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■第19回 「T-90 & T-90A 」(トランペッター)
漸く砲塔分工作に入ります。
まずはざっくりと基本形状ですが、
A型のみ、側面に追加装甲を付けてからの作業になります。
…大台が見えてきましたね…そんな感じで今回はT-90です。

過去記事でも湾岸戦争の話をしているかと思いますが、
イラク軍と多国籍軍の地上戦闘以来、ロシアのT-72シリーズは
全く売れなくなり、対案としてT-72にT-80シリーズのコンポーネントや装備を
追加して誕生したのがT-90です。

(本国仕様のT-72は複合素材の装甲を持っていて、
西側諸国の戦車砲でも貫通出来なかったとされていますが、
イラクに輸出されたモデルは普通に鉄オンリーのモンキーモデルだったので、
精鋭とされた部隊も一方的にやられてしまったのが原因)

その後、ウクライナの独立に伴い鋳造砲塔が製造できなくなったため、
以後は溶接構造の角型砲塔が搭載され、これがA型と呼称されています。

さて、キットの方はズベズダ・MENG社との競作となった1作で、
後にトラペからはA型もリリース(2014初頭?)されて、
丁度3個揃った形になりましたし纏めて組もうかと。

画像はいつも通りの箱状態と中身ぶちまけ状態な訳ですが、
それぞれ1300パーツあるので…凄い面倒な内容になっていますね、
その辺は以下の作業を見ていけばご理解いただけるかも(汗。
フェンダーの基部が付きました。
金型代節約の為なのかディティール再現の為なのか、
フロント部周辺が別パーツになっているので、
合わせ目の消込作業が必要になります。

リブ部分も当然の様に別パーツなので、
結構手間がかかるかも(汗。

…余談ですがこの形状、大戦時のKVシリーズを彷彿とさせるというか、
基本設計が変わっていない事を認識させられますね…。
何とか終わった…車体パーツが出来るまで1ヶ月以上掛かった時はどうなる事かと思いましたが、
まあ何とかなるものだなと。

この後は撮影編ですが、ご興味が有りましたら、下のリンクから続きをご覧くださいませ。

…アレ、ネタが浮かばない…(脂汗。
細部塗装が済んだ所で、
バフ(足回り)及びフラットアース(足回り以)でウォッシング。

これで全体のトーンが落ち着きます。
さて、ロシア系のMBTはカオス状態が魅力でもありますが、
基本設計が限界に達しているというか、
問題も様々あるが故に追加装備が沢山有る訳ですね…。

今後ロシアはT-90の改修型とT-14の二本立てで
陸戦兵器の軸を構成していく様ですが、
どう変化していくのか、興味は尽きないですね…(ぉ。
雑具箱の補強状態とか。

出来るだけ見え難い位置に…って所ですが、
完成後に若干チラ見えするかも。
スモークディチャージャーとサーチライトとか。
ほぼ間違い探し状態ですね…。

無印とA型とで、取り付け方式が微妙に違っており、
興味深い所かも。
車体前側の最終状態。
フロント部のフェンダーは合わせ目消しが必要なので、
留め具は最後に貼った方が良いかなと。

他、ライトや補強板が付きますので、
細かい作業が連続していたり…(汗。
フェンダー上には雑具箱と予備燃料タンクが付きますが、
それぞれストラップが付くので、
こうして事前の作業が必要になったり。

ボルトへッド部に続き、
結構面倒な工作になるかも…(汗。
取説では片側83枚とありましたが、やってみた感じでは、
84~85枚って感じかと。
(一応ですが、作業時間は1本組上げるのに約3~4時間は見ておくべきかと)











で、こちらは弛み具合の比較画像になる訳ですが、

画面上側が84枚、下側が85枚ですね。

…この後側面にはフェンダーが付くので、どちらでもそう問題は出ませんが(!、
参考になればと。
砲塔リングの張り出し部分には、
早速エッチングパーツが付きますが…。
完成後には殆ど見えなくなる部分なので、
面倒な場合は省略しても良いのではと。

…逆に砲塔部分にもこのボルトヘッドのエッチングパーツが多数(!
取り付くので、その前哨戦とも言えますがっ。
撮影前のテストショットですが、
最終形態だけを見ていると、
ぱっと見はほぼ同じに見えますね…。

(湿地迷彩の方は砲塔部にERAを追加してます)
転輪及びフロントフェンダーのグレージング状態とか。

フェンダーはキャタピラが巻き上げた石とか砂を被るので、
表面がボソボソになりがち…かと思いますので、
こういう表現になっている訳で。

実車では普通に歪んでいるケースが多いので、
エッチングパーツで置き換えたら、
そういう表現もアリかと。
参考までにドーザーブレード部を出しておきますが、
使い込まれた感を出すならば、
もっと派手に入れるのも良いかと。

(過去作ではベルゲパンターとか)
さて、トラペのキットには
パレード参加時のマーキングが付属しますが、
今回はそれを使っています。

ここ最近はオシャレな星マークが多いのですが、
親衛隊章マーク(砲塔側面)が好みなので、
今後どうするかなと。
2色目はジャーマングレイ。

先のベース用と違い、
こっちは素性が分かっている方のやつです(苦笑。
ベース色となる黒。
残り物塗料にジャーマングレイを加えたものです。

減る度に何か色々混ぜているので、
…今度どうなっていくかなと。
車長ハッチが完了。
フィギュアを乗せたりする場合には解放状態で組む訳ですが、
この場合にはハッチ裏にもボルトパーツが付くので、
最後にひと踏ん張り、としてやってみるのも面白いかと。

…今回の様に閉めてしまえばやる必要が無くなりますが…。
機銃パーツを付ければ工作は終了です。


…が、余剰パーツが多数あるので、
1個だけノーマル状態で残しておいて、
残りにはERAブロックを追加したり、
エッチングパーツで留め金を再現したりとか、
ちょこちょこ追加作業をしています。
取付状態を2種。

でまあ、一旦プラ状態で固定しますが、
頃合いを見て切り取り、0.5mm真鍮棒で置き換えています。


…ただ、これだけではまだグラグラしてしまいがちだったので、
後から裏面に真鍮棒での補強を入れます。
雑具箱の工作に入っています。
スペースドアーマーを兼ねているのか、
どの箱も砲塔部から浮いていたりするので、
取付時に補強を入れる必要がある訳ですが、
その前に取っ手部分もこうして置き換え作業をしています。

…まあ、ほぼ間違いなく壊しそうな箇所なので…。
後端部を2パターン。

さて、こうなったのには理由が有って、
取説通りの長さでワイヤーを準備すると、
長さが足りずに、取りあえず1個目は下側に取り回してみたものの、
今ひとつ感があったので、
2個目以降は垂れ下げる事にしたわけで。
(1K17/2S19では110mm指定、本作では90mmでした…)


工作面では丸太をホールドするストラップ部ですが、

基部・ベルト・ベルトの引っ掛け部まで
『すべて』エッチングパーツ
なので、

…もの凄い面倒かも(滝汗。
車体上部が付きました。
前側の方は良いのですが、
バリエーション展開の関係からか、エンジンデッキ部の
パネルパーツが合わせにくかったりするので、
摺り合わせは前側のパーツからやると良いかなと。
転輪部の装着状態とか。
最前部の誘導輪がギリギリの位置に有りますが、
車高をギリギリまで低く・コンパクトにしている、
ってのが良く分かるのではと。

追加工作としてエンジン隔壁っぽいものと床板の基部、
って所ですが、補強兼用って事で。
転輪部の貼り合わせ前状態。

某B社のそれ程ではありませんが(苦笑、
生産ロットによってバリの出具合が派手になりがちなので、
接着前に確認しながら組むのが良いかと(ぉ。
まずは車体のバスタブパーツからスタートですが、
サス周りのパーツが付いた所です。

組立上の注意点を挙げておくと、
補助アームが付くサスペンションパーツですが、
ランナー違いで同じ番号のパーツが有るので、
(テレコとかの)間違いに注意かなと。

まあ、間違えた所で補助アーム側のダボを切れば済む
話ですけれどっ(謎。
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ちょっとアングルを変えてみましたが、
意外と難しいなと。

…パッケ絵の構図を狙ってみただけなのですが…。
T-90Aの画像を幾つか。

鋳造から溶接構造の砲塔に替わった事で、
逆に拡張性が出てきてしまったというべきなのか、
輸出型のC/S型も結構特徴的な形状をしているので、
いずれまた組む機会があるかと(ぉ。


こちらは前回の1K17/2S19の時と同じ、
旗の付いた親衛隊章マークが付いています。

(無印の方は外側の縁取り形状が異なる白いタイプです、
車両に付与される場合の意味は当方もイマイチ理解してませんがっ)
ウォッシング時に使ったエナメル塗料の定着も兼ねて、
ツヤ消しコートを吹いた後、
レンズ部分にクリアを再度塗って完成です。
ラス前はレンズ部の塗装です。

クリアパーツを生かしたのは車長ハッチ前面のカメラのみで、
後はシルバー地に各種クリアカラーで塗っています。

迷い処は車体各所に有る小ランプですが、
2015年のパレード時に登場した2S35(コアリツィア)の画像を見ると、
この部分はオレンジではなく緑だったので、
他の車両はどうなんだろうかと気になっていたり。

…面倒なので当面オレンジでやるかと思いますが、
砲塔部の行軍ランプ下のは緑にしています。
後部の丸太とか。

本作は樹脂パーツ一体成型の為、
木目調の傷を付ける事が出来ませんでしたが、
塗装はいつも通りやっていきます。

手順としては、
ダークイエローで下地、
タンで基本色、クリアーオレンジで模様描き、
セールカラーでドライブラシしつつ調子を整えていきます。



すぐ下にアップ画像を出しておきますが、
はみ出た部分は後でリタッチします。
錆及び擦れ表現とか。

汚れというのは時間と共に状態が変化していきますが、
汚れが溜まって錆が浮くとかの段階を考慮し、
この逆の手順で色を付けていきます。

(錆色→金属の露出→酸化した表面→汚れ、の順ですが、
現実はこの逆に変化していくので)
エアブラシによる塗装が済んだ所で、
デカール貼りと塗り分けをしていきます。

まずはジャーマングレイでキャタピラとか装備品、
フロントフェンダーとか。

…個人的にゴムカバーっぽい方が好きなので…。
同様にジャーマングレイ。

作業的には3台分纏めて吹いておりますが、
分けた方が分かり易いので…。
2台目と3台目は湿地風迷彩とか。

こちらもカラーガイドを参照しつつ、
ライトグリーンを吹いていきます。
基本色が出来たので今度は迷彩を吹きます。

カラーガイドを参照しつつ、
まずは黄色。

(内容は過去記事ないし瓶に書いてある
GSIの塗料番号で確認下さい)
ハイライトにRLM02。

カラーモジュレーションを意識するなら、
上面を中心にふわっと吹くのが良いかと。

この一連の作業の中で、濃い色はありとあらゆる場所、
明るくなるに従い適当に吹くのがコツかと。
次いでロシアングリーン。

…使用後に毎回ロシアングリーンを足していっている訳ですが、
ほぼロシアングリーン化したかも(笑。
ここからは車体基本色の緑を作っていきます。

まずはいつものRLM70から。
やっとこさの塗装開始です。

今回もですが、エッチングパーツが多いので、
プラサフを吹いて下地としています。

…一部でモールドが消えたかもですが、
まあ気にしない方向で(汗。
…こうしてみていると、
このキットが如何にトンデモな内容かが分かるかと思いますが、
別売りのエッチングパーツではなく、
キット付属の内容でここまでの内容になっているので、
…地味に上級者向けのキットなのではと思ったり。
後部の雑具箱と車長ハッチの一部とか。

書くの忘れてましたが、
A型のカメラカバー、パーツを飛ばしてしまった為、
仕方なく?自作したから色違いになっているんですよね…。

で、作業が終わったら部屋履きのサンダルの中から出てくる罠(涙。
といった所で前側が出来てきましたが、
このシュトゥーラ部分もカバーの開閉が選択できますので、
演習時等を再現するなら、解放状態が良いかなと。

…電飾しても良いのですが、小さいですしね…(汗。
フロント部のコンタークト5とシュトゥーラ基部とか。
上面にはステレオ式のレーザー測距儀がつきますが、
演習時等では蓋部分を開放しているので、
好みで解放状態を再現しても良いかと。
(選択式ですし)

シュトゥーラ部分は取説通りだと位置決めが難しいので、
基部の方を先に組んで本体を後付けする方が、
多少は組み易くなるかと(苦笑。
ERAブロックとか砲手ハッチが付いています。

60番台のMBTとかT-55系列のMBTには、
見た目もブロック状のERAが付いておりますが、
T-80以降は車体との隙間が有るタイプになっていますね…。
さて、ここでまたしてもボルトヘッドのエッチングが付く訳ですが、
鋳造砲塔タイプで93個、
A型はバラバラなので数える気も起きませんが、
…ほぼ内職状態が続きます。

(実際にはハッチパーツ等にもこれが付くので、
砲塔1個当たり100個は軽く超えると推測…)
エンジンデッキ周辺とか。
後端部のグリルにはカバーが付きますが、
ディティール優先なら付けなくても良いかなと。
本作では半開きにしていますが、お好みでやって戴ければと。

…見た目以上に面倒な箇所が多いんですよね…。
側面のフェンダーが付きました。
基本的にT-72シリーズで一般的なタイプですが、
大部分は鉛入りゴムないし数mm程度の薄い鉄板らしく、
これ以前のMBTでも各種の追加装甲が装備されていますが、
T-90では前側のみとなっています。

…で、基部パーツも結構バラバラなので、
見た目より手間がかかっていたり(汗。
そんな感じでストラップが付きました。
フェンダー部は自重で撓んでしまう事が多いらしく、
キャタピラと干渉してしまわない様、
こうして車体側から吊っている訳ですね…。

陸自も含め西側車両では、スポンソンと呼ばれる張り出しが
有る訳ですが、ソ連系車両は車高をギリギリまで下げている為、
スポンソンは存在せずフェンダーのみなので、
こういう措置が取られているかと。
前側の追加装甲とか。
モジュール化されたERAブロックなのですが、
T-72Bと呼ばれるタイプにも採用されているっぽいので、
90での採用から72にも適用・更新したのか、
72の更新から90にも標準適用したのかは不明ですね…。
序盤の山場、キャタピラ組立です。
前回の1K17/2S19のそれと同じかと思いきや、
センターガイドの大きさが微妙に異なる(T90はコストダウンの為、
小さくしている?)ので、前作の残りは流用できなかったり。

画像はまずそのセンターガイドの先付作業の様子ですね、
この後切り離して整形、数が揃ったら一気に組み立てます。