K6Aエンジン・メカチューン

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 さて、分解が終ったところで、まずは片っ端からラッピング処理です。

 ボロ切れや、セーム皮の切れ端などに、オイルで溶かした酸化クロムをつけて、しこしこと磨いていきます。

 ちょっと磨くだけで、汚れが取れて、光沢が出てきます。

 素手で触っただけでも違いがはっきり分かりますよ。

 よっぽど無茶な磨き方をしない限り、楕円になるほど削れませんのでご安心を。

 磨く前と、磨いたあとで、マイクロメーターを使っても違いが分からないくらいのレベルですから。



 そして、純正のどんな部品を流用するか・・・

 まずは、バルブ・スプリングをやわらかくしました。

 なぜかって?

 フリクション・ロスの低減のためです。



 新規格のK6Aエンジンに比べて、旧規格のCT51SワゴンRに搭載されたK6Aエンジンの方が、ピークパワーの回転数が高く、レブ・リミッターの回転数も高いんですよ。

 それなのに、新規格のK6Aエンジンの方が、バルブ・スプリングの張力が高くなっています。

 なぜだと思いますか?

 ・・・その答えは、冷機時の始動性の向上のためです。

 エンジンを止めたときに、バルブ・スプリングが弱いと、バルブのオーバーラップで止まってしまうことがあるらしいです。

 そうなると、EX側のバルブと、IN側のバルブの両方が開いた状態なので、排気ガスがINマニ内部まで逆流してきてしまい、エンジンの始動時に逆流してきた排気ガスが燃焼室に入り、初爆がえられず、始動性が悪化するらしいのです。

 それを防ぐ為に、新規格車になってから、バルブ・スプリングが堅くなってきています。

 しかも、途中で更に堅くなっているし・・・



 ただ、今回のチューンは始動性の向上を狙っているわけではなく、フリクション・ロスの低減を狙っています。

 だから、やわらかいに越したことはないのです。

 とりあえず、新規格車のバルブ・スプリングならどれも旧規格車よりは堅いので、どれを使ってもサージングを起こす心配はないと思っていいでしょう。

 (旧規格車よりもスプリングが堅く、レブ・リミットが低いからです)

 そんな訳でチョイスしたのが、新規格車の1型のK6Aエンジン用のIN側のバルブ・スプリングです。

 これを、IN、EX共に使用します。



 *これをやると、ホントに始動性が悪化しますので、マネをする人は覚悟してください。

   私は、気にしないレベルですけどね。



 そして、さらに流用チューンを考えましょう。

 フリクション・ロスの低減ということで、タペットをDA63系のキャリー、エブリーに採用されているオイル穴付きのタイプに交換します。

 これで、タペットとシムの動きが良くなると思いますので。

 でも、これでバルブのステム・シールからのオイル下がりの危険性が上がるんだろうなぁ・・・



 ・・・えっ?

 文章ばかりでつまらない?

 じゃぁ、今回の目玉。

 圧縮比アップに行きましょう。

 

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