HELLOWEEN (1985)★★★★ HELLOWEEN |
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HELLOWEEN誕生の記念すべきファーストアルバムである。星を付けるのも恐れ多いほどこのアルバムには重みがある。カイハンセンが「どうだ!これが俺の音楽だ。聴けい!」と言ったかどうかはわからないがまさにここから、後に一大ムーブメントを巻き起こすジャーマンメタルが誕生した。内容はデビュー作ということもあり、かなり荒削りである。しかし当時、こんなアプローチをしたバンドはどこにも無かった。こんなに速い楽曲でありながらメロディアス。全編に渡る「まな板」でネギを刻むようなギターリフ。そしてリズムをキープした状態で繰り出されるどこまでも美しい高速ツインギターソロ。とにかく強烈な衝撃と感動の嵐である。これを成し遂げた人物。それこそが天才カイ・ハンセンなのである。たった5曲のアルバムだがこのアルバムの持つ意味は無限大といえる。星が1つ欠けている理由は上記の功績は抜きにして単純にヴォーカルをとっているカイ・ハンセンがえらくヘタくそだから。超音波のような声(どんなんじゃ)で頭がクラクラする。これは星一つに値すると判断した。しかしこの先クオリティが上がってきたらいったいどうなるのか。考えただけでも空恐ろしいアルバムである。ジャケットでもわかるようにHELLOWEENの音楽ベースにはIRON MAIDENがあるようだ。MAIDENのエッセンスをうまく取り入れながら別物に化けさせたとでも言おうか。IRON MAIDENをウルトラマンとするならばHELLOWEENはウルトラセブンだろう(笑)。
G/Vo:KAI HANSEN
G:MICHAEL WEIKATH
B:MARKUS GROSKOPF
Dr:INGO SCHWICHTENBERG
1.STARLIGHT
2.MURDERER
3.WARRIOR
4.VICTIN OF FATE
5.CRY FOR FREEDOM
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WALLS OF JERICHO (1986) ★★★★☆ HELLOWEEN |
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衝撃のデビューから立て続けに発表された第2作目は初のフルレンスアルバム。ファーストからさらに磨きがかかり、本作を聴くとGAMMA RAYのルーツが見えてくる。本作でもファーストのテンションは継続して炸裂しており、さすがカイハンセンといったところ。本作の聴き所は全曲。それほど聴き応えたっぷりで捨て曲が無い。それでもあえて挙げるとすれば、現在でも必ず演奏される2つの超大作だろう。たたみかけるような強烈なツインギターソロに感服する「RIDE THE SKY」と高速でメロディアスそして曲展開が圧巻の「HOW MANY TEARS」である。まさにHELLOWEEN様様といえる。ソングライティングではカイハンセンだけではなくもう1人のギタリスト「ヴァイキー」ことマイケルヴァイカースも負けず劣らず良い作曲センスを持っていることがわかる。またサウンド構築の面ではドラムのインゴが実にバンドにマッチしたパワー溢れるプレイを聴かせてくれている。文句無く初期HELLOWEENの傑作といえるがやはりカイハンセンのヴォーカルには辛いものがあり、せっかくの楽曲がもったいないと思える。
1.WALLS OF JERICHO
2.RIDE THE SKY
3.REPTILE
4.GUARDIANS
5.PHANTOMS OF DEATH
6.METAL INVADERS
7.GORGER
8.HEAVY METAL
10.HOW MANY TEARS
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KEEPER OF THE SEVEN KEYS Part 1 (1987) ★★★★★
守護神伝パート1 HELLOWEEN |
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ついにこの時が来た。通算3作目。HELLOWEENに待望の専属ヴォーカルが加わった。それもまさしくメタル界の最高峰と言っても過言ではないほどの美声とパワーとルックス全てを併せ持ったヴォーカリスト、マイケル・キスクの登場である。適材適所とはこういうことを言うのだろう。カイハンセンの楽曲にキスクのヴォーカルとくればもう最強というほかに無い。こんな最強メンバーで世に送り出された作品が本作「KEEPER OF THE SEVEN KEYS」である。本作はPart1と次作のPart2からなるHELLOWEEN初のコンセプトアルバムである。内容はまさにジャーマンメタルのバイブルといえる。冴え渡るハンセン節炸裂の楽曲群に乗せてキスクのクリアヴォイスがこれまた炸裂。これ以上何を望むというのだろうか全く思い付かない。「INITATION(序章)」でこのアルバムが凄いものであることを予感させ、本編「I'M ALIVE」で早くも卒倒する。「TWILIGHT OF THE GODS」はこれぞまさしくHELLOWEEN。スピーディでコミカルで珠玉のツインギターソロに撲殺される。「A TALE THAT WASN'T RIGHT」はHELLOWEEN初のバラード。これをキスクが情感たっぷりに歌い上げる。キャッチーな「FUTURE WORLD」に続いて流れてくるのがPart1最大のハイライト、13分半にも及ぶ超大作「HALLOWEEN」である。スローでダークな序盤から徐々に加速して盛り上がっていき、それがピークに達した時カイとヴァイキーのツインリードが炸裂。これでもかこれでもかとたたみかけるギターソロに成すすべ無し!気づくと口だけがポカンと開いている。ラストの「FOLLOW THE SIGN」で余韻に浸ると共に沸騰しきった体をクールダウン。凄すぎる。これこそが名盤である。
1.INITATION
2.I'M ALIVE
3.A LITTLE TIME
4.TWILIGHT OF THE GODS
5.A TALE THAT WASN'T RIGHT
6.FUTURE WORLD
7.HALLOWEEN
8.FOLLOW THE SIGN
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KEEPER OF THE SEVEN KEYS Part 2 (1988) ★★★★★
守護神伝パート2 HELLOWEEN |
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4作目はこの物語の後半にあたるPart 2である。当初「KEEPER OF THE SEVEN KEYS」は2枚組で発表する予定だったが、レコード会社の意向でPart 1/2に分けられてしまった。しかしPart1と同様に本作Part2の構成も序章から始まり超大作でしめくくられているため、分けて発表したことに対する違和感は全く無い。そのPART2の内容は、言うまでも無く最高傑作!Part1同様文句のつけようが無い。驚きなのはPart1では大半の曲がカイハンセンの作品だったのに対し、Part2ではヴァイキーの曲が大半を占める。お約束のような序章「INVITATION」に続いて出てくるのは歴史的名曲になるスピードチューン「EAGLE FLY FREE」。流れるようなメロディ展開とツインリードにまたしてもメロメロにさせられる。この楽曲はヴァイキーの作品であるがこれを聴いて改めてヴァイキーの実力を見直した。良い意味でクサいメロディを書かせたら右に出るものはいないだろう。カイハンセンとの違いはカイハンセンは1曲の中に「飴とムチ」があるのに対しヴァイキーの曲は最初から最後までチョコレートパフェ。ただ実はどちらもそれが紛れも無くHELLOWEENのサウンドであることに間違いはない。珠玉のメロディ「DR STEIN」(ヴァイキー作)もすばらしい。個人的にえらく気に入っているハンセン作の「MARCH OF TIME」では強烈なフックを食らいついにダウンを喫してしまう。シングル曲「I WANT OUT」もキャッチーで実にHELLOWEENらしい曲である。そして最後にこの物語を締めくくる13分半の超大作「KEEPER OF THE SEVEN KEYS」。あまりに凄すぎて感涙する。静かなアコースティックギターが響き、珠玉のメロディがミドルテンポで進行していくが中盤から後半にかけスピードチューンへと急展開をみせる。特に徐々に盛り上がっていくツインギターソロには完全KOさせられる。これが実はヴァイキーの曲でありこれで彼は完全にもうひとつのHELLOWEENの顔になったといえる。これを見取ったからかどうか、カイハンセンは、本作リリース後にHELLOWEENを脱退してしまう。とはいえ最後にふさわしい本当に凄いアルバムを作ったといえる。
1.INVITATION
2.EAGLE FRY FREE
3.YOU ALWAYS WALK ALONE
4.RISE AND FALL
5.DR. STEIN
6.WE GOT THE RIGHT
7.SAVE US (ボーナストラック)
8.MARCH OF TIME
9.I WANT OUT
10.KEEPER OF THE SEVEN KEYS
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KEEPERS LIVE (1989)★★★★★ HELLOWEEN |
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5作目。今となっては非常に貴重なものとなってしまった「KEEPER P1/P2」発表後に行われたツアーを収録したライヴアルバムである。本作を聴くことで実際のライヴではどんなもんなのかを知ることができる。でその中身は、予想通り最高!という言葉に尽きる。演奏力。再現力。パワー共に申し分無く満点。また、MIXがうまくいっているようで音がかなり良い。キスクのヴォーカルも非常に丁寧で、持ち味の高音を存分に轟かせている。正直どの曲がいいとか言うレベルではなく全てに堪能できる。また、ひとつ大きなサプライズがあって2ndに収録されていた大作「HOW MANY TEARS」をキスクのヴォーカルで聴くことができる。まさに願ったり叶ったり!やはり凄い。大作とは思っていたが予想通りキスクが歌っただけでそれが2倍3倍にもなり超大作にのし上がった。もうこのラインナップでのHELLOWEENは二度と観ることが出来ない。だからせめてこの凄かった証をじっくり噛みしめてほしい。2枚組にしてほしかった等欲も出るところだが・・・。
1.A LITTLE TIME
2.DR. STEIN
3.FUTURE WORLD
4.WE GOT THE RIGHT
5.I WANT OUT
6.HOW MANY TEARS
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THE BEST ・ THE REST ・ THE RARE (1991) ★★★★ HELLOWEEN |
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6作目はシングルA/B面、代表曲、ボーナストラックそして未発表曲を集めたまさしく題名通りの音源集である。本作をもってHANSEN`S HELLOWEENの区切りを提示した形となる。こうして聴いてみるとキスクは最高のヴォーカリストだがソングライターとしてはカイやヴァイキーとは方向性が異なることがわかる(11,12)。決して悪いことではないがひとつのバンドの中に複数のスタイルのソングライターが居てそれを生かそうとした時それは大きな冒険であると共にバンドの存続にも影響しかねない。そういった意味でHELLOWEENのソングライティングの要がカイとヴァイキーで、作風は異なるものの2人の才能が同調して同じ方向を向いていたことが揺ぎ無いバンドコンセプトを生み、ここまでの成功を掴み得たのだろうと改めて認識した。
1.I WANT OUT
2.DR. STEIN
3.FUTURE WORLD
4.JUDAS
5.WALLS OF JERICHO
6.RIDE THE SKY
7.HALLOWEEN
8.LIVIN' AIN'T NO CRIME
9.SAVE US
10.VICTIM OF FATE
11.SAVAGE
12.DON'T RUN FOR COVER
13.KEEPER OF THE SEVEN KEYS
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KEEPER OF THE SEVEN KEYS Part 1 & 2 (1994)★★★★★
守護神伝 完全版 HELLOWEEN |
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6年の歳月を経て、とうとう守護神伝完全版が出た。内容はPart 1+Part 2+Bonusの2枚組。まあこれが発表されることになった経緯は、たぶん現在もHELLOWEENが人気を維持し活動を続けていることにほかならないだろう。そういった意味では現HELLOWEENに大感謝である。内容は言うまでもないが、これでHELLOWEENを初めて知る人がいたら本当に驚くだろうね。
1.~18.本編収録曲はPart 1,2を参照。
Bonus Truck
19.DON'T RUN FOR COVER
20.LIVING AIN'T NO CRIME
21.SAVAGE
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