● ナミビアの場所

日本からの直行便はなく、今回は中部→香港→ヨハネスブルグ→ウィントフック。
(帰りは、ウィントフック→ヨハネスブルグ→バンコク→香港→台北→中部)
出国:06.10.17
帰国:06.10.28

● 行った所
ウィントフック
ナミブ砂漠
ワルヴィスベイ
スワコプムンド
ケープクロス
エロンゴウィルダネスロッジ
オコンジマゲストファーム

● 航空会社
キャセイパシフィック航空
英国航空

● 目的
最初にこの旅を決めた時、目的は「ビクトリアフォールズ」だった。
アルゼンチンに行って「イグアスフォールズ」を見て非常に感動したので、 今度はビクトリアに行こうと思っていた。
日程の中でそこと組合せできる南部アフリカの行先を探した。
ザンビアの動物保護区にするか、ナミビアのナミブ砂漠にするか、非常に迷って、その3ヶ所を 飛行機で繋げないか、旅行会社に相談をした。
そこで色々とあり、季節的な問題・金銭的な問題からナミビアだけが残った。
色々と調べていくうちに、チーターのリハビリ施設を併設したホテル「オコンジマゲストファーム」という 場所があるのを知った。
そしてタイミングのいい事に、BSでアフリカのチーターを題材にしたテレビ番組を 観た。
チーター見たい。俺行く。
いつものように短絡的かつミーハーな発想で主目的が決まった。
日本ではオコンジマ部分の現地ツアー手配だけをして旅立った。


1日目
今回もどこまでが1日目か判断が難しいので、ナミビアに着くまでを初日とする。
中部−香港−ヨハネスブルグ−ウィントフック
出発は平日の午後だった。中部国際空港に着いて出国審査を済ませてゲートに入ったのだが、 国際線ターミナルには嘘かと思うほど人がいない・・・。
衝撃だった。当然俺の乗った香港便もがらがらだった。  大丈夫か?中部国際空港。

最初の飛行機は直行便という事もあり、何の問題もなくあっという間に香港に到着した。
ここから次の南アフリカ行きに乗るまでの待ち時間は結構長い。
とりあえずヨハネスブルグ行きの飛行機のゲートNo,を確認しようと電光掲示板を見に行った のだが、時間がかなり先なのでまだ案内が出ていなかった。
とりあえずキャセイパシフィック航空のカウンターに言って聞いてみた。
「ヨハネスブルグ行きのゲートは何番ですか?」
「電光掲示板を見ればわかります。」
かっちーん。
この女性係員の言い草にちとムカついた。今回の旅では徐々にキャセイパシフィック航空 が嫌いになっていって、最終的に2度と乗るかバカ野郎。となる。その第一歩だった。

香港では空港の外に出なかったので、やる事がなかった。
インターネットを使える場所はあるのだが、無料の為、先客は全くどかない。
初日から免税店に行く気もない。
とりあえず「POPEYE'S」というおそらく韓国資本のファーストフード店でハンバーガーを買って 食った後、喫煙所に行く以外はする事がない時間が続いた。
空港をくまなく歩いてみると、ほぼ180度に寝られるいすのある場所を発見したので、 そこで本を読んだり、音楽を聞いて過ごす。

そしてやっと時間が迫ってきたので、ヨハネスブルグ行きのゲートに行き、列に並んでいた。 結構日本人多いんやなー。どこら辺をまわるツアーなんかな。
すると空港か航空会社の係員が、列に並んでいる乗客達のパスポートと航空券をチェックしに 来たのだが、俺がそれらを見せると、ここは違うと言われる。
え?ヨハネスブルグ行きだろ?と聞き返すと、そうだが、ここは南アフリカ航空の ゲートでキャセイはあっちのゲートだと指差される。
うぉっ。同じ時間帯に2本の便があったのか。
たくさんの日本人に俺のまぬけぶりを披露しながら、慌ててキャセイのゲートに走る。 この2本の便があるという事実が、帰りに俺の窮地を救う事になる・・・か?。

キャセイの便の方は何故か日本人がほとんどいなかった。俺の隣りも黒髪だが外国人のおっさん だった。
ところが、そのおっさんから、成田からですか?と日本語で話しかけられた。
うぉっ。日本人?・・・絶対違う。
そのおっさんと話し始めると、彼はブラジル人だと言う。
???
話をよくよく聞いてみると、彼は仕事の都合で茨城に住んでいて、ブラジルに里帰りを するのだが、アメリカを通過する為のビザがおりず、仕方なしに南アフリカ経由に なったらしい。アメリカは本当にバカだねー。おっさんは通過したいだけやし、どっから どう見ても悪い事できそうにないよ、このおっさん。ちとうさんくさいが。
でも、香港・南アフリカ経由ブラジル行きっていう行き方があるという事に驚いた。
料金はアメリカ経由より高いらしい。時間は言うほど変わらないらしい。

少しだけ話した。おっさんはもう少し話したそうにしていたが、既に深夜12時をとっくに 過ぎていた。中部を発ってから全く寝ていなかった俺は非常に眠かった。そして風邪をひいていた。
なので寝させてもらった。ごめんな。

キャセイパシフィックの機内映画は非常に変わったチョイスばかりで、どれもあまり 観ようと思うようなものではなかったが、ちょびちょびそれを見ながら長い飛行時間を 過ごした。

そしてヨハネスブルグの空港に着陸した。
着陸して駐機する場所まで向かっている途中で、おっさんとまた話していると、空港に隣接した 道路におかしな車を見かけた。
おれが不審に思っていると、おっさんが
「あれはスパーのマークですよね?」
と俺が思っていた事と同じ事を聞いてきた。
そうか、おっさん茨城やもんな、スパーあるよな。
そう、外の道路には日本にあるスーパー「スパー」のマークが入ったヴァンが停まっていたのである。
南アフリカに本当にホットスパーがあるのか?俺はずっとスパーは日本の会社だと思っていた。 その時も。おっさんもそう思っていた。
日本に帰ってからネットで調べると、スパーはオランダに本部がある会社と判明した。
しかも28もの国にあるらしい。調べを進めると南アフリカにもある事がわかった。

飛行機を降りておっさんと別れて、トランジットだが入国審査を受ける。
やっと着いたよ、アフリカ大陸。さすがに周りは黒人ばっかしだよ。民族衣装の女性も多いな。 男達はでかいよ。どの列に並ぶかな。
俺が並ぶ列は他の列より進行が遅い。というジンクスを持っている俺は慎重に列を眺めた。
そして白人も黄色人もいない、黒人オンリーの列に並ぶ事にした。ちゃんと外国人用の列だという事は 確かめた。
選んだ理由は簡単、そこの列に並んでいる黒人達はみんな身ぎれいにしていたから。

隣りの列には明らかに日本人は着ないタイプの服装をした、黄色人の女の子が1人いた。何となく危険な香りが した。そしてその予感は的中した。

彼女が何人かは最後までわからんかったが、おそらくビザがいるのに持っていなかったのだろう。 係員と押し問答の末、警備員のおっさんにどっかに連れて行かれていた。 彼女は俺より5、6人分位前のポジションにいたのだが、彼女が警備員に連れて行かれた時には、 俺の順番が次に来る。という状態だった。
延々と待たされたトランジットエリアに入る為の荷物検査は、近くにある出発時刻表を見て、知らん 名前の都市がどこにあるのかを思いながら過ごしたので苦にならなかった。

長い飛行の後で絶対に必要な儀式、それは喫煙。・・・ない。喫煙所がねー。
ヨハネスブルグの空港には喫煙所がない。アメリカの空港のように、一度外に出りゃいー。という事も できそうにない。
長時間飛行の後なので途方に暮れて、ぐるぐると狭い空港内を歩き回っていた俺はやっと1つの 案内板を見つけた。
「smokers lounge →」
禁断症状から一目散で向かったその先はバーだった。
・・・?
俺が間違えているのかもしれんが、この空港ではバーでしか喫煙できないらしい。
イコール無料の喫煙所はない。中部で南アフリカの通貨「ランド」にいくらか両替をしていたので、 それを使ってコーヒーを頼み、喫煙。
何故ナミビアに行くのに、南アフリカランドに両替をしたか。それはガイドブックに、ナミビアでは 南アフリカランドはナミビアドルと等価で使える。と書いていたからだった。
早速使えた。別の意味だったが。

たっぷり待たされて、しかも遅れやがった英国航空ヴィントフック(現地の人はウィントではなく、 ヴィントと呼んでいたので、ここからはそれに倣う。)行きの飛行機は飛び立った。

空から見ても広大 ヨハネスブルグ−ヴィントフックは飛行機で2時間強の短いフライト、楽しみにしていたアフリカの大地 をまじまじと上空から見る。うわー、すげー、広大いー。南アメリカも広大だったが、違う種類の 広大さだった。色が違う。

この下に実は野生動物がごろごろいるんだなー。と長旅で下がりかけていたテンションが上がる。
広大な陸地ではありがちな強風の中、飛行機がぐらんぐらん揺れながら、何とか無事にヴィントフックの 空港に到着した。
荷物はすぐに出て来たので、意気揚々と外に出て、まずは周囲をこれ以上ないぐらいに警戒しながら、 ナミビアドルを両替した。南アフリカランドもナミビアドルも野生動物の絵が描かれていて、非常にいい 札だ。

この日のホテルは日本から予約していたので、真っ直ぐそこに向かうだけ。
交通手段は何があるのか?・・・タクシーだけ?あ、そう。そーかー。
空港からホテルまでタクシーを使うと、非常に損した気に、そしてもったいない気になるのは何故だろうか。 金額的には成田から都心まで電車を使うのと変わらんのだが。

こちらの様子をちらちらぢらぢら伺っていたタクシードライバーを捕まえ、ホテルに向かう。
うわぁー。最近の旅はこの言葉ばかりだが、空港の敷地を出た瞬間の景色に圧倒された。
テレビで観た感じの景色だぜー、サバンナだぜー。午後の強い日差しを浴びながら、走り出した。
お?おっ!車窓からちらとイボイノシシを発見した。ナミビア第一動物はイボイノシシ。

運ちゃんの話を聞きながら町に向かう道路を走っていると、鉄橋らしきものが見えた。ひょっとして電車が 走っているのか?でも駅らしきものはない。
運ちゃんに聞くと、長距離列車の線路らしい。へー、1日何本位あんの?運ちゃんからの答は、週に1、2回。
・・・俺が乗る事はないな。

そして市内に向かって走り続けていると、運ちゃんが前を指差して「ばぶーん」と言った。
「ばぶー?」赤ちゃんプレイ?
いや、前方に見えたのは一匹の猿。
おーっ!
猿だ猿。バブーンと現地の人は呼んでいるらしい。車のスピードが結構あってきちんと確認は取れなかったが、 ヒヒ系統か?

赤紫に煙る町 1時間程走るとヴィントフック市内が見えてきた。お、なかなか都会じゃーん。低いけれどビルがそこそこあり、 俺の予想とは違う都会的な風景がそこにはあった。

あ。
町が紫色に煙っているように見えた。何だろう?聞いてみると、この時はジャカランダの花のシーズンで、 町のあちこちにジャカランダの花が咲いているので、町が紫に染まっているように見えたのだった。
ジャカランダは5mぐらい?(適当)の高さの木で淡い紫の花が木一面に咲く。見上げると木に咲いている ジャカランダの花々、下を見ると散った花びらが淡紫色の絨毯を作っている。
はあー。マダガスカルでも見たが、いいな、ジャカランダ。日本でも育つのか?ジャカランダ。
運ちゃんに詳しい話を聞くと、ジャカランダはナミビア原産の植物ではないらしい。ヨーロッパの白人入植者達が 原産地のヨーロッパから持ち込んだものが広まったらしい。
若干醒めた。が、それでも紫色は美しかった。

そしてタクシーは無事にホテルに着いた。
「チップって風習を知ってる?」と、運転しただけなのに、厚かましくも遠まわしにチップを要求してきた運ちゃん に若干キレた。
知ってるよ。てめえの知らないところでな。ちびっとだけくれてやった。一応案内料。
だが今から思うと、日本にはチップの風習がない事を何故知っていたのか。
俺が予約したホテル「Safari court」は市の中心部から若干外れた場所にあった。部屋に入り、窓の外を見ると、 遠くに紫に霞んだ町が見えていた。あの紫の空気のイメージは今でもはっきりと覚えている。多分一生忘れない。
だが、写真に撮るとその紫の空気は消えてしまっていた。

とりあえず長時間のフライトで疲れたので、あまり何も考えずに、市内にも出かけずに早めに就寝した。


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