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■第17回 「9K72 Elbrus “SCUD B”」(ドラゴン)
『パトリオットは買ってすらいないのに、
 スカッドミサイルは即組むんだ…』
とか(汗。
そんなツッコミとか聞こえてきそうですが、今回はスカッドミサイルです。

さて、「スカッドB」というのはNATO側で付けた名前で、
ソ連側ではミサイル本体を「SS-1c」発射システムを「9P117(M1)」、
車両と併せて「9K72」と呼称する様で、愛称は「エルブルス(マッコウクジラ?)」だとか。
他、箱書きに有る通り、トレーラーは「MAZ-543」という事で、
このサイトの過去記事に有る「MAZ-537」の子孫っぽい雰囲気が有るかなと。

このキットは湾岸戦争での実戦参加(イラク軍の報復攻撃)の記憶も新しい1991年の
リリースで、2015年のトラペ・MENG社の競作に触発されたのか、
2015年末に当時のままのパッケで再販されていたのを「つい」買ってしまった訳で
(流通ラベルがハセガワからプラッツに変わっている!)。

んで、彼我のキットの間には20年以上の時が有る為か、
トラペ・MENGの最新キットに比べて値段もパーツ数も半分以下(笑)の内容ですが、
バリの多さとか省略の多さとか、素通しでスカスカだったりとか、
窓ガラスパーツが透明板を(型紙を使って)自分で切り出すタイプになっていたりとか、
…結構手間のかかる内容になっています(汗。

因みに自分は最新キットを仕込む前に店頭から消えてしまった事もあり、
これからこのスカッドミサイルを組むならば、やはりトラペ・MENGが良いかと思うので、
今後再販が有れば確保しておくべきかなと。
(あっちはあっちでパーツ数とかがトンデモでしょうけれど)


画像ですが、いつもの通りの箱画像と中身ですね、
1991年と言えば時期的にドラゴンはまだ大戦ものをリリースしておらず、
この手のソ連系スーパーウェポンを各種リリースして
コアなファン層を掴みつつあった頃かと(遠い目。

後に大戦ものをリリースする様になって、ドラゴンはキット内容の稚拙さ(!)を
多数指摘される事になりますが、この頃はまだソ連崩壊前でユーザー側にも資料は殆ど無く、
キット内容についてクレームが…ってのは当時は無かった記憶が…
…今は余程のモノでなければ資料は入手できますので…昔は大らかだったんだなと(笑。



で、早速シャーシを組み始めていますが、
僅か2パーツを貼り合わせるのみ、しかも後で気が付きましたが、
ダボ兼補強桁の位置が実車とは異なる部位が有るので…
…気になる人は中間部の桁を全部落として新造かなと。 <さすがに止めましたが

画像ではパテ盛りの代わりに細切りプラ板を貼っていますが、
強度も確保できるので今後はこのパターンかなと。


ついでに上部構造物の仮乗せをしていますが、
予想以上のスカスカぶりなので、プラ板で各所を塞ぎつつ、
AM誌(2015年4月号、No.186)の作例記事(トラペ版スカッドB)を参考にして、
各所をデッチ…や、ディティールアップしていく事に…

まあ、20年も経てばそこそこ腕も上がりますので、
今回は「自分の腕試し」的な側面も多分に含まれている、って事で(苦笑。



ここから本格的にデッチアップ(爆。
まずはシャーシ下部のデファレンシャルBOXと補強桁とか。
参考にしたのはトラペのスメーチ(MAZ-543の改修シャーシ+ロケット弾タイプ)の
取説イラストと過去作のMAZ-537だったり。

…ドライブシャフトをプラパイプで再現している時、
ダボ部分と干渉する部分が有って、ああこの位置はアレなんだなと(謎。
ミサイル部分のチューブとかを塗り直し、
長さを調整しながら車体に接続します。

実車のチューブはもっと細くて本数も多いのですが、
リード線とか使えばよかったかなと。
個人的に電車とかのジャンパ線をイメージしていた為、
ループをかなり大きく取ってあります
(実際はもっと短い?)
個人的に気に入ったのは、
こういった目線合わせの構図なのですが、
巨大さと凶悪な面構えが目立つので、

…うん、俺、今回ははよくやった…
とか言ってみたり。
そんな感じで車体部がほぼ終わった感じなので、
ミサイルを仮乗せして可動状態をチェックしていたり。


結局、支持架の根元に有るタラップが
車体側の構造物と干渉してしまうため、
収納状態は再現できなくなりましたが、

…まあ格好良いので良しとします。
さて、今回使ったアルミテープは次回作の電飾工作用でして、
LEDを仕込んだ後に遮光(光漏れを防ぐ)するためのもので、
パーツ裏に貼っておくと何かと便利かと。
(薄いので補強には使えませんが)


模型専用のものも売ってはいるのですが、
割高なので100均ショップで買ったやつを使っています。
…結構使えますよ?
ラス前はエナメルによるウォッシングです。
上部にはフラットアース、下部はバフです。

これでかなり全体に落ち着きが出てきたかと。
支持架の上部、固定ラッチとか。

キットは間着構造というか、
そのままでは簡単に外れそうだったので、
結局ここもまた真鍮棒で軸打ちして可動化しています。




…これにより、下画像の様に
明けたり閉めたり出来る様になった訳ですが、
ミサイルは最終的に固定してしまうので…
塗装後の組付けが容易になる、ってメリットはあるかなと。
上画像の続きですが、
シリンダ部は棒>パイプ(中)>パイプ(大)の構成になっており、
中部分が短くて、立てると外れてしまったり。

なので、中部分のパイプをさっきの突起に引っ掛けて、
この位置を保持している訳ですな…。

他、画像で見えておりますが、
作業がし難くなる前に窓部分はマスキングしていたり。
…これ、
キットパーツはPET系の素材の様なので、
プラ用接着剤がイマイチ効かないらしく、
瞬着で接着してクリアーを後塗りするか、
いっそ別売りの透明プラ板で作り直した方が良い
かも(苦笑。
凸モールド部分は先の補強リブと同様、
0.3mm真鍮棒で作り直しです。

やや面倒な作業ですが、仕上がりはまずまずかなと。
第3ブロック部のデッチアップ。
やや大きめですがリベットを追加したり、
電源関係のジャンパ線と思われる部分を追加しています。

まあ、ポンプとかはともかく、
コンピュータが内蔵されているなら、
電源は無いと困るのでね…。
見づらい所かもですが、
追加した補強桁の所に、リベットを追加しています。
この辺のイメージは駅のホームとかで見かける鉄製の梁、
なのですが、結構チマチマしていて大変ですね…。
アップライト部分とか。
完成後の大きさとか重量増加とかを考慮すると、
プラのままでは非常に心配なので(!、
シャフト部分は切り落として真鍮棒(2mm)で置き換えです。

…ついでにシャーシを貫通して固定出来る様に、
デフ箱には事前にプラパイプ(3mm内径)が仕込んで有ったり(ニヤリ。
何とか完成しましたね…元々が古いキットなので存分に手を加えた分、もっと時間がかかるかとも思いましたが、
作業完了は3月下旬だったりするので、1.5~2ヶ月程度で完成したのかなと。

完成後には殆ど見えない訳ですが、プラ棒(三角柱及び角柱)の消費量は各種サイズを1袋前後、
B4サイズのプラ板が半分以上、真鍮棒も普段の3~5倍くらいは消費していますので、
工作面での苦労が絶えなかった様な記憶が…や、途中から結構楽しくなって来ましたがっ。 <ドM認定キャラですし

で、この後は撮影編ですが、…春の天候不順も有ってアレですが、
何とか発射準備が出来た(!様なので、続きは下のリンクからどうぞ(汗。
製作時に散々言っていた気がしますが、
俯角が付いて緑色、
ついでに横に入ったモールドを見ていたら、

「サ○ダーバード2号」
…を連想してしまいましたね、
潜在意識的にやってしまったのか、意図してやった訳では無いです(笑。


旧作は1965年放映なので50年経ってますけど、
エンディングの画像の影響ですかねぇ…(笑。 <何の話だ
ラストは撮影編前の画像を幾つか。

全体を見るのに俯瞰構図は欠かせないのですが、
単体で普通にごつい車両なので、
中々の威圧感が有るかも。
本体のウェザリングは黒鉄色と赤錆です。
やり過ぎた、と思った部分にはスモークを被せて
赤黒く見える様に調整したかと。

尚、ミサイル本体は異物感とかを出す為、
(内容的に載せたまま、ってのもアレですし、
基地から出撃する時に、サ○ダーバード2号宜しく
保管場所から出されて搭載すると思われるので)
ウェザリングの類は入れていなかったり。
参考程度ですが、
タイヤ部のグラデーションのサンプルを作ってみました。

ジャーマングレイの下地の上に331番のドライブラシ、
ハイライトに317番のドライブラシです。

…これだけですが、日焼けしたタイヤっぽくなるかと。
次は迷彩模様を吹いていきます。

前回、BMPT製作時に使った機体内部色ですが、
黄色味が強すぎたので、黄土色を2本ほど混ぜています。


…が、まだ黄色味が強めに出ますね、
黄色の隠ぺい力は弱いハズなのに…(汗
今度は発射状態の再現が出来るのか、
という調整をしている訳ですが、
ミサイルの噴射口部分と台座の嵌合がイマイチで、
どうも隙間が気になってしまい、
AM誌作例にも有ったチューブをこの後付ける訳で。


…先の画像がサ○ダーバード2号なら、
こっちは1号かな…とか。
アップでも出しておりますが、
折れてしまいそうな部部分はサクっと切り飛ばして、
真鍮棒で作り直した方がやはり良いなと。


…パーティングラインを処理している内に折ったりとかしますし、
成型の関係で生え方がおかしい部分とか有るので…。
(運転席下のステップが良い例)
車体工作の合間にミサイル部の作業をしています。
本体は貼り合わせなのでぱっと組みあがりますが、
消し込み作業の結果モールドが消えてしまうので、
タガネやらデザインナイフで彫り直しです。
2~3ブロック間に隙間が有るので、
AM誌作例を参考にデッチアップ。

当初ミサイル支持架の突起と嵌合するのかと
思っていましたが、そうでも無かったので…。
3ブロック目の中には弾道制御用なのかメータと
コンピュータっぽいものが入っておりますが、
ナニやら昭和チックというか、アナログ感が有るかと。

…これは多分東側諸国のIT事情というか、
21世紀の現代ならパソコン1台で済みそうな事を、
アナログでやっているから、なんだろうなと。

まあその分、頑丈さとか信頼性は非常に高い感じですけど。
ここで何故か内装部分の塗り分けを始めています。
こうなったのには理由が有って、
外装パーツとの合いが悪く貼り合わせ後の修正箇所が多い事とか、
窓パーツは切り出しの後、内側から貼る為で、
先に塗っておく必要が有った訳です。
最後部のデッチアップ。
ミサイルを収納状態で固定するなら不要ではありますが、
内側部分に補強リブっぽいディティールを追加しています。

AM誌作例を見るとこの部分、シャーシが通る中央部分は
素通し(ジャッキアップ用機器のメンテナンスの為?)ですが、
修正が大変そうだったのでパスしています。
タイヤパーツの合わせ目処理の後、仮組しています。
今回はプラパーツなので、貼り合わせの後、ペーパー掛けをしますが、
モールドがやや消え気味なので少し彫り直しとかしていたり。

…ただ、塗装も含めこの後の作業には邪魔なので、
この後はまた外して作業を進めます…。
サスアームとアップライトが付きました。
サスアームも形状とか剛性が非常に気になる出来栄えなので(苦笑、
先にやっておいた金属シャフト工作がこうして生きるわけで。

…このおかげで、多少の重量増加は平気になります。
ついでに調整なしで8輪とも普通に接地しました(笑。
最後部の裏面工作です。
三角部の張り出し内部には各種バルブの操作機器と計器が詰まっていて
(ビルの1階とかにある消火栓みたいなの)、
当然それらはミサイル本体の燃料注入とかに関わる以上、
配管とか配線が通っているはずで、素通しは不味いなと思い、
こうして裏面を底上げしつつ塞いでいる訳で。
(工作的にはプラ角材で高さを確保してプラ板を切り出して貼っています)
●飽きたのでTOPページに戻る●
●「展示室」インデックスへ戻る
●「AFV置き場」インデックスへ戻る
●「撮影編」に行ってみる
最後は後面からの目線ショットですね。

…ちなみに最後までこの位置に立っていると、
ミサイルの噴射炎か爆風に煽られるので、
発射前に退避せねばなりませんがっ(脂汗。
最後はガラス・ライト部分にクリアーを塗って完了です。

下画像にも出ていますが、
ミラー部などに今回はアルミテープを貼っていて、
結構反射するのが中々良いかも、とか。
消火器とか。
RLM23からシャアピンクのドライブラシですが、
留めバンドはジャーマングレイですね、
日本国内でもお馴染み(!
…のカラーパターンで纏めています。
タイヤの塗装が出来たので早速取付。

車体のウェザリングがまだなので、
なんか異物感が満載ですな…。
エアブラシによる塗装が済んだ所で、
筆塗りによる塗り分け作業に入っています。

まずは定番のジャーマングレイによる
黒部分の下塗りからです。

驚く方もいらっしゃるでしょうが、塗装前の状態としては
本体(支持架付き)とミサイル(台座付き)、後はタイヤ、
という構成でして、
今回は非常にでっかいパーツを吹いていた訳で。
(エアブラシ作業は午前中に始めて、終わったら夜というオチ)
3色目はジャーマングレイです。
こっちのはシャーシのそれと違い、
当方が青とか紫を混ぜたやつです。
ハイライトにはRLM02。

ロシアングリーンにしては明るめの色彩になりますが、
この後のアレコレでトーンが落ちると…!?
次はメタルグリーンにロシアングリーンを混ぜた謎色(ぇ。
過去にはパール緑がバリバリに効いていた訳ですが、
ロシアものを多数吹いてきた分、
ちょっとずつそれっぽい色合いになってきたかも。
車体色の基本となるRLM70。
…画像だと色の違いが分かり難いかも。
ここから漸く本塗装に入ります。
まずはシャーシ部の基本色となるジャーマングレイです。
(シャーシと言いつつ成型色消しの意味合いも兼ねて、
全面に亘って吹いていますが)

例によって色々混ざった塗料なので、
瓶から出した塗料そのままではないのでご注意をば。
…という事で、買い置きのメッシュチューブをふんだんに使い、
仮状態ですが配線としています。

これ、基本塗装後に通し方とか一部変えているので、
どうなったのかは、以後の画像でご確認を(ぇ。
真鍮棒工作は更に泥沼化しています。
キットにはバンパー内蔵のライトがあるのですが、
ガード部の形状がイマイチなので、
切り落として真鍮棒で自作してます。

作業前と後の比較ができるかと思いますが、
立体感が増しているかと。

幸か不幸か、このガードの周囲にはワイヤーが通るため、
多少失敗してもワイヤーで隠れますので、
意外とお勧め工作かなと(ぇ。




でもってフロント部のフック類やらを真鍮線置き換え、
…ですが、鳥籠部分が結構難しいかも。

…何か良いやり方を開発せねばと(汗。
ランチャー支持架との調整を始めています。
これまた予想通りのパターンですが、
ジャッキパイプ部の長さが足りず、
リフトアップ途中での固定をできないか、
…という事で支持棒代わりに真鍮棒を一本立てています。

ただ、この後の作業で結局収納状態が再現できなくなったので、
この部分でシリンダを引っ掛けるのはナシになって居たり(苦笑。
少し戻って再度第2ブロックのデッチアップ。
上面のフックはプラパーツからの置き換えですが、
下部のフックはオリジナルです。

荷物入れっぽい箱はこれまた計器パネルが
内蔵されているかもですが、
配管類は追加せず、裏面に補強を入れたのみです。
キャビン部下のステップを作り替え。
実車では下端部はパンチングメタル(丸穴パイプ)ですが、
割り切ってメッシュチューブにしています。

この部分に限らず、壊しそうな部分を順次
真鍮棒で置き換えしている訳ですが、
ディテール優先というより剛性確保目的、ですよね…(苦笑。
2個目のブロック上部にはリベットを追加して、
間延びしそうな部分のディティールとしています。

スリットの内側も何かしておくべきでしたが、
今回はパスです。

…メッシュに貼り替えとかはしておいた方が良かったかなと(汗。
内部の塗装が済んだので側面パーツなどを取り付け。
予想通りですが、結構苦労した割に、
殆ど見えませんね、特に丸窓の奥とか(苦笑。
運転席下のデッチアップとか。
何故か?ナビ側のキャビン下にはガード板が有るのに、
操作機器の配管・配線が通る側には何も無いので、
ジャンクパーツでそれらしく。
最前部のキャビンと2個目のブロックの作業を始めています。
(2個目のブロックは発電機とバッテリーが内蔵されていると推定)

キャビン部は最小限のパーツしか無いっぽいのですが、
それ以前に突き出しピン跡が目立ったり、
他の外装パーツとの嵌合に問題が有る
(付けしろが無いとか良く無いとか)ので、
角材やらプラ板やらで蓋をしたり補強したり…。
タイロッドもどきを追加。
これは以前に組んだMAZ-537にも存在した部分で、
何故か?ソ連系トレーラーはシャーシ側に長いロッドが有り、
これでタイヤの向きを操作しているみたいです。

(みたい、と言ったのは確証が無いからで、
無いと方向転換すらできないので付け足した次第)