K6Aエンジン・メカチューン
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圧縮比を上げる方法として、一番に思いつくのがヘッド面研ですね。
でも、個人的にこの方法はキライなんですよ。
だって、クランクシャフトとカムシャフトの間の距離が変わるから、バルブ・タイミングの調整をしないといけなくなるからです。
その調整をしようにも、K6AエンジンはH9年くらいからカムシャフトとスプロケットが焼きばめで一体化されているので、簡単に調整できなくなっているんです。
だから、その方法は却下ってことで。
まぁ、いずれはやりますよ。
会社のプレスと、廃品回収で拾ってきたトースターを使ってね。(笑)
ここからが本題。
圧縮比を上げるもう一つの方法。
そう、ピストンを換えるんです。
アルトは、3型からピストン形状とシリンダヘッド形状が変更になっています。
コスト削減のため、VVT付きのエンジンも、VVT無しのエンジンも同じピストンになっているんです。
要するに、バルブ・リセスが切られているんです。
この分の容積が、ピストン1個あたり1.4ml。
その分、シリンダヘッドの形状が変わり、燃焼室容積を減らして、1・2型と同じ圧縮比にしているんです。
そこで、1・2型の、バルブ・リセスの切られていないピストンに交換してしまおうと言うわけです。
これが、そのピストンの頭頂部の形状の違いです。
左が3型アルトのノーマル・ピストン、右が1・2型のノーマル・ピストンです。
バルブ・リセスの有無が分かりますか?
この分だけ、燃焼室容積が減ることにより、圧縮比が上がるわけです。
その差は、なんと0.1!!
はっきり言って、この程度だと体感するのは非常に困難です。
気持ち程度のチューンってとこかな。
でも、ターボ車の場合、この原理を利用すると1・2型は圧縮比を落とせますよ。
そして、さらに今回は3型以降のターボ用のEX側カムシャフトを流用します。
リフト量が若干増えるからです。
・・・でも、冷静に考えてみれば、作用角の問題もあったんですよね。
今、それを測定していますので、その結果によっては2号機エンジンでは他のカムシャフトに変えるかもしれないです。
真面目に、ダイヤル・ゲージとマグネット・ベースを使って、カムのリフト量を測定しているところです。