トレイルラン・トレーニング |
No.8:多摩川の水源・笠取山を走る 笠取山手前の最初のピークを登る(雲が切れた瞬間) |
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■ 活動日 |
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2007.10.08(木) 天候:曇り時々小雨 |
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■ コース |
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国立 〜(車)〜 JR ― トレイルコース |
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■ 距離と所要時間 |
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今回の所要時間と地図上計測距離
※上記は地形図上で計測した距離。東京都水道局のサイトによると、水干〜黒エンジュ分岐点=1.6km、黒エンジュ分岐点〜中島川口=3.4kmとなっている。上記距離は実際よりも若干短いかもしれないので、あくまで目安。 |
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■ ウエア |
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上:長袖Tシャツ、下:半スパッツ、その他:帽子、手袋、トレイルランシューズ(サロモン) |
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■ 持ち物 |
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昼食(おにぎり3個、大福1個、バナナ1本)、水1.5ml、ウインドブレーカー上下、熊除け鈴(彼に出会うかどうかは分からないが念のため携帯)、カメラ、ストック2本、貴重品(車には貴重品は置かない)、空ボトル(源流水入れ)、レッグウォーマー(寒さ対策) 持って行くつもりで家に忘れた物 昼食用野菜ジュース、フェイスタオル(首に巻けば防寒マフラー代わり) |
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■ コース紹介 |
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● JR 5:00に起床。家を車で6:15に出発。ローカル道路の芋窪街道(これは立川と東大和を結び、上部をモノレールが通る道路)を走っているとき、玉川上水のあたりで、フロントガラスに雨の滴がポツポツと落ちて来た。今日の天気は徐々に崩れるという予報だったので、もう降り出したのかと思ったが、幸いにすぐに止んだ。しかしいずれにしろ、不安定な天気になる予感。 芋窪街道から、新青梅街道に左折し、新青梅街道からさらに青梅街道へと真っ直ぐ青梅へ、西へ走る。家から青梅駅までは20数kmなので、まあ1時間もあれば着くかなと思っていたら、早朝のためか45分程で青梅駅前に到着。すでに、本日のリーダーで、私の山の師匠の倉内氏が、車の脇で新聞を読みながら待っていた。 それから、本日のメンバーが予定時間どおりに駅から次々に到着。本日のメンバーは総勢9名。 ● JR 車二台に分乗して、青梅駅前を7:30に出発。 国道411号線(青梅街道)を、多摩川沿いに唯ひたすら西へ走る。奥多摩の町を過ぎ、小河内ダムのある東京の水がめ・奥多摩湖の脇を通り、さらに雲取山の登山口・鴨沢を過ぎ、お祭りや丹波村(たばむら)の村々も過ぎて、さらに走る。奥多摩の町から先にはトンネルが多く、これが幅が狭くて怖い。歩行者や自転車が通れるのかという程の幅だ。 丹波村を過ぎて8km程の、おいらん淵と呼ばれる辺りの急カーブの先に、右手(山側)に入る道があり、ここを入る。入口には一ノ瀬高原入口の看板がある。これは一ノ瀬林道と呼ばれている。この道路は結構狭いが、対向車交差のための幅広のところは少ない。ただ、幸いなことに往きも帰りも対向車には出会うことはなかった。青梅街道から入って6km程で、民宿、「石楠花荘(しゃくなげそう)」に到着。時刻は午前8時50分程。青梅から1時間20分程(このうち一ノ瀬林道は15分程)掛かった。石楠花荘では泊まらず、駐車場だけを借りる。代金は¥500/日なり。駐車場はおおよそ15台程度は停められるだろう広さ。参考までに石楠花荘の住所は次のとおり。優しそうなおばさんが二人いた。 住所: ● 一ノ瀬石楠花荘(標高1250m)〜将監小屋(標高1800m) 石楠花荘を、午前9:00丁度にスタート。この一ノ瀬林道をさらに200〜300m程行くと、右手に将監峠への登山道がある。将監峠は「しょうげん・とうげ」と読む。この登山道は舗装されてはいないが、軽自動車なら通れる程の幅があって歩き易い。勾配はきつくないので早足で登っていく。天気はすでに霧雨になっていた。動いている間は身体は熱く、上は長袖Tシャツ、下は半スパッツで十分。これでもむしろ暑いくらいだ。50分程行くと、初めて二股に分かれる箇所があるが、左の狭い登り道には行かず右側へ道なりに(つまり真っ直ぐ)進んで行くと、数分で将監小屋に到着する。ちなみにその左の道は、将監峠に直接行けるようだ。ここには山小屋と屋根だけの雨をしのげる休憩スペースがある。ここのベンチで初めての休憩をとった。この将監小屋の脇には湧き水がパイプから豊富に流れていた。脇のお盆にコップも置いてあり、顔を洗ったり水の補給が可能。水は豊富に流れており勿体ないくらい。そうこうするうちにも、細かい雨はシトシトと降り続き、休んでいるとだんだん寒くなってきた。 実はこの将監小屋には思い出がある。第3回カモシカマラソン(山岳+ロードの24時間レース)に出た時に、最初のエイドステーションだった。秩父の三峰口をスタートして、雲取山などの峰々を越えてやっと辿り着いた場所だった。レースはまだまだ序の口だったが、山に慣れていない小生にとっては、2000m級の山々を越えて、やっと息をつくことの出来たエイドで大変印象深かった。小屋や目の前の斜面などその当時の情景が蘇った。このエイドでは、将監峠への斜面を登り始める際に、写真を撮ってもらったことも思い出した。あの時は、再びここに来ることなどないだろうと思ったが、再訪出来たとはなんとも感慨深い。 将監峠を目指し、眼前の斜面を登り始める。斜面はそれほど長くなく、これを登りきると目の前に将監峠の標識がある。標高は約1859m。 ● 将監峠(標高約1859m)〜黒エンジュ分岐点 将監峠から林を過ぎると、すぐに防火帯のような幅20〜30mほどの切り開かれた帯があり、うねりながら登っていくことになる。左写真のように山の大広間のような空間だ。そして、牛王院平(ごおういんだいら・標高1858m)、山の神土(やまのかんど・標高1872m)などを過ぎ、笠取山方面へと向かう。牛王院平の標識は古く、少し傾いていた。ここから笠取山へのルートは、唐松尾山など尾根伝いに行くコースと、尾根から少し下った南斜面に沿って作られたコースの二つがあるが、後者を選択。この区間は黒エンジュ分岐点までおおよそ6kmほど。 このコースは、「緑の回廊」と名付けられている。爽やかな名前だ。関東森林管理局のサイトに詳しい説明がある。この区域には幾つかの小さな沢や湧き水の流れがあり、それを越えながら突き進む。とは言ってもそれほど険しいわけではなく、「緑の回廊」の名に相応しくなだらかなコース。この区域は多摩川の源流となっているところで、湧水が非常に多いのが特徴。その水の流れ(小川)を越えるには、梯子のような丸太橋の場合もあれば、浅瀬を飛び越えながら行くところもあり多彩だ。全体的に何となくウエットな感じがしており、橋や沢で足を滑らさないように、注意が必要。当日は小雨というか霧(雲)の中のトレイルランだったので、余計そのように感じた。地面から剥き出しの岩肌面は苔むしており滑るのでここも注意が必要。だから、このルートは、絶対にストックがあったほうが良い。秋だというのに、ここは上も下も全く緑の空間だ。 ● 黒エンジュ分岐点〜笠取小屋(標高1776m) 黒エンジュの分岐点には、笠取小屋方面と中島川口への方向を示す標識がある。一帯は平坦に広がっていてベンチもあり、一休み出来る。この辺りになると、さすが水源地の名に相応しくカラマツやブナなどの樹林が広がっている。地面も柔らかで脚に優しい。その名も「水源地ふれあいのみち・源流のみち」と名付けられている。詳しい東京都の「ふれいあのみち」のサイトはここへアクセスを。 笠取小屋に到着すると、小屋の前に大きなテーブルとベンチが二つあり、ここで昼食を取った。身体が冷えてきたので、ウインドブレーカーの上着とレッグウォーマーをここで装着。小屋の前の男性から何処から来たのかと尋ねられ、「東京からだ」と答えると、「皆さんで食べて」と「ブドウ一箱」をプレゼントされた。そのほかにも、山小屋の親父さんからも、カップラーメンをご馳走になり、気温の低い山で有難い暖かさを貰い心も暖かくなった。そして、霧雨の中、持参のお握りを食べラーメンの汁を回し飲みしながら暖を取った。その後、山小屋のストーブにも当たることが出来、身体も心も暖まることが出来た。そして30分弱の食事休憩の後、山小屋の親父さんたちに別れを告げ、笠取山へと向かった。ところで、笠取小屋前にトラックが止まっていることに気が付き、ここまで車で来ることが出来ることを初めて知った。 ● 笠取小屋(標高1776m)〜雁峠分岐点(標高1780m)〜雁峠〜小さな分水嶺〜笠取山(標高1953m) 笠取小屋を出て雁峠分岐点、雁峠を越え、そして少し斜面を登り「小さな分水嶺」という名のピークに到着。このあたりは開けた感じで、きっと天気が良い日は見晴らしが良いだろう。霧雨が煙ったこの日でさえ、そう思った。この緩やかな小高い頂上には三角柱の石の標識が建っている。これには、多摩川・荒川・富士川それぞれの川が流れていく三方向の面に各々の川の名が刻まれ、水の行方を示している。今降っているこの雨も、降り下りた場所のちょっとの違いで、最終的には遠くかけ離れたそれぞれの川を流れていくことになるのか。 ここに建っている説明板の文章を書き留めたので、下にご紹介。 「この小さな峠は、ちょうど3つの河川の分水嶺となっています。この峠の東側に降った雨は、関東平野の西部を潤す「荒川」となり、東京湾に注ぎ込みます。また、西側に降った雨は、甲府盆地を南下した後、富士山の西側を通り抜け太平洋に注ぐ「富士川」となります。そして、南側に降った雨は、東京水道水源林で磨かれ、奥多摩湖に貯えられたのち「多摩川」となって都民のみなさんの生活用水として使用されます。ほんの少し離れた位置に落ちたばかりに、雨水のゆくえは、東に西に、そして南へと向い、それぞれの表情をもった河川として流れ下ることになります。」 この「小さな分水嶺」から丘を一旦下り、さらに笠取山へと向かう。笠取山には二つのピークがある。小さな分水嶺からは、まず「山梨百名山」の標識が立つピークに辿り着くが、ここは山頂ではない。そして、ここへの登り坂はかなりきつい。とにかく勾配が急で真っ直ぐに登れない。ゆっくりとつづら折れのルートを探しながら、脚を踏みしめアキレス腱を伸ばしながらじっくり登る。当然ここでのランは考えられない。ゆっくりだけれども息遣いは荒くなる。この最初のピークの上は広くはないが、周りは開けており見晴らしは良さそうだ。風で霧雨交じりだったあたりの雲がサッと一瞬途切れた時に、開けた風景が垣間見えた。空にも少し青空が見えたので、徐々に雨は上がる予感がした。このピークで一呼吸置いて、さらに山頂に向かう。その二つ目のピークに笠取山山頂の標識があった。この方が高いのかどうかは分からないが、最初のピークへの斜面の方がきつかったので、そちらの方が強く印象には残っている。左写真、標識の周りは石楠花。 ● 笠取山(標高1953m)〜尾根伝いルート〜水干(標高1865m?)〜多摩川源流 笠取山山頂から唐松尾山方面へ、少しずつ下りながら、ところどころ岩肌が剥き出しになった尾根伝いのルートを慎重に進む。ここには辺り一面に石楠花の低木が群生している。開花の季節(6月初旬くらいか)には、花の中を歩くことが出来るのだろう。きっと見事な風景に違いない。山頂から10数分のところに、唐松尾山頂と水干、笠取小屋などの方向を示す小さな標識が掛かっており、ここを右折する。つまり南側に山を下る格好で折れて進むと、また水干と黒エンジュとの分岐があり、ここにも標識が立っている。このあたりの分岐点には詳しい標識が立っているので、非常に分かり易い。水干には笠取山山頂から22分ちょっとで到着。ここは「多摩川の源頭、東京湾まで138km」と書かれた標識がある。上の方には神様が祭られているようだ。 水干に建っている説明板から、その位置づけをご紹介。 「最初のひとしずくは見えたでしょうか?ここが沢の行き止まりの意味で「水干」と名づけられた多摩川の始まりです。すぐ上の稜線付近に降った雨は、いったん土の中にしみこみ、ここから60メートルほど下で、湧き水として顔を出し、多摩川の最初の流れとなります。この流れは、水干沢 → 一ノ瀬川 → 丹波川となり、奥多摩湖に流れ込み、そこからは、多摩川と名を買え、138キロメートルの長い旅を経て、東京湾に流れ込みます。」 水干から下に60m程下ると、実際に水が湧き出しているところがある。その方向は谷になって、水干からも眺めることが出来る。水干から少し行ったところに水場道として、折り返しの下り坂がある。これを下って行くと湧き水の場所に辿り着ける。ここから出た水が途中で幾つもの流れを集めて大きくなり、多摩川となって東京湾に流れ込んでいくのだ。そして、一部は我々の口にも入っていく。 ● 水干〜黒エンジュ分岐点〜中島川橋口〜一之瀬・石楠花荘 源流として僅かに流れ出ている水をボトルに汲んで土産にした。本当にチョロチョロとしか流れていないので、ある程度溜めるのに時間が掛かった。貴重なこの水は、家に帰ってコーヒーを沸かして飲んだ。 多摩川の源流を確認したしその水も汲んだので、後は帰るのみ。水干から黒エンジュ分岐へ、さらに馬返しという地点を通り中島川口までの山道を一気に下った。ここはウインドブレーカーも脱いで、とにかく下る。水干からはおおよそ54分で中島川口に到着。ここから一ノ瀬林道に出る。林道の左手方向が一ノ瀬方面、反対方向は作場平方面に行く。作場平からさらに先は青梅街道と繋がる。作場平からも笠取山へは別ルートで登ることができ、駐車場もあるようだ。 一ノ瀬林道に出てからは、もう十分走り歩き尽くした満足感に疲労感もミックスされ、石楠花荘迄はダベリながら歩いていった。そして気が付けば、すでに雨は止んでいた。15:30頃に石楠花荘に帰還。途中の休憩も含めて、約6時間半のトレイルラン。今回はかなり歩く部分が多かったので、半分はトレイルウォーク。 石楠花荘に駐車している車は、もう我々の二台のみとなっていた。駐車場のど真ん中で、雨と汗で濡れたウエアを脱ぎ、着替えをした。顔を洗わせてもらった石楠花荘の水はとても美味かった。勿論これも地下から汲み出している伏流水だ。 暗くなる前に街まで出たいので、着替えが終わるとすぐに帰途についた。石楠花荘を出たのは、16時少し前。 今回のトレイルランでは、休日にも関わらず、ルート中他の登山者には誰にも遭遇しなかった。霧雨の天候だったとは言え珍しい。 帰りは、青梅街道は追い抜き禁止の片側一車線なので、遅い車があると多少車の列が出来た。新青梅街道では、国道16号線を過ぎると夕方の混雑と多少重なり、往き(約2時間)に比べると、小一時間余計に時間が掛かった。 |
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