あまり知られていない性格論争!! |
ヒューマンスキル研究センター 代表取締役 細川 政宏 | ||
前回、「血液型による性格判断」のところで、性格と血液型の関係について論争があったことをお伝えしました。そして、1937年、その関係性は否定され、論争は決着にいたりました。 A実際に、人間の行動は、どんな状況でも一貫しているわけではない。過去の研究結果を検討しても、異なる状況での人間の行動の間には「低い相関」しか認められなかった。 とし、それ以前に次のように考えられていた性格概念そのものを否定したのです。 @性格は行動の内的な原因である。 その後、「性格はあるのか」という大論争が20年以上にわたって続いています。日本では、この余波をまともに受け、研究ができなくなったといいます。欧米では、この論争を踏まえて「性格特性5因子モデル」の研究が起こってきました。ちなみに、最近の性格心理学では、性格を「内在する実体」とは考えていないようです。人間は、行動を手がかりとして、性格というものをどのように理解するのかという視点に立っています。認知の問題と考えているのです。自己認知、他者認知という問題ですね。「性格特性5因子モデル」については、次の機会にお話ししましょう。 |
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参考文献 山田洋子編 1997 「現場心理学の発想」 新曜社23-126 | ||
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