昨日,母の介護保険の認定調査があり,実家に行ってきました。
調査員が母に基本的な質問(名前・生年月日・現在いる場所はどこかなど)を質問します。
痴呆という病気におかされているとわかっていてもこうまで進みがはやいと本当に驚きます。
:「お名前はなんですか」と聞かれて生年月日を答えました。
:「生年月日は」と聞かれて年を間違えて答えました。
:「ここはどこですか」と聞かれてコタツの上と答えました。
他には現在の季節は春だとも言っていました。(今は秋ですが・・・)しかも答えるのにすごく時間がかかります。
1ヶ月ほど前は名前と生年月日ぐらいは即答でした。記憶力も何度か繰り返し教えれば2・3時間保てていたのが,今は保つことが出来ません。
過去の記憶も7・8年前から40年前までにさかのぼってしまいました。
*↑話をしているとわかるのですが,とっくに父は引退しているのに「仕事でいない」(7・8年前の出来事)と言っていたのが昨日はどこで働いていたかを聞かれて40年前の職場を答えていました。
ひととおり終わったあと調査員と父が席を外したので母とおしゃべりしていました。
私とは比較的心配事などを話するようです。
その時はこんな話でした。
母:「あんたも大変だね。」
私:「え?どうしてそう思うの?」
母:「だって,アタシ,こんなになっちゃったからさ・・・。」
私:「こんなって,わからなくなってきたってこと?」
母:「うん。もうすごいボケちゃって,こんなになりたくなかったけど,しょうがない。」
私:「でもこれからデイサービスとか行ってさ,これ以上忘れないようにしようよ。」
母:「そうだね・・・。あんたにはこの病気にはなってほしくない。」
私:「ありがとう。・・・いくつになってもやっぱり親だねぇ。」
母:「そりゃ,そうだよ。」
「わからなくなってきていること」が解かるってどんなにかつらいだろうと思いました。
不安で不安で,でもあきらめるしかないと思っている母が本当にかわいそうでなりません。そんな母に気遣ってもらって,私はいくつになってもやっぱり子どもなのです。
それでも今は私が自分の子どもだとわかっても,いつかはわからなくなる日がくるのです。それもかなり近い将来でしょう。
昨日,帰り際に「あんたは私の古い友達によく似ている」とにこにこしながら言っていました。
わからなくなる前触れです。
そうなったときには「良い友達」になれたらいいな,と思うのです。
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