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■「第16回 M983 HEMTT トラクターヘッド」(トランペッター)
2016年はやりたい事をやりたい様に…。
まあそんな感じで16回目ですが、今回は久しぶりの重装輪車です。

HEMTT(以下ヘメート)と呼ばれるこの車両は、
機材の運搬から牽引まで、各種用途に応じて派生型が多く生産され、
現在ではTHAADミサイルの運搬車(TEL)としても有名かなと。

当方の記憶からですが、1990年代後半にM977辺りのキットが
レベル社からリリースされていたのですが、
残念ながら入手すらも出来ず、遠い記憶となっていました…。
(以前MAZ-537の記事に書きましたが、AM誌に掲載された故・尾崎氏の
超絶作例を見て欲しくなった)

そしてトランペッターから2015年末にパトリオットとヘメートがリリースされ、
気に入ってしまったが故にトラクターヘッドだけ2個買ってしまった訳で。
(1個のつもりが、カラーガイドにあった現用米軍カラーも作りたくなっただけ)


画像ですが、箱積み上げと中身ぶちまけ、のいつものパターンです。
表書きによると、パーツ数は480+α、×2個で約1,000個前後(!)ですが、
まあキャタピラが無いとこんなモノかなと(ぇ。
再塗装直前の画像。

オーバーラップの関係で色が乗り難そうな部分のカバーとか、
付け忘れの小パーツとか。

荷台部分とキャビン部の外装、フロントカバー、
予備タイヤのホイールが塗装後接着となります。
キャビン部の追加工作です。
内装部分のディテールは良いのですが、
コンソールの下が素通しなので、
底板をそれっぽくプラ材で製作しています。
…車体正面のグリルから見え隠れしますし。

民間トラックでは巨大なラジエーターが有ったりしますが、
配置が異なるのが興味深いです。

余談ですが日本国内のトラックは道路交通法の都合上、
ボンネットタイプの車両は見かけなくなりましたが、
小回りの関係からかエンジン直上にキャビン部が配置されていて、
陸自の車両もそのタイプが圧倒的に多いみたいです。



で、ここでいきなりの先塗りに入る訳ですが、
軍用とは言え前線には立たない車両なので、
装甲ではなくカバー類が多く、それも必要最小限というか、
スカスカでムキ出しの部分が多いため、
先行して奥まった部分の塗装をしている訳で。

カラーガイドではシャーシも含めて車体色で塗られておりますが、
装輪車両の裏面はやはり黒、の方がしっくりくるので、
ジャーマングレイをこうして吹いています。
ふぅ、正月休みを使って存分に手を加えた感のある本作ですが、結構かかったかなと。
支援車両はいつもの「全部組んでから塗る」パターンが適用できない分、
手数も割と多めなのがネックかも、ですね…。 <いわゆる自業自得

今後は更に装甲車とかも順次手を付けたい所ですし、6輪・8輪のトラクターも、どんどん作りたいので、
今回の失敗とか成功?とかが生かせれば良いかなと。

さて、この後は撮影編ですが…一応、自分も含めて勘違いを正しておかねばと(苦笑。
今度はタイヤの塗装に入ります。
まずは下塗りとしてGSIの331番を薄く塗り拡げて、
基本色としています。
エアブラシ塗装が済んだところで、
筆塗りによる塗り分け作業に入ります。

まずはというか、やはり基本はジャーマングレイから。
車体色が吹かれてしまった部分とかを中心に、
満遍なく?塗っていきます。

試しに今回はガイアノーツのそれを使ってみましたが、
GSIのそれと比べて、結構上品な感じの黒になるなと。
…値段が高めなのがネックですがっ。
で、エアブラシのカップに残ったカーキグリーンに
更にRLM02を加えてハイライトとしています。

戦後の米軍系単色車両を再現するなら、
この色合いが良いかなと。
2台目はNATO迷彩です。

まずはベースとなるグリーンを作っていきますが、
下地はいつものブラックグリーン(RLM70)です。
後部のトレーラー受けとか。
シャーシからはみ出している為、
ロックピン?っぽい部分は金属棒で作り直しです。

…っていうかね、塗装時は無論、
この後の作業でも普通に壊しそうだったので(汗。
ラストは過去作との大きさ比較とか。

組んでいる時は全く気づきませんでしたが、
ロシアの牽引車両の方が一回り大きくて、
ヘメートの方は随分と華奢な雰囲気になりますね…。

この辺はロシアとアメリカの道路事情なのか、
鉄道線路がロシアは広軌道を使用しているため、
輸送時の幅制限に余裕があるからなのかも、
…とか思ったり。
ヘメートのフェイス部は一般の車両と違い、
逆バンクのマスクなので、かなり変わった印象を受けますが、
これはやはりエンジン位置が後部に移動しているから、
…なんだろうなと。

一般トラックではキャビン部毎、跳ね上げる形で
エンジンメンテナンスを行いますが、
そういった機構を盛り込まず、エンジンメンテが行える様、
そういう配置にしたのかも…。
ワイパー跡の塗装が済んだので、
フロント部の残りパーツを一気に接着、塗装します。
(シャーシからはみ出す形になっているU字フックとか)
大体の塗り分け作業が出来たので、
一気にウォッシング作業に入ります。

上面はデザートイエロー、下部はバフです。

…この作業中、タイヤに塗った塗料が剥がれてきて、
相応に剥した後、再度バフを塗っています。
…場所毎に何か色合いが変化してしまったような…(脂汗。
ウェザリング作業に入っています。
まずは金属物の質感表現として、
黒鉄色をドライブラシしてメタリック感を出しています。

この後ウォッシングが入る都合上、
ややキツ目の表現になっています。
3色目はモデルカステンの現用米軍カラーです。

但し、先の塗装で使った黄色に加える形で使用しているので、
瓶の中身そのままとは若干色合いが違います(汗。
(リタッチ塗装すると、その部分はそのままハイライトになる!?)
下地が済んだところで基本色を乗せていきます。

まずは現用米軍カラーの方からですが、
1色目はいつもの?土草色です。
(米軍ですしカーキ系でも良いかも)
ここから本塗装に入ります。
色々有りましたが、成型色消しの意味合いも兼ねて、
下地色はジャーマングレイで全面塗りつぶしです。

…これで、本体色の吹き残しが有っても、
成型色まんま、という事態は避けられるので、
この手の支援車両には今後多用するかなと。
悩ましい所ですが、
ドライブシャフトが通る周辺は、
それなりの間隔を開けておかないとならないので、
干渉しない様留意して作業しています。

…そういえばこの作業をしている頃、
日中に交差点で停車中のトラックとかの足回りとか、
ついつい覗き込んでいましたね…ナニしてるんだか。
デッチアップですが、ウインチから伸びるワイヤを
ジャンクパーツ(使わなかった紐?)から自作してみました。

迷ったのは先端部分の処理ですが、
WW2ドイツ戦車のホールド部分が余っているので、
短く切ってそれっぽくしています。
(S字シャックルはIV号前期生産型の装備品からです)

…どうでも良いですが、随分と使いにくい位置に有るなと。
エンジンが付きました。
形状が本物なら?V8空冷、スーパーチャージャー付き?
といった所ですが、
一般の大型トレーラーでも、このくらいのスペックは
普通に有りそうなので、思っていたよりは普通?
…かもしれません。
まずはトラペキットの定番と言うか、
シャーシの組立からです。
バラバラなパーツを井桁に組んでいきますが、
剛性・位置決めの取り易い後部から固定していった方が、
キッチリ組める様です。

(この画像だけ右側が前ですが、以後は基本左側が前です)
●「(あんこう音頭のアレに似てますが)違います!」
●「AFV置き場」インデックスへ戻る
●「展示室」インデックスへ戻る
で、幾つかカメラテストっぽい画像が続きますが、
地味に細長いので、2ショット画像が撮りにくいなと。
何となくでやってみましたが、
今回はワイパー跡を表現しようと思い立ち、
コンパスカッターでマスキングテープを切り出し、
その上からバフで色付けをしています。

…で、ちょっと失敗してしまったので、
傷隠しの意味合いも含め、
コントラストがかなりキツ目になっています(脂汗。

次回からは、シール台紙の上でやるか、
もっと慎重にカットすべきか…。
本体部分が済んだ所でやっとこさのキャビン部です。
まずはクリアパーツ類の取付と縁取り部の塗り分けですね、
サブライト部は非常に小さいので、
基本色の上から塗り分けても良かったかも。

メインのヘッドライトは裏側にシルバーを塗って
表面はクリアーで光沢感を出しています。
今度はマフラー部分です。
一般トラックならメッキ保護されている事が多いので、
錆とかは浮かない訳ですが、
軍用に光モノはご法度、という事も有り、
今回は適度に焼けてうっすら錆が浮く、っぽい表現にしています。

やり方としては、カッパー(銅)→黒鉄色→スモーク、
の順でドライブラシですが、先のBMPTの時と同様、
適度な使い込まれ感が出ればと。
タイヤ部分のハイライトとしてライトグレーをドライブラシ。

それなりの年月が経過したゴム素材って、
黒からグレーに退色する?パターンが多いので、
汚さないのなら、これで終わりにしても良いかなと(ぇ。
キャビン部の内装を塗り分けています。

迷い処ですが、一般トラックと同じ感じで、
グレー系、シートは黒革?っぽい雰囲気で纏めてみました。

軍用モデルはシンプルかつムキ出しの箇所が多いのですが、
落ち着いた感じを出そうかと(ぉ。
下地が出来た所で、車体へタイヤを取付けます。

…やっとそれっぽくなってきましたね…長かった…。
最後にジャーマングレイを吹いています。
タールシュバルツというか、
青とか紫とかグレーが混ざった黒なので、
それなりに使用頻度が高いかも。

迷彩模様が終わったら、エアブラシの圧力を戻し、
シャーシ裏面とかに再度吹いています。
(車体色が吹かれた部分の仮塗り分け目的です)
今度は迷彩模様を描いていきます。
これは以前にM109を塗った時と同じですが、
専用カラーが有るのでそのまんまです。

…無くなったらウッドブラウンとかで代用かなと。
2色目は米軍カラーともいうべきカーキグリーンです。
瓶から出した塗料そのままだったかと。
2色目はストックのライトブラウンっぽい奴。
色々混ざっているのでアレですが、
ダークイエロー系の車両に多用出来るかなと。
補強と残りのパーツを取り付けています。
画像はミラー部分ですが、
これまた繊細で余裕で壊しそうだったので、
0.3mm真鍮棒で補強した後、
少し太らせて取り付けています。
…ディティールが潰れてしまいましたが、
点付けを繰り返してダメにするよりは良いかなと。
そんな訳でやっとこさエンジンカバーと
キャビンの取付が出来たのですが、
フェンダー部分の剛性がここで漸く取れるので、
やっと安心して持てる、といった所かなと。


このキット、実車通りの構造を再現していますが、
プラパーツではヤワ過ぎる箇所も多く(!、
細い部分のブラインドに真鍮線で補強を入れています。
(後部のフラップとか)
エッチングパーツや
デッチアップパーツが続々と追加されています。

ほぼ俺設定ですが、
コンソール側からの制御情報を伝達するケーブル
(ロッド類が多いですがシフトレバーがオートマでしたので)、
燃料タンク~エンジンの中間機構とか、
エアブレーキ機構用(推定)のタンクから伸びるパイプと補器、
ランプ類の配線
(推測に憶測が重なりますが、
パトリオット等、輸送トレーラーによっては連動して
制御するする必要が有る為、荷台連結部周辺に
何らかのジャンパ線(電車の先頭車両のアレとか)が
有っても面白そうです)、
…といった感じで適当にやってます。

肝心なのは単なるディティールではなく、
「役目を持った機器」として追加しますので、
取り付けた後は配線や配管を付けて置く事が良いかと。
…ひっくり返さないと見えませんけどっ。
マフラーとエアフィルターが付きました。
ドラム缶並みの大きさを誇る感じですが、
乾燥地域とかでの運用を考慮しているのかなと。

後部の箱はバッテリーかと思いましたが、
水抜きドレンっぽいものが露出しており、
コンプレッサーとか圧力系の機器が入っているみたいです。
またしても画像が2枚ですが、
ホイール部分と一部の補機が付いています。

今回はデッチアップの一環として、
配線・配管類を金属棒で再現していて、
全部ではありませんが出来うる限りで何となく?
…追加していっています。

(いつも通りですが資料的根拠はありません
画像が2枚ありますが、
サスペンションの基部が付いたところです。

この後作業で分かっていきますが、
前側の組と、後ろ側の組とで補助ダンパーの有無があり、
牽引時の重量増加を見越して、
後部は少し頑丈なつくりになっている様です。


ただ、装甲車の様に機動性は求めていない分、
独立懸架方式ではないので、そういった違いにも
設計思想(要求仕様)の違いを感じますね…。
(そのうち装甲車とかも組めば…)
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