4エレデルタループアンテナ

 

<4エレデルタループANT全景>

 

<材料>
材料は5エレデルタループと同じです。
ただ、担ぎ上げ移動用なのでできるだけ軽くするためにブームはφ22を使っています。
また給電部はフィルムのプラスチック円筒容器を使いました。
さらにクロスマウントもUボルトで自作しました。
エレメントクランプは必要ありません。ブームに穴を開けて挿すだけです。
デルタの上部はビニール線で事務用目玉クリップにて両サイドのエレメントを留めます。
表3に材料リストを示します。

<表3. 材料リスト>
材料名 規格寸法 数量 備考
アルミパイプ φ6 ― 2m 8本 エレメント上
φ8 ― 1m 8本 エレメント下
φ19 ― 0.5m 1本 ブーム接続用
φ22 ― 1m 3本 ブーム
クロスマウント φ32用 1個 Uボルトで自作
目玉クリップ 2個 マッチング用
目玉クリップ 8個 エレメントワイヤー用両端
フィルムケース 円筒プラスティック容器 1個 マッチングBOX用
真ちゅう板 t=0.5mm,30mm×80mm 1枚 マッチングBOX用
同軸線 5D2V 1m マッチングBOX用
Mコネ,メス   1個 マッチングBOX用
圧着端子 M3用 1個 マッチングBOX用
ビニール線 UL1007 AWG #18 9m エレメントワイヤー用
銅線 φ3.5程度の太目のもの 30mm マッチングBOX用
ビス M2 9個 エレメントストッパ用−8個
マッチングBOX用−1個
ナット M2 9個 エレメントストッパ用−8個
マッチングBOX用−1個
ワッシャ M2 9個 エレメントストッパ用−8個
マッチングBOX用−1個
ビス M3 4個 ブーム接続用
ナット M3 4個 ブーム接続用
ワッシャ M3 4個 ブーム接続用
ビス M4 2個 ブーム接続用
蝶ナット M4 2個 ブーム接続用
ビニールテープ 1巻 (色分けする場合は各種用意)
接着剤 エポキシ2液性接着剤 少量 マッチングBOX固定・防水用

 

<ブームの加工>
ブームは5エレデルタループと同様にφ22のアルミパイプを3分割して組み立てられるよ
うにしています。つなぎはφ19のパイプを介し、蝶ネジ(M4)1本止めとします。
加工で一番難しいのは4つのエレメントのズレをなくすことですが、3分割したブームの1
本でまずデルタ部分がズレないようにエレメントの穴を開け(φ9)3本つなぎの蝶ネジの
穴位置でブーム間のズレを修正します。
寸法をきっちり測って加工しても誤差があるので、邪道ですが私は目分量で穴あけをし、
正面から三角形がストレートに並ぶように加工し、それでもずれるので多少ヤスリで穴位
置を補正しました。
以下ブームの寸法図です。




<エレメントの加工>
エレメントはφ8とφ6のアルミパイプおよびAWG#18のビニール線で構成します。
φ8のアルミパイプは全長1000mmで統一します。φ6のアルミパイプは各エレメントによ
り長さが違います。ビニール線の両端には事務用目玉クリップを圧着端子でカシメて取り付
け、φ6のアルミパイプを引っ張ることによりたるみをなくします。
φ6のパイプのφ8への挿入部分は約50mm程度で適当でよいと思います。
(風で抜けなければよい)ストッパーはビニールテープを数回巻きつけます。
φ8のパイプのブームへの挿入部分は約25mm程度で、M2のビスナットでストッパーに
します。(これも風で抜けない程度の長さでよい)
以下エレメントの寸法図です。




<エレメントのつなぎとブームへの挿入>
<エレメントとワイヤーとの接続>
5エレデルタループと同じですので
参照してください。

 

<給電部の製作>
給電部は5エレデルタループと同じですが、MJコネクタ部分はフィルムの円筒ケースを利用して
作っています。
MJコネクターとφ6のアルミパイプの接続は、太目の銅線でアルミパイプにφ2のビスナットで留
め、コネクターに半田付けします。
アース部分はコネクターのアース舌片をフィルムケースの外に出し、真鍮版に半田付けします。
帯状にした真鍮版に事務用目玉クリップ中を取り付けラジエータエレメントの一番ブーム寄りの
ところにクリップして留めます。フィルムケースのφ6のアルミパイプの引き出し部分にはエポキ
シ接着剤で固定し隙間を防水します。(下記図面参照
給電部をラジエータエレメント
に取り付けた写真



<調整と運用>
調整は5エレデルタループANTと同じです。参照してください。

本アンテナでローカルのJQ3NSU局と過去何度も担ぎ上げ移動しました。
移動地のロケーションにもよりますが、担ぎ上げ移動としてはそこそこの
実績を残しています。
特に大和葛城山からの運用では、10Wでもかなりの1エリアの局と交信でき、
JCC、JCGを稼ぐことが出来ました。
なりよりも、短時間で組み立てられすぐQRVが出来ることが一番のメリットだ
と思います。
以下、ANTシミュレーション結果と実測結果を記します。

 

<4エレデルタループANTシミュレーション結果>

 

<4エレデルタループANTビームパターンシミュレーション結果>


<ANTアナライザおよびSWRメータによる実測値>