| | 二世選手、いわゆる有名選手の子どもが同じ競技をしていることがあり、しばしば話題に
上ります。
親がある競技の選手であれば、生まれたときから環境の面でその競技が身近にあり、
親が必ずしも強制しなくても子どもが同じ競技に親しむケースは多くあります。サッカーで
もそれは同様であり、親が選手をしていたというプレーヤーはたくさんいます。
しかし、そういったときに、周囲からとかく「○○のこどもだから」と見られることが多いよう
です。
うまくいってもうまくいかなくても、そういった見られ方をしてしまう。周囲は何の気なしに言う
言葉かもしれませんが、それが本人を大いに傷つけることがあるということを知っておくべ
きです。
成功しても、「○○が親だから」当たり前、教えてもらっている、等々。うまくいかないと、
年中親と比較される。自分自身でがんばったのに、そんな一言で片付けられたら、自
分を否定された気持ちになります。
それが苦痛となり重荷となって、サッカーが楽しめなくなってしまい、結局やめてしまうよ
うな子どももたくさんいるのです。そんなことをいっさい言われず、自分を単に一人の人間
として認めてくれる場で、何か全然関係のない別のことがしたいと思えてしまうのです。
その子はその子本人であり、自分で好きで、自分でがんばって努力して、楽しくサッカー
をしています。
それを親との関連で見られること、自分自身が何をどれくらいできようとできまいと、親
との関係でしか見てもらえないことは、精神的に苦痛なことです。特に、多感な時期に、
本来は誇るべき親を恨むようなことにもなりかねません。
これはなにもサッカーに限ったことではありません。何の気なしに無神経に言うことが及ぼ
す影響を、少し心に留めておいてください。
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