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■第6回 「T-35 多砲塔戦車」(ホビーボス)
やっと片手超えになるのか…の割にまたしてもイロモノ系キットですが。
さて、今回はノイバウに続き多砲塔戦車、
しかしながら最大級の大きさと砲塔数を誇る戦車です。

WW1終了以降、ヨーロッパ各国では対陣地攻撃を主眼にした
陸上軍艦的な戦車がいくつか開発されましたが、
その後の世界恐慌により多くが頓挫、試作どまりになっています。

…が、ロシア(大戦中に革命が起きソ連)は計画経済により
多砲塔戦車の開発や部隊配備を進めており、
BTシリーズやKVシリーズと共に部隊配備されていたとか。

ただ、重量増加に伴う機械的信頼性の低さから、
前線での稼働率は非常に低く、独ソ戦初期の戦闘では
まともに動かせず、ドイツ軍の的になっていたという話もありますね…。

…この辺りは、KVシリーズと並んで『街道上の怪物』として
小林源文氏の漫画にも登場してましたので…懐かしいなと。
(故障して立ち往生、乗員も逃げるに逃げられず戦闘が長引いたとか)


で、キットの方ですが箱の大きさに対してパーツ数は比較的少なめ、
車体とかフェンダーなどの大きな部品が多数あるので、
難易度的には…まあトランペッターとほぼ同じ感じかも(汗。



まずは足回りからですが、転輪部は本体とゴム部分が別パーツ、
…であるものの、「全部組んでから塗る」当方としては
要らない配慮でして、しかも組んでみると、
パッと入らず難儀したため、内側のリムパーツを転輪君で削ってから、
組み込んでいく事になりました…。


…そしてダブル構造なので、作業量はかなりある訳で…。
細部塗装に入っています。

キャタピラ、転輪ゴム、工具の金属部などにジャーマングレー、
ライトの内側に銀色を塗っています。
…この後にレンズパーツを付けていますが、
失敗したため、思い切り汚して誤魔化す作戦に出ています(ぇぇぇ。

他、方向性を意図的に変えた?事もあり、
パッケとかのマーキングはやめてプラウダ高校仕様になってます。
砲塔番号はドラゴンのキットから、プラウダマークは
モデルカステンのデカールセットからです。

…このデカールセット、店頭売りしていないんですよね…(ぼそ。
ふぅ、何とか今回も無事に終わりましたね…。
コメントしてませんが、塗料のはみ出しとか、実は各所でやってしまっているのですが、
そこに汚しを入れる事で「言わなきゃ分からない」所に落とし込んでいたりして、
…こういう気楽さがミリタリーものの面白さではないかと思ったり。

…さて、次は撮影編ですが、ソ連兵の掛け声と言えば…(!?。
黒鉄色によるドライブラシとか。
巨大感の演出の一環としてですが、エッジ部を中心に、
重力方向に向かって雨だれ跡っぽいものを付けています。

大戦当時、ロシアも舗装路はあまりなく、
そこら中で石ころを跳ねたりしていたと仮定しています。

…このあたり、ちゃんと鉄板に見える様になっていれば良いなと。
ついでに後部のアップ画像を出していますが、
泥とか砂が詰まっていない分、
小奇麗な印象を受けますね…。

舗装路だけを移動していた場合は、
こうなるかもしれませんがっ。
方向性を変えた
(あまり拘らずに、自分が格好良いと思えそうな色合いを目指す)
ので、ストックから適当なグリーンを持ってきて基本色としています。

因みに左から、
濃緑色そのまま、メタリックグリーン(ライデン・シナンジュの残り)、
RLM02っぽい緑(タコの残り?)です。
転輪の本体が出来たので、
この後纏めて転輪君での接地面削りに入ります。
ちょっと目線を下げてみましたが、
まさしく陸上軍艦というか、
上部構造物のレイアウトが艦橋っぽいですね…。

こういう部分もこの車両の魅力なのかも。
そんなこんなで完成直後の画像をいくつか。

前回のノイバウを上回る多砲塔戦車なので、
ぱっと見の存在感は凄いですね、これ。


戦術的には完全に失敗作の車両ですが、
模型的には非常に面白い車両なので、
今後もこの手のロマン兵器はやってみたいなと(笑。


戦車カテゴリの中ではシャール2Cと並び、
ほぼ最大級の全長を誇る車両ですし、
いつか並べてみたいなと(ぉ。
最後にキャタピラと足回りにバフをかけています。

もう少し強めに入れた方が良かったかなと。
(砂もしくは泥水が乾いたっぽい表現)
ラス前はハルレッドによるウォッシングです。

うっすらと錆が浮いている表現にもなるので、
ミリタリーものに使うのが定番化してきていたり。
次は木部です。
ノイバウの時と同じく、
タン→クリアーオレンジ→タンで再度ドライブラシ、
の順にかけてそれっぽく。

家具調のウッドブラウンも捨てがたいですが、
基本野ざらしなので、明るい色調で毎回やってますね…。
ラストにRLM02。

だいぶ落ち着いた感じになったかと。

大戦初期のカラーリングってドイツもの以外は定番的な
色合いが少なく、割と自由にやっても、
それっぽい雰囲気が出せるみたいで、
意外に良い感じになっています。
ここからは塗装作業に入ります。

始める前にちょっとカラーサンプルを作っているのですが、
ロシアングリーンは初期の明るいグリーンと、
後期~現用の暗いグリーンとが有り、
今回は初期の車両なので明るいグリーンを目指していきます。

…あんまり明るすぎると「強そうに見えない」ので、
こうしてカラーサンプルを作ったものの、
今回の作例では使っていなかったり(汗。
側面装甲板にストラップ、
OVM類に予備キャタピラ、梯子とかが付いてます。

主砲塔基部側面にそれぞれ謎のパーツが有る訳ですが、
用途とか目的を知っている方が居たら、
ご教示戴きたいパーツですね、これ…。


余談ですがエッチング製の梯子パーツには、
後で瞬着をもりもり塗ったくっていて、
塗装作業などで触れてしまっても、一気にぐにゃり、
…とならない様、配慮していたり(ぉ。
フェンダーと主砲塔基部が付きました。
フェンダーパーツにあるダボは大きすぎるので、
ダボを小さくするか全部削り落とすか、
お好みで作業していけば宜しいかと。

…ぺーパー跡が有るのでアレですが、
一気に組み付けられず、
各所で流し込みとかしていたので…(苦笑。
エッチングパーツが付き始めています。
実はこのキット、エッチングパーツのランナーが
3枚も入っていて(一般的には1枚)、各所でふんだんに使いますが、
転輪ボギー部分の小フェンダーの梁パーツ
(一組に対し4か所の指定ですが、
見えなくなるため、外側にだけ取り付け)、
誘導輪そばの謎パーツ
(キャタピラの弛みを調節するため、
誘導輪の基部にはシャフトが通っており、このシャフトを固定する
ボルト系の器具(建設現場の足場を繋ぐアレ、っぽいやつ)に
工具を通す時、手元を見るために穴が開いている、と推測)、
…と、序盤から面倒なパーツが有ったり。


この手の重戦車はキャタピラの張り具合を
頻繁に調整する可能性が有るので、
ある程度見えるように穴が開いているのではと(汗。
サスペンションの画像が2枚。
画像が割とすっ飛んでますが、車体のバスタブ部分と
上面のすり合わせは必須でして、保管状態にかかわらず、
歪みやダボの状態を確認しながら組む方が良いかと。
(ダボ穴が小さい時は、
思い切ってダボそのものを削り落とした方が良いかも)


で、実車の構造を知るのは初めてなのですが、
逆T字型の基部からスプリングで受けているとわ…

や、現用戦車等ではスプリングは補助的にしか使われておらず、
大重量の戦車にこれでは…故障するのも納得してみたり。
(現在はトーションバーか板バネが主流)
わざとらしく?
段階を踏んだ形でパーツをプチプチ合わせて行っているので、
作業過程が分かりやすいかなと(苦笑。
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製作編ラストはおやくそくっぽいものを。

劇中では雪上戦だったので本来のグリーン系車両は
登場しておりませんが、(前回大会での)優勝パレードとか、
部員募集のポスターの背景とか、
実物と同じくプロパガンダ兵器、
…としての役割を十分に果たしていたのではと。 <をい

…や、実物が存在するからと言って拘り過ぎて
手が止まってしまうより、楽しく作って
『俺の戦車道』っぽいものをやった方が面白いので。
キャタピラへのハイライトは、
今回ステンレスシルバーを使ってみました。


普通のシルバーだと発色が強すぎるので、
鈍く光る感じに見えれば…といった所かと。
続いてメタルグリーン。

思い切りSFチックな色合いですが、
気にせず進めます。
まずは濃緑色。
吹いてみると、実際の発色は
後期ロシアングリーンに近いですね…。
次いで砲塔部分の作業が完了。

大戦もの車両は車体の工作が済んでしまうと、
割と後は一気に終わるケースが多いので、
思っていたよりはあっさりと組めた方かなと。

ネックになるのは主砲塔上のループアンテナくらいで、
細い分、何もしていなくても歪んでいる(!?)事が多いので…。



…しかしまあ、エッチングパーツが多いですね…。
キャタピラが付きました…。
何かいつもと違うコレジャナイ感が漂ってきますが、
キットのキャタピラは部分連結式で、
上側の部分には弛みが付けられず、こうなってしまった次第。

自信のある方は線香やドライヤーで炙って曲げるでしょうが、
本体に取り付ける前にやらねばなりませんし、
別売りキャタピラを待つのもアレですし
(枚数が相当多そうなので、それだけで5000円以上は覚悟!?)、
これなら却ってベルト式の方が軸打ちで曲げられるので…。

…これ、ゆっくり起動しないと、すぐキャタピラが切れそうですよね…。


他、キットのパーツは一部で嵌合の悪い個所が有るので、
接着前に仮合わせしておいた方が無難かも…。