<その日は来ない>

トルコ、イスタンブール。
スペイン・ポルトガルを訪れた際にトルコ航空で行った為、イスタンブールで空港 と街を往復する事が2回あった。
その時の話。

空港から街へはバスに乗ったので全く問題ないのだが、問題は街から空港へ向かう時だった。

街から空港へ行くバスの乗り場がよくわからなかったので2回ともタクシーを使う事にしたのだが、 ガイドブックなどに、トルコのタクシーにはメーターが付いているが、使わずに金額を口頭で 言ってぼってくる運転手がいるので気を付けよう。と書いてあった。よし、これに気を付けよう。と思った。

最初にタクシーに乗った時、この運転手はメーターを使おうとしなかったので、 メーターを使え。と命令した。
運転手が素直にメーターを使ったので、勝ったと思った。
その気の緩みが敗因だった。
後の日程でイスタンブールにもう一度来る事はわかっていたので、タクシーだと どれ位の値段になるのかを知ろうと、ある程度車が進む毎にメーターの金額を 確認していた。
なので、俺が間違っている事はありえない。
車が赤信号で止まる度に運転手がちらちら俺を見ているので、何か嫌な感じやな。とは思っていた。

車は渋滞に巻き込まれる事もなく順調に進み、空港の敷地内に入ってきた。
空港の敷地内で赤信号で止まった時、俺が気を抜いて窓の外を眺めていたその瞬間。

その信号が青に変わって車が動き出したので、いくら位かとちらとメーターを 見ると、・・・え?
金額がつい1分程前までの3倍以上になっていた。

・・・驚いた顔でバックミラー越しに運転手の顔を見ると、目が合った運転手が目を伏せた。
やられた。
証拠はない。メーターの金額が指し示している金額を払わざるをえなかった。
トルコのタクシー会社は運転手がメーターを勝手にいじれないようにする機能を付けろ。

そして2度目。
今回はトルコ人に負けないつもりで、意気込みも新たに臨む。
前回の件があったので、無理矢理助手席に座って、そして走り出した運転手に 対してメーターを使え。と命令する。この運転手もメーターを使う気はさらさら なかったようだ。
そしてメーターの数字を勝手にいじられないように、外の景色を見る時も視界の 端に絶対メーター部分が入るようにしたし、本を開いたり、荷物の中を見たり する事も一切しなかった。
今回は絶対に勝ったと思っていた。
正規の料金で空港まで向かう事に成功したと。

結論。メーターをいじられない事には成功したが、高い金額を支払わされた。
車が走り出して10分位は別に何も感じなかったのだが、20分位経った時に その違和感に気付いた。
前に見た風景と違うような気がするのだ。
あれ?
その後もずーっと違う道を走っていて、前回ならもう空港に着いていた時間に なっても空港に着かない。
渋滞には今回も一切捕まってないのに、である。

これはつまり遠回りをされているという事か?
飛行機の出発までに余裕のある時間に街を出たので時間的には問題は なかったが、運賃は前回とそんなに変わらない水準になっていた。
今回も払わざるをえなかった。遠回りしてんじゃねーと言える英語力は俺には なかったし、理解できる英語力がこいつにあるのかもわからんかった。
まあ、ぼられるよりは景色を楽しめた分、遠回りの方がまだマシか。
距離も料金分走ってるしな。

もし飛行機の時間に間に合っていなかったら、無言でこいつを殴っていたかも しれん。

こうしてトルコのタクシーとの闘いは俺の2敗で終わった。
ひょっとしたらトルコのタクシーは、空港内に入ると特別料金が付くシステムで、 かつ2度目の 時は正規の道が渋滞中で、運転手が気を利かせたのかもしれん。

だがトルコ政府、日本人観光客に何度もトルコに来て欲しかったら、この問題を 何とかしなさい。(既に改善されているかも、・・・いや、ないな。)
いつかはトルコのタクシーに正規料金でちゃんと乗れる日が来るのだろうか?
いや、絶対来ない。
それは何故か。

俺がもう絶対トルコには行かないから。

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