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■第23回 「VK4502(P)H & ベルゲティーガー(P)」(ドラゴン/サイバーホビー)
ドイツもの連作ですね…そろそろ飽きてきそうですがっ。
さて、前回はP虎を組んだ訳ですが、キット付属のベルト式キャタピラがアレだったため、
急遽他のストックキットを検分したところ、都合3個のキットが別売りパーツ交換への対象になり、
エレファントにするかこっちにするかで悩みましたが、
1種3個よりは2種2個の方が絵的に良いかなと思い、今回の製作に至る訳で。

少し実車に関する経緯を書いておくと、
VI号戦車の競作(VK4501)に際し、ポルシェ博士は余程の自信が有ったのか、
軍の正式採用を待たずに100台分の資材を手配しており、
後にこの資材は90台がエレファントに、残る資材は指揮戦車としてのP虎と、
エレファントの回収作業用に3台がこのベルゲティーガー(P)として改装されたとか。
(残りの資材は多分前線での補修パーツにされたっぽいです)

VK4502は後にティーガーIIとして名を馳せる事になりますが、
ポルシェ案はシルエットこそティーガーIIですけど、基本構造はエレファントと同じで、
エンジンが真ん中に配置されている分、砲塔部は後ろになっている訳で。
でもってこの案はまたしても不採用になりますが、この時もポルシェ博士は資材を
先行手配していて、ティーガーIIの最初の50台には、このポルシェ砲塔が搭載された状態で
前線に送られていくわけですね…組むと分かりますが、不採用の理由が分かるかも(笑。

…画像の方に移りますが、まずは箱並べ状態とその中身ですね、
足回りは同じですがテレコにするとアレなので、一応箱が有りますが…。
お次はベルゲティーガー(P)です。
「はたらく軍用車両」というのは当方のライフワーク的なジャンルですが、
戦闘目的ではない分、
そのメカメカした所が強調されていて、
自分はモノスゴク好きなんですよね…。

まあ、勿論大砲を積んだ戦車も大好物ですが、
連載コーナーのサブタイが「戦車」ではなく「AFV」なのは、
こういうのも随時作りたいから、
っていう意味合いがある
訳で(をぉ。

大戦ドイツものではIV号の戦車回収車と、
新規に仕込んだヘンシェル版ベルゲティーガーがあり、
これにトラクターヘッドの様な装輪式牽引車も加わるので、
まだまだ作りたい支援車両は多いなと(笑。
最後にエナメルのフラットアースとバフでウォッシングをし、
艶消しコーティングをしたら完成です。

…今回はやや濃いめのダークイエローですが、
まあこれでいいかなと(ぇ。
小物のラストは消火器です。
これまたいつも通りのRLM23とシャアピンク。
VK4502(P)の方は実戦仕様っぽく、
末期迷彩として有名な木漏れ日パターンを描いていきます。

当初、ステンシルを用意して、
プシュプシュと吹いていこうかと思いましたが、
思いのほか表面がデコボコでステンシルが当てにくかったため、
エアブラシ塗料を使っての手書きをしています。

これ、濃度が薄い分、厚ぼったくならず、修正とかはし易いのですが、
如何せん手書きなので、根気が試されるかと。

このマーキング、丸・三角・四角で色んなパターンがあるので、
大戦末期のドイツ車両を仕上げる際には…(脂汗。





でもってさらに実戦参加仕様風にすべく、
ストックから本部付仕様の「R」番号のデカールを拝借した後、
縁取りを手書き追加して存在感を上げていたり。

…良く見ると歪んでますが…(汗。
そんなこんなでほぼ車体部が出来た感じですが、
ポルシェ社は後にスポーツカーで名を馳せる事も有ってか、
車体だけ見ていると実にスタイリッシュというか、
何気に格好良い気がしていたり。
やり方としては画像の様にピンバイスでやたらと穴を開けた後、
デザインナイフで整形していくのですが、
数が多いので結構面倒かも…。

後でメッシュカバーが付くので、
それ程気を遣う必要はありませんが、
やって損はしない工作かなと。

まあこの配置とかを見ていると、
後のマウスとかにも通じる部分があり、
何となくポルシェ博士の設計思想?が垣間見えるかと(ぉ。
組立作業は早くも個別進行になっています。

まずはベルゲティーガーの方からですが、
キットは試作時の状態そのまま(手持ちの資料は「ジャーマンタンクス」のみですが、
クルスク戦時以降の画像は無かったので)なので、
P虎やエレファントを参考にしつつ適当に装備を追加していきます。
色違いで分かり易いのはボッシュライトですが、
これはタミヤのIV号装備品セットからですね…。

他、車体部前面のパーツは試作型P虎のそれなので、
このパーツを何故VK4501(P)のキットに付けなかったのか、
と(ぼそ。
キャタピラを組みます。
先にも書きましたが、キット付属のベルト式は側面から見た時のシルエットが
ペタンコなので、別売りのモノに交換する事にしました。

で、現在でも入手可能なのはモデルカステンとフリウルモデルの2種ですが、
値段も高いので、今回は値段も安いホビーボス製のパーツを使ってみる事にしました。

(量販店で入手しましたが一個1000円未満!
カステンは3000円前後、フリウルは5000円前後…)


…が、値段相応なのか、パーツの整形(パリとか型食いっぽい感じの修正)に
手間を取られるので、何方も一長一短かなと(苦笑。

枚数的には前回同様、108枚から110枚くらいでいけるので、
前側の誘導輪基部を可動にしておいて、
この部分でそれっぽく調整していきます。
一気に進んだ感がありますが、転輪と起動輪が出来ています。
…スマートキットでは無いからなのか、
前回に続いての製作なので、慣れてしまったのか…。
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…で、色々と有りましたが、工作は完了です。

ぱっと見はエレファントが回転砲塔になった、
って感じですが、T34ショック以降の傾斜装甲を取り入れている分、
思っていたよりはスタイリッシュな雰囲気…





…でもやっぱりブサイクかヘンテコか、
…この後の塗装で何処まで格好良くなるかなと(苦笑。
終わった終わった…今回は2種2個でしたが、終わってみると1.5ヶ月で完成していて、
やはり作り慣れた大戦ドイツものに加え、数が少ないと結構早いなと。
今回ので先のVK4501(P)からの累計でP虎関連を一気に5個組んだ形になりましたし、
残るはエレファントを組めば…ですけど、流石に別のもやるべきかなと(汗。

で、この後は撮影編ですが、
2種まとめた格好なので、ちょっとページが重いかも…(汗。
今回は1色飛ばしてハイライトのダークイエローです。
色々と塗ってきた結果、
この色(残り物)もほぼダークイエローになってしまったので、
この機会に少し多めに使おうかと。
車体後部ですが、ティーガーIIの配置に倣って牽引クレビスを追加、
下端には余剰パーツのフックを追加しています。

…駆動用モータがこの奥に有る筈ですが、
…メンテナンス用のハッチとか、無くても良いのかなと(汗。
そんな小休止の後、車体を貼り合わせています。

完成後は殆ど見えませんが、後部に段差が出来てしまったので、
パテ埋めのついでに、生乾きの内に溶接モールドっぽく処理をしています。

…デザインナイフの先っちょで線を入れているだけですけどっ。
貼り合わせの前にちょっと小ネタを。

VK4502(P)はポルシェ版のティーガーIIと位置付けられますけど、
正式採用のヘンシェルタイプと比べてどうか、
ってのを見たいがために、ストックのティーガーIIの車体を載せてみた訳で。

…で、結果は見ての通り?ですが、
車体の有効全長はこのVK4502(P)の方が長い事が分かったり。

他でも書いてますが、発電機とモータが有る分、車体が大きくても
VK4502(P)の車内はかなり狭く、搭載弾薬の数とかはかなり制限されたのではと。
…って事で、まずは1個目のベルゲティーガーの作業が完了です。

やはり砲塔部が無いと、作業が早いなと(苦笑。
右側には前回のP虎製作時に余ったワイヤー、
牽引クレビスにハンマーと謎ロッド(IV号装備品の余剰パーツ、
実態は洗浄用ブラシのロッド)、消火器に手斧、S字シャックル、
…と、回収作業に必要そうなパーツやメンテナンス用の工具とかを
適当に配置しています。
追加工作は内部の隔壁兼用の補強も兼ねている訳ですが、
戦闘室後部からモータの排熱口(エレファントも同様の張り出しが有ります)っぽい
部分が素通しなので、プラ板で適当に塞いでいたり。

毎回適当な事をしていますが、接着してしまう前に、
他の部分と干渉しない事を確認せねば、と…(汗。
こちらは後面のアップを出してみましたが、
余剰パーツのフックをもう少し追加しておいても良かったかなと(汗。

チェーンはクレーン部の余剰分ですけど、
現代のトラックでもタイヤチェーンを吊るしているパターンが有りますので、
それに倣った感じです。
まあ、車両的にモータで動いているので、
アース線的な役割を持たせるなら…というのを後になって気付いていたり。
エンジンデッキ部のアップも出しておきますが、
追加工作によるデッチアップが結構嵌ったかなと(ぉ。

マウスと違って、まだ車体前面の跳弾板が付いておりませんが、
付けるとしたらどの場所にどう付けるか、
興味は尽きないかと。
変化を付ける意味合いもあり、
機銃のストックとペンチの木部はニス塗りを意識して、
オキサイドレッドの上にクリアオレンジを塗っています。
続いてレッドブラウンでの迷彩描きです。
ベルゲティーガーの方は、
これで基本塗装が終わりになりますが…。
塗装下地はいつもの黒です。

成型色消しの意味合いが強い事も有り、
ありとあらゆる場所に吹きます。
更なる追加工作として、予備履帯ラックを追加しています。

…ただ、これはティーガーIIの一般的なタイプ用のものでして、
VK4501(P)以来のタイプを履いている車両では、
基部のピッチが合わないんですよね…。

まあ、キットの履帯がもう少し余れば現物合わせで、
…っていう線も有りましたが、意外にも余らなかったので…。
内側にはなんちゃっての砲弾ラックですが、
余剰パーツのリサイクルと砲身が重い故のカウンターウェイトです。

2016年末からは各社からティーガーI/IIのフルインテリアキット(!
がリリースされており、
キッチリ再現したものをいずれ組むかもですが…
…まあ、今はとりあえずこれで済ませようかと(汗。
大体のパーツが出来てきました。
キューポラ上のリングには機銃が付きますが、
これまたタミヤのIV号装備品セットからです。

薬莢袋はドラゴンの余剰パーツですが、
支持架と上手くマッチしないので、
まあ適当にくっつけています(ぇ。
砲塔部の工作に入ります。

…が、砲身を固定(差込み)する砲尾部分の組図が抜けており、
ストックのキットを引っ張り出してきて、
参考にしながら砲尾部を組んでいます。

…や、前回はプラッツでしたが、
大元のドラゴンでもこういうの有るんだなと(苦笑。

…こうして、忘れかけていたD社の黒歴史をまた思い出す罠(汗。
車体の左側面は牽引用のワイヤーのみですが、
フェンダー後部には消火器とテールランプを追加しています。

や、これ、WW2時のドイツ戦車はただでさえオーバーヒート多発で
発火の危険性が高いってのに、モータと発電機が積まれている分、
電気火災の可能性も非常に高そうですし、
…無いと困るのではと。
…で、工具をセットした後に上側にラッチをセットしていきますが、

もの凄い面倒だなと。

下側に見える細いワイヤーはキャタピラの交換時に使うタイプを想定して、
先にコードを自作した時にも使ったエナメル線を這わせています。
続いて側面の工具類です。
今回のは選択式ではなく、エッチングパーツ製の基部に
工具類を実際に固定してくタイプでして、
留め具の位置が分かりづらかった事も有り、
車体側にまず基部パーツを付けてから、
工具本体を固定していっていたり。
車体部の細部を工作していきます。

まずは前面からですが、フェンダーの補強板とボッシュライトとか。
ライト基部からはエナメル線でコードを追加した後、
上面に引き込み基部を付けています。
開口部の上にメッシュカバーを付けます。

手前(画面右側)がキット付属のエッチングパーツですが、
目地が細かすぎて折角のディティールが見えないので、
今回もメッシュ部を市販パーツから自作しています。
(前回のP虎と同じ30番)

…で、今回は枠部分のエッチングが最初から別パーツなので、
メッシュを貼った後に枠パーツだけキットのものを使って、
如何にもエンジンカバー、っぽい雰囲気に変更しています。

個人の好みですが、枠付きタイプのエッチングでも、
枠部分だけを残してこの手の市販パーツに置き換えれば、
同様の効果が得られるので、
…大型キットになら、こういうのは定番になるかも、とか。
…で、途中まで作業したものの、
開口部が非貫通なのがちょっと気になった為、
グリル部分の穴開け作業をしていきます。
引き続いてはVK4502(P)の作業に入ります。
こちらも補強兼用で隔壁パーツをデッチ上げていきます。

まあ、ミッドシップになって重量バランスは改善したものの、
最後部に駆動用モータが残っている感じなので、
相変わらず車内スペースは狭いのではと。
クレーンとアタッチメントを車体に固定していきますが、
車体にフックを追加して先端部を固定した後、
端っこからチェーン部を固定していき、
テンションをかけてロックしている様に組んでいきます。

まあ、クレーンって移動時には邪魔になりがちですが、
簡易式とは言え組むのには相応の手間がかかる訳ですし、
前線で使うのなら、すぐ使える状態にしておいた方が、
何かと便利じゃないかなと思った次第で。

サイトの過去作にはベルゲパンターが有りますが、
この車両にはウインチが装備されていない分、
擱座車両の回収にはワイヤー接続しか無いわけですが、
クレーンは弾薬の搭載にも普通に使えるので、
頻度的には良く使われたのではと。

(エレファントの主砲はティーガーIIと同じなので、
砲弾一つで30kgはありそうですし)
車体が済んだので今度はクレーンを組んでいきます。

まあ、昔の鉄工所とか自動車整備工場で見かけた気がするやつですが(!、
向かって右側のリール?を回す事で巻き上げたり下ろしたりする、
っていう割と原始的なやつですけど…。

現用の装甲回収車は伸縮式ブームを持ったクレーンが付きますけど、
何分20世紀前半の車両ですしね…。
装備品のデッチアップです。
戦闘室の前面と上面に付いている機銃と、ジャッキ以外は
ほぼオリジナルの改造で、
戦闘室のスリットにはドラゴンのIV号キットの余剰パーツからクラッペを移植、
畳んだ状態の簡易クレーンは側面に移して予備パーツ扱い(!、
ジャッキブロックはパンターの余剰パーツです。

後端にはテールランプをデッチ上げた後で配線コードを追加、
間違えて開けてしまった天板の穴を埋めるのと並行で、
燃料注入ハッチ?っぽいディティールを追加しています。
そんな感じで車体上部が取り付きました。

前側はほぼエレファントそのまま、
戦闘室はエレファントのものよりかなり小さい感じのスタイルですね…。
●「撮影編」へ行ってみる (注:ページがやや重めです)
VK4502(P)の完成直後の画像を幾つか。

当方が製作時に見る資料は
「ジャーマンタンクス」(大日本絵画)しか無かったりする訳ですが、
この車両に関しては、この状態の資料が存在せず、
砲塔部の画像しか無かったり。

…なので、キット自体がフィクションを元に
(多分こうだろう)的な解釈で作られている場合が多く、
メーカ(ドラゴンのキットが出るまでは、
レジンキットの改造パーツが何種類か出ていたかと)毎に
解釈が異なっていたりするので、
製作の自由度はかなり高い車両ではないかと。

(実車の画像が今の所出ていないので、
製作側で自由に作ったとしても、何の問題も無い!)
今度は木部です。
今回もいつも通り、ダークイエローとタンで下地を作った後、
クリアオレンジで木目っぽいものを付けて、
ハイライトにセールカラーというパターンです。
キャタピラと車体エッジ部には、
錆色を先に塗ってから、
それを隠すような感じで金属色を重ねていきます。

錆→シルバー→黒鉄色→スモーク、ですが、
擦れと錆は表裏一体というか、まあそんなイメージです。

スモークは雨垂れと煤汚れを意識したものなので、
マフラーとかエッジ部にも結構使っているかと。



…一応アップも出しておりますが、
これで重そうな雰囲気が出せていれば良いなと。
そんな所でやっと基本塗装が済んだので、
塗り分け作業に入ります。

まずはキャタピラや装備品の黒塗り分けです。
続いては迷彩を吹いていきます。

まずはダークグリーンです。
VK4502(P)はやや太めの帯、ベルゲティーガーの方は、
細めの線を縦に蛇行迷彩を描いていきます。
次に黄色のベース色となる土草色です。

黄色部分のシャドウ色ですね…。
ここからは塗装に入ります。

まずは塗装下地としていつものプラサフです。
…砲身を初めとして、金属パーツも多いですしね…。