四万十川の風景

 四万十川風景の象徴の一つに挙げられるのが沈下橋である。
 四万十川は豊かな自然と清らかな水で農作物つくりに寄与しているほか、アユ、ウナギなど川魚の宝庫として流域住民に大きな恵みをもたらしている。
だが一方では台風や豪雨に見舞われると氾濫し、木の橋などは押し流してしまう「暴れ川」に変身してしまう。
そこでこうした災害から橋を守ろうと考え出されたのが、欄干がないコンクリートでできた強固な橋、沈下橋。
増水すると水中に沈んだ格好になることから「潜水橋」とも呼ばれる。

 昭和時代に集落をつなぐ生活道として、また憩の場や子どもたちの遊び場として流域に約60ヵ所作られた。
i沈下橋はその形、川面に写るシルエットなどが四万十川の自然とよく調和し、四万十川の魅力を高めているシンボル的な建造物として観光客にも親しまれている。
 最近は水害に強い抜水橋が建設されているが、高知県と流域市町村で作る「四万十川総合保全機構は平成10年に四万十川と一体になってるこれらの橋のうち、生活、文化、景観などの視点から防災上や維持管理に支障のない橋は保存し、今後も生活道として、生活文化遺産として後世に引き継ぐ方針を決めた。
保存・維持管理の対象となる橋は本流で21、支流26となっている。


上流域
四万十川の最上流に架かる高樋橋、通称大股沈下橋(保存)=高知県高岡郡大野見村大股
架橋 昭和40年
長さ 32b
幅 1・5b
左側にある田畑に農家の人たちが通る。
釣り場や子どもたちの水遊び場として親しまれている。
久万秋橋(保存)=高知県高岡郡大野見村久万秋
架橋 昭和39年
長さ 49b
幅 3b
一般道路と同じ、バスも乗用車も
通る。
夏には周辺で、アユの友掛けをする人が多いという。
すぐ近くにはアユの育苗場や名水・久万秋の湧き水がある。
標識の下が四万十川の源流点 上流域には千枚田が多く見られる
中流域
四万十川に架かる最古の沈下橋
国指定有形文化財
一斗俵(いっとひょう)沈下橋(保存)=高知県高岡郡窪川町一斗俵
架橋 昭和10年
長さ 60・6b
幅 2・5b
通行禁止
地区の人がたまに通る?
向山橋・通称上岡沈下橋(保存)=高知県幡多郡大正町上岡
床板の下部が曲線を描き、橋脚も丸みを帯びており、スペインの建築家アントニオ・ガウディの建築物を思わせるユニークなデザインの橋
架橋 昭和38年
長さ 60b
普通車通行可


高知県高岡郡四万十町十川の鯉のぼりの川渡し、川渡しの発祥の地、下を四万十川が流れる

下流域

カヌーの手ほどきを受ける観光客(四万十市西土佐江川崎の四万十川で)
夏休みを利用して県内外から大勢の客でにぎわう、05・8・6
講習を終え、四万十川の上流に向け漕ぎ出した
かいの扱いも次第に上達 約2時間かけて往復800メートルを漕ぎ終える
午後からは急流をくだって8キロ先のゴールを目指す 急流でバランスを崩し投げ出される人も、、