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■第21回 「Panzerhaubitze 2000」(MENG)
連載回数が大台に乗ってきましたね…
そんな感じで今回は現用ドイツ連邦の自走榴弾砲です。
(Panzerhaubitze 2000≒2000年代の装甲(自走)榴弾砲
…という意味合いです、名前が長ったらしい上に、
現用でありながら、何故か愛称が存在していないAFVです)

WW2終結後、西ドイツでは米軍のM109(A3G)を装備しておりましたが、
1980年代に入って独自開発の自走砲を始め、各種試験の後、98年あたりから
ドイツおよびNATO同盟国へ、同車の配備が始まっています。

特筆すべきはその連射能力と展開性能の機敏さですが、
それまで自動装填機構は砲身を都度水平に戻す必要性が有ったのを、
俯迎角を付けたまま次弾を装填・発射出来る様になっており、
M109が8分かかる所を、僅か2分で済ませてしまうという話も有ったり。
(大戦略とかで使う場合、他の自走砲が移動後の攻撃が出来ないのに対し、
PzH2000は出来てしまう、様な感覚ではないかと)

キットの方は90年代のドイツレベルのものが有りましたが、
最新のリサーチによって今回のMENG社キットはほぼ決定版かなと。
無印版が2014年後半、アドオンアーマー付きのリリースが2015年で、
見た目のゴツさではやはり、後者の方がお勧めアイテムになるかと(ぉ。

画像の説明に入りますが、1枚目はいつも通りの箱並べ状態、
2枚目は中身ぶちまけ状態(但し事前に洗浄が必須かと)ですね。
砲身はアルミ製、キャタピラが小箱に入っています。
…後でこの小箱がアレする訳ですがっ(謎。
かなり時間がかかりましたが、
3台分(6本)完了の図。

尚、過去作のM109と同じく、輪っかにする分の最後の1コマの関係上、
ベルトで組むのは97個までになるので、注意が必要かなと。
他、コマ数に関しては97枚でピッチリになるので、好みに応じて、
調整して行けば良いかと(ぉ。

他、破損対策も兼ねて、取り付け後は各所に瞬着を流し込み、
この後塗装作業その他で壊さない様に…
と、気を付けていましたが、割と何回か壊したなと(ぇ。
エッチングパーツ類がほぼ付いた所。
加工が面倒なのは砲身基部上部のカバーですが、
お風呂の蓋宜しくフレキシブルっぽいので、
接続部の盛り上がりを表現するのが結構面倒かなと。
砲塔部分の工作に移っています。

軍事機密ですし、中身は一切再現されておりませんが、
砲基部の内側がかなりヤワっちい構造なので、
組付け後に補強を入れています。

後、砲身が長いせいも有り、
慣性負荷が高いので、砲塔後部に重りの類を入れた方が、
後で安定するかと。
(砲塔リングの嵌合爪がアレなので、
切り飛ばすなら対策としてやっておいた方がベター)
●「撮影編」へ行ってみる(少し重いかも…)
何とか終わりましたね…MENG製品は比較的組みやすい方なのですが、
工作面ではキャタピラが一番の難所で、その後はデカールの多さがネックになるかなと。
後は各所でヤワなつくりの箇所が有るので、補強なり固定なりしていけば、良い作品に仕上がるかも、とか。

さて、次は撮影編ですが、今回は3台分ありますけど、…結局1ページにまとめたので…(滝汗。
装備品の木部塗装です。
いつも通り、タン下地にクリアーオレンジ、
セールカラーでハイライト、ラストに再度タンで調子を整えます。

…ツルハシとかバールや手斧の類は無くなってますね…(ぇ
黒下地が出来た所でウェザリング作業に入ります。
近年のAFVは、塗装関係もハイテク化しているそうで、
NBC防御も兼ねてかなり強力な塗膜を持っているとかで、
『汚れは付くけどそれ程簡単には剥がれたりしない』
…そうで、少し小奇麗な方向性で仕上げていきます。

但し、キャタピラは60t近い重量を支える都合も有るので、
そこだけは錆色やら金属色を入れるわけで。

尚、側面グリルは本車両のディーゼルエンジンの
排気口で有る為、思い切り煤っぽく汚しています。
ペリスコープの内側には、
試しにアルミテープを貼って透け防止にしています。

外側に向くのが糊面なので、
塗装前だと光沢の無いシルバーですけど…。
車体上面の貼り合わせと並行で、
前面には予備キャタピラを装着しています。

…や、ドイツ車両ならやはりこれが無いと…(ぇぇぇ。
作業量のアレさも有り、
枚数を見失う事が多々あった
ため、
苦肉の策として10枚置きにグローサー付きパーツを付けています。
これにより、グローサーパーツの数を数えれば、
今何枚まで繋がっているか、分かる訳で。
(グローサー込みで11枚になるので、8個有れば88枚、
ラストに10枚で合計98枚になる計算)
さて、最初に空けたパーツにはレオパルト1で使用されている
「ピン側にセンターガイドが有る」タイプが紛れ込んでいて、
返品すればいいものの、面倒なので力技を発揮しています。

やっている事は画像の様にセンターガイド部を切り飛ばしている
だけなのですが、片側98枚×2本ありますので…。

…これから作る人、というかストックしている人は、
一度、異仕様の混入ミスが無いか、確認するべき
かと。
転輪が付きました。
本キットでは転輪パーツのパーティングラインが
エッジ部に有るみたいで、転輪君の出番は無かったり。

まあ、念の為ですが接地面をペーパー掛けしてますけど。
ラストはノーマルのドイツ連邦軍仕様です。

但し、教導隊のエンブレムを付けたオリジナルになっているので、
考証的には色々とアレです。


砲塔後部には戦術マークと
脇に書かれた連隊番号がありますが、
この辺は大戦時と基本的に変わっていないんだなと。


他、後面にはアルファベットのマークが有りますが、
ドイツ伝統のル-ルから推測すれば、
連隊の指揮官、ないしは将官のイニシャルで、
「○○将軍麾下の部隊」ってのを表していたかと。


まあ、アニメとかではお馴染みですが、
部隊や組織に固有名詞的な愛称が有る、
ってのも普通に有りうるので、
そういった愛称のイニシャル、って線も有るかと。

…しかしながら、ドイツ系の人達って、
作ったものに対して、音楽(例:第九)を始め、
乗用車すら愛称を付け無い(番号・型式のみ)事が多いので、
指揮官のイニシャル、って線の方が高いかも。


冗談半分ですが、ネーミングセンスの話ではなくて、
コードネームまんまとか型式オンリーの方が格好良い
…って事かもしれませんがっ(笑。
てな感じで今回も完了ですが、
いつになくデカイので、迫力が有るなと。
(T90とかが小さいとか有るかも)

車体全長は11.69mだそうですが、
砲身のはみ出し具合も凄いので、
実感としてはもっと大きい感じがしますね…。
フロント部のアップを出しておきますが、
車体上面のはウインカー、側面のはキャッツアイですね、
当初ランプかと思いましたが、
キャタピラがすぐそばに有りますし、
配線とか有ってもすぐ切れてしまいそうなので、
単なる反射板みたいですね…。

オランダ軍のアフガン派遣仕様(2008時)では、
この部分もテーピングされていて、
実戦参加に当たって視認性を高める部位をマスクしています。
再び迷彩を吹きます。
現用ドイツのデザート迷彩は今回が初めてですが、
グリーンは先に使ったブロンセグリュンをそのまま使っています。

もしかしたら、実車は黄色の方をオーバーコートしているのかも、
とか思いましたが、模型的にはこの方法が良いかなと。
ラストはFS33531(GSI No.313)。
ラベル上は「イスラエル迷彩色」ですが、
中東系の色を使うとそれっぽくなりますし、
今回はこれでいいかなと。
2色目はストックのダークイエローっぽいやつ。
…大戦ドイツものの塗装時に使ったやつの残りを
この機会にリサイクルしている訳で。
今度はデザートカラーの塗装です。
WW2ドイツ軍のダークイエローに近いイメージですが、
現用米軍のそれよりやや白っぽい雰囲気を目指します。

まずはベース色にいつもの土草色です。
続いて迷彩吹きです。
基本塗装は何処の配備先でも変わらないそうで、
…出来るだけ同じ様に描いていきますが…。

1色目はレーダァブラオンです。
量が減ってきましたので、次回以降、
適当に追加した塗料を使います(ぇ。
2色目はブロンセグリュンです。
現代の工業規格ではRAL8027と呼ばれるそうですが、
専用カラーはこれ1本しかないので、
次回以降は近似色を探しますが、
手持ちの中ではGSIのRLM83(123)、
ガイアノーツFS34102(216)辺りが近いかなと。

…少ないとはいえ、ストックにドイツ連邦軍ものは
まだ幾つかありますので…。
ここからは塗装作業です。
最近の定番ですが、今回は金属砲身も含まれますし、
それらを中心に下地を作っておきます。

(プラパーツ部分には、
あんまり吹かない様にしていますが…)
砲塔部仮乗せの図。

車体もでかいですが、砲塔部も結構でかくて、
ぱっと見が大戦末期のドイツ計画戦車もかくや、
といった雰囲気になっていますね…。
フロント部のディティールが出来てきました。

トラベルクランプの下にはレールが有って、
必要に応じてスライドできるみたいですが、
エンジンデッキ直上でもあるので、
工作の順番が面倒だったり。
車体工作はまず後部からです。
取説の順番的にそうだった、ってだけで
深い意味は無かったり。

向かって右側のラックはジェリ缶装備用?っぽいのですが、
余剰パーツから引っ張り出しておくべきだったかも。
キャタピラの組立に入ります。
本キット最大の難所となりますが、
M109及びT-80系列でお馴染みのダブルピンタイプ…
ですが、コマ上下に分かれたパーツでピンパーツを挟み込む構造で、
組立はかなり面倒かつ繊細になっています。
まずはいつも通り、足回りからです。
リサーチが出来なかったのか、車体底面がペッタンコ(!
なのが気になりますが…見えなくなりますし、まあいいかと。

内容的には片側7本のトーションバーに
発砲時の衝撃吸収用なのか、ダンパーが各所に付きます。
●「展示室」インデックスへ戻る
●「AFV置き場」インデックスへ戻る
オランダ軍仕様は左側後部の謎BOXが特徴ですが、
これに伴ってかワイヤー位置が変更されていて、
これのおかげで、塗装時にテレコにせずに済んだ、というオチ。

中央のナンバープレートの文字は二重線が引かれていたり、
秘匿性を持たせられているのが目を引きます。

他、その下の白十字は車間表示確認用だそうで、
形状こそ大戦時とは異なりますが、
目的は同じだそうで…。
次は2009年時のオランダ軍所属のアフガン派遣仕様です。
ハード上はアドオンアーマーの無いタイプですが、
マーキングが気に入ったので、
ノーマルでありながら、このマーキングにした訳で。

砲塔部左側には、猛獣マークが有りますが、
大戦時のドイツ軍でもこれに似たエンブレムを付けた車両が有るので、
関連性が有るのか、ちょっと気になるかも。



右側には「CYNTHIA」と有りますが、
ドイツでもアメリカでも砲に恋人や家族の名前を付ける
ケースが有るので、その類かと。
(米軍では、強そうな動物の名前を付ける事が多いですが)
撮影編前の間持たせ的画像を幾つか。

まずは2010年時のドイツ連邦軍のアフガン派遣仕様です。
砂漠迷彩という事なんですが、
イメージが大戦ものに引っぱられ気味というか、
数十年ぶりにドイツが自走砲を開発したら、
シルエットが殆どマウスというか、
末期に車体だけ完成した?グリーレ自走砲
(170mm榴弾砲)もかくやな姿ですが、
一目見てドイツ車両と分かる部分が魅力かと。

側面の盾マークはISAFのエンブレムになっていて、
時系列的に遡るオランダ軍のマークと比べ、
随分と凝ったデザインなのが目を引きます。
ノーマルのドイツ連邦軍所属車両は、
いつも通りのバフ及びフラットアースで。

…で、終わってみたら殆ど違いが分からない罠。
…今回はかなり控えめでしたからねぇ… <言い訳
ラストはエナメル塗料によるウォッシングです。
アフガン派遣仕様にした2両はデザートイエローのみです。

今回からは漏れてしまいましたが、
2008年時のオランダ軍所属の「MAXIMUS」号の画像が有って、
見事なくらいに黄色い土埃まみれになっていたので、
…控えめではありますがこうしてみた訳です。
塗り分けのラストはクリアー部分です。
路上走行前提と言うか、夜中に移動している工事用車両並みですが、
パトランプに各所の反射板(キャッツアイ)があり、
中々に細かい塗り分けですね…。

ペリスコープのみクリアブルーですが、
…もっと薄めて使うべきかな…。
今度はゴム関係の塗装です。
アドオンアーマーの表面を始め、キャタピラのパッド、
転輪等の塗装ですが、まあいつも通りです(ぇ。

ハブキャップにはグリスポイントの表示なのか、
赤く塗られている部分があるので、
RLM23で塗っていますが…殆ど見えませんね…。
エアブラシ塗装が済んだ所で、
デカールを貼り、黒部分の塗装をしていきます。

今回、警戒識別マークを含め、
マーキングの類が結構多かったので、結構時間がかかったかと。

…地味にデカイものを3個も纏めているせいも有りますがっ。
2色目のテーアシュバルツなんですけど、
これは下地でも使っている俺ブレンドですね…。

(ジャーマングレイに純色バイオレットとか混ざっているやつです、
他にも過去作で使った残り物グレーが混入していたり)
ハイライトはいつものRLM02。

ぱっと見の仕上がりがいつも通りにしか見えない、
ってのが悩みどころですが…。
次にグリーンの下地を作っていきます。
まずはRLM70です。
塗装下地はまず黒から。
専門用語的には「プレシェード」という表現になりますが、
奥まった部分の陰色になる、という意味合いで使います。

…これで完全に成型色が消えるわけで。
…で、微妙に異なる仕様3種が出来た訳ですが、
やはり一番の難所はキャタピラ組立かなと。

…もっと時間短縮出来る方法を考えねばと。
画像が戻る感じですが、
車体側面や前面にハッチの取っ手を付け直しています。
(キットでは普通に棒状のモールドが有るのみの部分、
画像が有りませんが、砲身基部のコードや取っ手も並行処理してます)


や、当初はこのまま進めるつもりでしたが、
AM誌192号(2015年10月号)の記事とか見ていたら、
自分もやりたくなったわけで。 <をい
アドオンアーマー装着状態。

火力支援車両に防御力なんて、
…というのが当初のコンセプトだったらしいのですが、
実戦参加にあたり、こういう装備が追加されているので、
昨今の低強度紛争においては、肉薄攻撃も有りうる、って事なのかも。

他、ドイツでは大戦時のそれとソックリな機銃があったり、
オランダ軍仕様ではまた違う小銃が装備されているので、
…中々に興味深いなと。
ドイツ連邦仕様とオランダ軍仕様とで仕様が異なる訳ですが、
砲塔部右前面のカゴの大きさが違っていて、
外観上での識別ポイントになっていたり。

…しかし、この部分は砲塔回転時に、
トラベルクランプと干渉する時が有り、
破損しない様気を付けねばならなかったり。
砲身基部のアップ。
スモークディスチャージャーには、
キャップ部に脱落防止用のチェーンに見立てて、
0.3mmの真鍮棒でデッチアップを入れています。

…エッチングパーツが有ると便利ですけど…。
ハッチ類が付いた所です。

アドオンアーマー付きの場合、
ハッチパーツが専用になっている場合が有るので、
気を付けねばと。

車体の操縦手ハッチ部分です、
当方は見落としてしまった為、削り落として対応してます)
側面とか。
ドイツ本国仕様とNATO諸国型とで
微妙な違いが有る部分ですが、
ドロウバーの装備位置やらワイヤ、測距用の基準棒
(測量やる時に使う赤白の棒、但し本作ではカバー付き?)
の位置が違いますね…。


他、仕様選択時に不使用部分を埋める指定が有りますが、
穴埋め代わりにエッチングパーツを貼ったり、
適当なボルトパーツを付けてみたり、
色々やっていますね…画像では殆ど見えませんがっ。
完成後には殆ど見えませんが、
やっぱり気になるのでパテ埋めしています。

…この部分、雑具スペース兼用っぽいですが、
実際の所どうなのかなと。

あ、形状違いのはオランダ軍仕様で、
個人的見解では社内通話用の電話が入っていそうなのですが…。
そんな感じでようやく本格的な作業に入っておりますが、
連結冶具で一気に20枚程組める様になったものの、
98枚への道のりは遠く、
1本組むのに5~6時間はかかってますね…。

まあ、帰宅後の1~2時間でちびちび進めて何日もかかったのですが、
…まるで終わらなかった記憶が…(遠い目。
さて、気を取り直していつもの冶具にセットして
一気に組み立てを…とか思ったら、
今度はこのキャタピラの仕様と言うか、コマ間の隙間が大きいため、
等間隔(隙間を開けた状態)で並べていかねばならず、
キット付属の冶具で組み立てを強いられる事に…(滝汗。

ただ、そのままではラチが明かないので、
3個分の冶具を連結させて作業量を上げようとしています。
●飽きたのでTOPページに戻る●
側面から見てますが、
プラ製のトーションバーを実際に取り付けていくので、
可動を目指す方はそのままいけるかと思いますが、
キット剛性を信じていない自分は、キャタピラが付いた時点で、
瞬着を流し込んで位置を固定していってます。