が寄らなかった理由も判明。
俺についたガイド君達は他の2組より若かった事も理由の1つだろう。
キリンディーに行って、若いガイドに「面白いバオバブ」の話を聞いたら、これも
社会経験と思って行ってみて下さい。
でも、寄り道する価値はない。
旅の記録目次へ |
声にならない叫び |