ランニングから見たまち

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まちを走るシリーズ その1

多摩川〜世田谷通り       (2002.08.08)

 

 

東京ロードランナーズクラブ事務局長のF氏と、とある所でお会いし、彼から東京でNew York City Marathonのような市民参加型のメジャーロードレースを成功させたいという趣旨を伺いました。東京における、フレッド・ルボウ氏(New York City Marathonの生みの親)のように。

私もNew York City Marathonの感動を持ち続けるランナーとして、その趣旨に共鳴いたしました。また、彼がまちづくりをランニングの観点から考えると言う点にも、私の考え方と共有する部分があり、久しく遠ざかっていた「まちを走ることで、まちを知る!」ことを再開したいと思います。仕事柄、まちづくりに関わる機会が多いのですが、東京のまちを走ることで、まちの実態を体感してみます。そこからまちについての考えが発展していければと思います。

■ 活動日

 

 

2002.08.04(日)

■ 主なコース

 

 

国立〜多摩川サイクリングロード(府中〜調布〜狛江高校)〜世田谷通り(狛江〜成城〜砧〜桜ヶ丘〜若林)〜茶沢通り(太子堂銀座)〜淡島通り〜道玄坂〜渋谷駅〜明治通り〜神宮前二丁目〜外苑西通り〜国立競技場

■ 距離

 

 

37.83km

■ 所要時間

 

 

3時間58

■ コース紹介

 

 

当日は全般に曇り。たまに太陽が顔を出す程度だが、湿度は高くちょっと走ると汗が噴き出す。とりあえず水500mlと着替えをリュックに入れ家を1300に出発。後の水分は途中の自販機で補給の予定。

 

国立〜多摩川サイクリングロード

まず、鉄道総合研究所から国立の一橋大学の西側を通り、そのまま南下する。国立市民芸術ホール脇を過ぎ、南武線を渡って甲州街道を横断し、多摩川へ向かう。

甲州街道では、信号待ちの時に交通量の凄さを実感する。歩道の幅員は1.5mほどで、自転車どうしがすれ違うのもやっかいな状況だ。道沿いにはロードサイド型の施設、倉庫などもあるが、民家もまだ存在する。その意味では住環境はかなり厳しいと言わざるを得ない。一皮中に入るとずいぶんと違うのだろうが。いわゆるヒエラルキーがない状態。幹線道路がまち中に一旦通ってしまうと、その後、車は暴力的にすら感じる。広域物流の機能とまちのすまいの機能がここでは未調整の状態だ。

多摩川に近づくと、以前はきっと田畑だったであろう土地利用が今は転換され、現在は物流倉庫や公共の処理施設などが立地している。日曜日の昼下がりでほとんど人がいない(暑いこともあるが)状態。この辺りは道幅が広くなったり、急に狭くなったり方向感覚もなくなりそうな地帯。

 

多摩川サイクリングロード〜世田谷通り

多摩川に出ると、川面からの風が心地良い。やはり自然は偉大だ。サイクリングロードは、ウォーカー、ジョガー、ロードレーサー、マウンテンバイク、ブレードランナーなど多彩である。ブレードランナーは意外に中年の方が多い。一部で流行っているのかな。河川敷でのサッカー、野球、フィッシング、バーベキューなどを横目で見ながら川下に向かい走る。みんな広い空間に飢えているんだなぁ。ところで、現地表示板によると、この辺りは海から35kmほどらしい。

 国立市あたりの多摩川土手ランニングコース

 

世田谷通り〜茶沢通り

多摩川から狛江高校を曲がり世田谷通りに入る。確認のため、通りすがりの婦人に道の名を尋ねるが、意外に知らない。結構身近な場所の名前を知らないものだ。二人目の散歩中の熟年男性に聞いて、世田谷通りであることを確信した。どこまで行くのかいと尋ねられ、「渋谷まで。」と言うと、特に驚いた様子もなく「そうか。」と言っていた。私のようなランナーに結構出くわすのかもしれない。世田谷通りに沿ってここから緩やかな登り坂が続いていく。川はやはり低いのである。まちを走ると、東京でも起伏の多いことが分かる。

世田谷通りの歩道は広くはないが、人が少なくて走りやすい。そして並木が日影を作ってくれるのがさらに有り難い。樹木は太陽光のエネルギーを光合成によって吸収するのと、葉脈の水分により放射熱を奪うため、葉陰は涼しい。樹木のあるなしで気温が20°ほど違うと研究者に聞いたことがある。特に暑い夏には実感する。逆に石貼りの広場は照り返しもありきつい。

砧に近づくと、巨大な格子状のファサードを持つビルが見えた。モダンな材料を用いたファサード。さらに近づくとNHK放送技術研究所だということが判った。以前の建物も知っているが、随分と変わった。以前は、いわゆる研究所スタイルとも言うべき、門を入ると広い前庭があり、低層23階建ての建物がリニアに広がっている、国分寺の鉄道総合研究所などともすごく似たデザインだった。これが公的な研究所建築の基本形なのかと思ったほどだ。以前のデザインからは様変わりした高層ビルとなっている。

 NHK放送技術研究所

世田谷通りにはおしゃれな小物や家具などを売る店が点在している。いわゆる最寄り品から買廻り品の店へとシフトしている。部分的には日常の品物を売る店もなどもまだ残っているが、徐々に少なくなっていくのだろうか。それでも商店街としてわりと元気なエリアもしっかり残っている。生活がまだまだ感じられる場所だ。

大蔵の当たりに公園があり、フィールドアスレティックの遊具やトンボが棲息しそうな池が整備されていた。ちょっとこぎれいすぎる気もしたが、都市内の緑に対する丁寧な扱いが感じられた。うちの近所の緑にも、もう少し手入れをして欲しいなぁ。我まちでは都心と異なり、緑が当たり前になっているのか。

東京農大前では、世田谷市民祭りが開かれており、賑わっていた。もう二十数回を数えるイベントのようだ。人出が多い。三軒茶屋に近づくとキャロットタワーがそびえ立つ。民間の再開発であるが、何かヨーロッパのまちにおけるドオゥーモのような存在感があった。

 

淡島通り〜道玄坂〜渋谷駅〜明治通り

北に折れ太子堂商店街を走る。この日は歩行者天国だ。近隣の人々が自転車でやってきて店を物色している。毎週やっているのだろうが、まるでお祭りの雰囲気。活き活きとした商店街だ。人混みをかき分けながら引き続き淡島通りに入る。

ここも歩道は広くないが人が少なく走りやすい。一気に渋谷へ近づく。

山手通り、旧山手通りを越え、玉川通りを経て道玄坂へ。ここから渋谷に向かって下る。坂と言うだけあって坂道だ。樹木が大きく繁り、涼しい。最初は人が多くはなかったが、マークシティを過ぎる辺りから一挙に混雑し始める。ほとんど歩くに近い形で駅に向かう。ハチ公前の交差点では、スクランブルの人混みをステップを踏みながらくぐり抜け、ガードをくぐり明治通りへ。明治通りの歩道は意外に狭く、人が連れ立って歩いていると、追い抜けない。声をかけながら追い抜いていく。

 

神宮前二丁目〜外苑西通り〜国立競技場

表参道を越え千駄ヶ谷小学校の角を右に曲がり、外苑西通りへ向かう。ビクタースタジオ前から外苑西通りに入り、国立競技場を右手に見ながら外苑橋の手前の坂を駆け上がり、競技場にたどり着いた。

多摩の郊外のまちから、自然がまだ残るスポーツ空間としての多摩川、生活に密着した元気な商店街がまだまだ存在するが、徐々に都市化していく世田谷通り沿い、それから繁華街の渋谷、原宿までと一気に走って、都市の連続性と変化を体感した。

それにしても東京は人が多い。

■ 要した飲料水

 

 

給水は水500ml、スポーツドリンク750 ml、コーラ250 ml、緑茶500 ml

合計2,000 mlだった。

 

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