ランニングから見たまち

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中欧を走る

(2008.05.2126)

 

ザルツブルグのザルツァッハ川沿いの風景

中欧(チェコ・オーストリア・ハンガリー)の都市に行く機会がありましたので、各都市を早朝にジョギングしてまいりました。それぞれ中世の街並みを残した雰囲気のある都市で、世界遺産にも指定されています。これらの都市に共通のキーワードはハプスブルグ家で、これに関する歴史遺産が数多くあります。また、それぞれの都市には必ず川が流れていて、街の重要な役どころを演じていました。走った早朝は気温10度を切っていたとも思いますが、旅行の荷物を減らすためにウエアはハイネック半袖Tシャツに半パン、帽子なしで走りました。が、やはり立ち止まっていると寒くなってきました。

 プラハ(チェコ)

■ 活動日及び時間帯

2008521日(水) 午前505550

■ 天 候

曇り時々小雨

■ コースマップ                                                           ■ コース紹介

距離=3.2km(所要時間045

※ 図中、赤線がジョギングルート

コースはホテル(Hotel Diplomat)を出て、最寄地下鉄駅ディヴィツカー(Dejvická:これは読めなかった)駅の横にある大きなロータリーから南へ向い、各国の大使館がある区域を走って、昔の王宮があるエリア(左図のフラチャニ広場から南のプラハ城などのエリア)の手前でUターン。往復距離にして3.2kmとちょっと短い。朝5時と早く少々薄暗いが、通勤者がすでにチラホラ歩いている。しかし走っている人は誰もいない。それは平日のせいか、それともそもそもジョギングというものが珍しいのか、それは分からない。初めて外国の早朝の街を一人でジョギングするので些か緊張する。

プラハの町には、中央にヴルタヴァ川が南北に流れている。ホテルがある川の西側(左の地図部分)にはプラハ城など多くの宮殿があり、一方川の東側は旧市街で市庁舎などもあり、中世の街並みが残っているエリアとなっている。本当はもう少し走って、プラハ城やさらにヴルタヴァ川に架かるカレル橋まで行ってみたかったが、初日でもあり少し雨もぱらついているので、気弱になってここでUターンした。

ホテル近くに地下鉄駅があったので、どんなものか下りてみる。こちらでは改札は切符に印字するだけで駅員はいない。出る時は

切符をそのまま持って出る。では無賃乗車が多いのではと思うが、時々検札があり違反はかなり高額の罰金が課されるそうだ。地下道を200mほど走って上がると、ロータリーに出る。ところで、地下道に盆栽のポスターが貼ってあったが、こちらでは日本の盆栽がブームのようだ。

下の写真@、Aがロータリーでの写真。@には日本にはない二連結のトロリーバスが見える。トロリーバスは、低床でモダンなデザインの市街電車であるトラムと共にヨーロッパの街では多く走っている。

また、写真に見えるように街並みは5階建ての建物が続き、調和のとれた景観を呈している。これは他の都市でも同様だ。軒高さが揃っていると、それだけでも景観は美しくなる。

大使館街とは、大使館そのもののまちなのか大使官邸のまちなのかはよく分からないが、各国の建物が集まっていることは間違いなく、緑豊かな戸建ての街だ。建物はみな大邸宅で、この通りを走るのは非常に気持ちが良い。そして、朝早いせいかここでは全く人には出会うことがなかった。

なお、宿泊したホテルは、この大使館街に近いことから、外交官の意味のディプロマットと名付けられたようだ。この英語の名が付いているように、アメリカンスタイルのホテルだ。

■ コース写真

@

ホテル近くのロータリー

(大きな交差点はロータリー形式が多い)

A

同じくロータリーから街を望む

B

早朝の路地(一般の街並み)

C

大使館街の建物

 

 ザルツブルグ(オーストリア)

■ 活動日及び時間帯

2008523日(金) 午前500540

■ 天 候

曇り

■ コースマップ                                                           ■ コース紹介

距離=4.9km(所要時間=040

※ 図中、赤線がジョギングルート

ザルツブルグにも街の中央を川が流れている。ザルツァッハ川という。この街のジョギングでは、結果的にはこの川沿いを少し走って戻って来たことになった。

泊まったホテルはルネッサンス ザルツブルグ。朝ホテルの従業員に会釈をして外に出ようとしたら、玄関のメインの回転扉の方はまだ動いていなかった。脇の扉から外に出る。このホテルはカードキーで、帰ってホテルに入る時も、この扉はロックされていてカードキーで開錠するようになっていた。カードキーを持っていないと締め出されることになる。

ホテルの街での位置関係がどうもよく分からなかったのだが(私の持っていた地図には、このホテルが載っていなかった)、気にせずホテルを出てから地図も持たずに当てずっぽうに走った。どこに行こうと、知らない街を走れるのだから良い思い出になると思った。そして、道が分からなくてもUターンして同じ道を戻ってくれば迷うことはないだろうと考えた。と言うわけで、ホテルを出てとりあえず右に行くと駅らしきものがあった(写真@)ので、まずこの前の広い通り沿いに走ることにした。ちなみにこの駅はHauptbahnhofと書かれていたので、中央駅ということのようだ。

このザルツブルグでも、この時間帯(午前5時台)に走っている人間には全く出会わなかったので、ここでもあまり走る習慣はないのかなと思ったが、少しあとの午前9時ごろになるとスパッツを履いた一組の男女ペアを見掛けたので、なんだか嬉しくなった。仲間がいるのは嬉しいもの。

大通りを走っていくと、途中右手の道路の先にシェラトンホテルの

看板がちらっと見えたので、何気なくそちらに曲がる。そして、シェラトンの隣にKurhausという施設があり、またそこを曲がる。これはクアハウスと読むのか。日本だとこれは健康温泉施設になるがここでは実際何の建物なのか。辞書を見ると「湯治客が鉱泉を飲むサロン」と書かれているが、どうもそれだけではない結構大きな施設だ。ところで、あとで分かったことだが、クアハウスの後ろの公園はこの町で最も有名な庭園、ミラベル庭園に続いていた。

公園の右手先に橋が架かっているのが見え、そちらに走る。この橋はミュルナー小橋という。ここまで全く偶然にザルツァッハ川に来ることが出来たので、非常にラッキー。

ミュルナー小橋を渡り、向こう岸を南下して走る。川沿いには写真Aのように遊歩道があるが、本当は写真の川横の道路は自転車道で、歩行者道はその外側にある。しかしこの時間自転車は走っておらずここを走った。ただ、ここで自転車にはねられても歩行者の責任となるらしいので、通常は止めた方が良い。二つ目の橋で、走り始めてからの時間が30分近くになったので、ここらでUターン。これはジョギング時間を約1時間と決めていたため。この二つ目の橋をシュターツブリュッケ橋という。この橋目の前の交差点の信号の先(道路の向こう側)に、建物の下が通り抜けられるようにアーチ門のようになっていた所があったので、ちょっと入ってみる。

アーチをくぐると、その先には小さな広場があり、テーブルなども置いてある。昼間はカフェとなるのか。そして、その向こうには商店街が走っている。あとでガイドブックを見ると、ゲトライデガッセという通りのようだ。ここは賑やかで観光客が多い。しかし、私のジョギング時間帯では人通りはほとんどなくおばさん一人とすれ違っただけ。ジョギングしている時は、そんな賑やかなショップ街とは全く分からなかった。この通りには鋳鉄で作られていると思われる色んな看板が張り出していて面白い。そして、たまたま撮った広場の写真Bにモーツアルトの生家が写っていた。黄色い壁にMozarts Geburtshausと書かれ、2階以上がモーツアルト博物館になっている。

Uターンしてシュターツブリュッケ橋を渡り、リンツェルガッセという通りからその先の路地を左手(ホテルへ戻る方角)に走る。ここでも建物の下をくぐっている通りがある(写真C)。その先、マリオネット劇場と思われる建物(後で地図で見るとそうらしい)の前で左に折れ、またザルツァッハ川出て、川沿いにミュルナー小橋まで走り、後は来た道を戻るだけ。帰りのザルツァッハ川遊歩道では、昨晩飲みつぶれたのかベンチに寝ている人がいた。クアハウスの後ろは公園になっており遊歩道もあるので、帰りはそこも少しジョギングする。そしてシェラトンとの間から前の道路に出て、来た道をそのまま戻る。

午前6時近くになったためか中央駅では通勤などの人が増えていた。駅前広場では今年の6月に開催されるサッカーヨーロッパ選手権までのカウントダウン電光掲示板が立っている。表示は15日と12時間19分。旅行者と思しきリュックを背負った二人連れがここで記念撮影していたので、私も一枚撮る。

ホテルに戻ると戻りは意外に早く、所要時間は計約40分。

ところで、ザルツブルグからウィーンに向う途中でモントゼーという山間部の小さな町に立ち寄った。モントゼーとは月の湖というような意味。この町の大通りに、モントゼーハウス ハーフマラソンの横断幕が掲げられていた(左写真)。こういうランニングに関するものを見るとなぜか嬉しくなる。モントゼーは山中湖のような風光明媚な避暑地のような場所なので、気持ちの良いレースができそうだ。

 

■ コース写真

@

中央駅(Hauptbahnhof

A

ザルツァッハ川沿いのジョギングコース。本当は自転車道で歩道は左寄り。

B

ゲトライデガッセの小さな広場

(前方左の黄色い建物がモーツアルトの生家)

C

リンツェルガッセから見た路地

(街には、このように建物の下が通り抜けられるようになっているところが多い)

 

 ウィーン(オーストリア)

■ 活動日及び時間帯

2008524日(金) 午前550655

■ 天 候

晴れ

■ コースマップ                                                           ■ コース紹介

距離=7.6km(所要時間=105

※ 図中、赤線がジョギングルート

宿泊ホテルはNH ダニューブ シティ。このホテルは、歴史的建造物の建ち並ぶインナーシュタットとはドナウ川を隔てた反対側にある。近くに国連施設が建ち並ぶ、国連都市(UNO-CITY)がある。ここはインナーシュタットとは違い現代建築が林立している(写真@)。

ホテル前の通りヴァグラマー通りをドナウ川(右手)に向って出発。国連都市で歩道デッキに上がり、新ドナウ川に架かっている浮橋を渡る。渡った先は中洲の島(ドナウ島)だ。ここはボートなどが浮かび、レクレーションの場所となっている。写真Bのように、ドナウ島は公園になっていて、下記のようなジョギングコースもある。(ホテルの案内から)この公園では、おじさんがジョギングしているのが遠くに見えた。

ドナウ島の公園から上を走っているライヒ橋に上がることが出来るので、ここから橋の歩行者専用道路を走る。橋からそのまま真っすぐに走るとラッセル通りに出て、800mほどでウィーン北駅に辿り着く。この駅の手前左側に公園があり、ここには映画(ずいぶん古いが)「第三の男」に出てきた大観覧車がある(写真C)。

公園沿いに駅周囲をグルッと回っているとジョギングをしている女性に出合った。とっさに「グッドモーニング」と声を掛けたが、ここでは「グーテンモルゲン」あるいは「グーテンターク」の方が良かったのかも。彼女もそのような言葉で応えてくれた。

ここから表通りではなく一本裏の通りを走り、ヨハンシュトラウス記念館でUターン。ただし、この建物がヨハンシュトラウス記念館だと知ったのも後でガイドブックを見てのこと。戻りは表通りのプラーター通りを走る。ここは写真Eのように歩道が広い。そしてまたウィーン北駅まで来ると、帰りは駅の中を見たくなりコンコースの中を走って抜けた。駅では、6時前だが多くの人がバスを待ったりしていた。

そして、駅からさきほどの大観覧車がある公園の中の遊歩道を走り、そのまま、同じ道を二度走るのはつまらないので、行きで走ったラッセル通りの一本裏の通りへ。ここらは建物の上階が住宅のような雰囲気。ちなみに自動車は写真Fのように道路と直角に駐車している。これはチェコなど他の国でもそうだった。

そして、またライヒ橋を渡り、国連都市へ。ところで、ライヒ橋の途中には地下鉄の駅があり、歩行者専用道路から入ることが出来る。なお、歩行者専用道路と書いたが、写真Gのように実は自転車とくっきり区分が分かれている。

同じルートを戻りホテルに到着。所要時間はこれまでで最も長い1時間5分。距離にして約7.6kmを走った。

ところで、ホテルのエレベーターの壁に左のポスターが貼ってあった。ウィーンシティマラソン(VIENA CITY MARATHON)の案内である。ポスターの中央あたりにこのホテル名(NH Danube City)が書いてあるが、このレースのオフィシャルホテルだということのアピール(宣伝)のようだ。毎年世界各国からも含め25,000人が出走するとのこと。写真中央の大きな橋が小生もジョギングで渡ったライヒ橋で、手前がドナウ島、向こう岸とその先がウィーンのインナーシティに続いている。

 

■ コース写真

@

国連都市(UNO-CITY

現代デザインのビルが林立

 

A

新ドナウ川に架かる浮き橋

歩行者専用でドナウ川の中洲(ドナウ島)まで渡れる

 

B

ドナウ島内の公園

ジョギングに最適

C

映画「第三の男」に出た大観覧車(リーゼンラート)

 

D

Uターン地点(地図上のヨハンシュトラウス博物館ではない)

このような建物が一般的

手前は地下鉄(ネストロイプラッツ駅)入口

E

プラーター通り

F

裏通りの様子

車は道路に直角に駐車

G

自転車用と歩行者用に分かれている

 

 ブダペスト(ハンガリー)

■ 活動日及び時間帯

2008526日(金) 午前505610

■ 天 候

晴れ

■ コースマップ                                                           ■ コース紹介

距離=6.1km(所要時間=105

※ 図中、赤線がジョギングルート

宿泊したところはホテル ニューヨーク パレス。古い建物を改装したもので、中庭の上に硝子の天蓋を架けたアトリウムを持つ。中のニューヨークカフェは歴史もあり地元で有名。並木道のエルジェーベト通りに面するが、エルジェーベト橋につながるラーコーツィ通りとの交差点にも近い。

ホテルを出て左に走り、ラーコーツィ通りをドナウ川まで一直線に走る。ラーコーツィ通り沿いは大きな建物が多い。朝早い(5時)が、通勤の人々は結構多い。サマータイム(冬より2時間ほど早い)のことを考えると、かなり早い。

ドナウ川の手前200mほどの右側にヴァーツィ通りという観光客の多いショップが並ぶ通り(写真@)が見えたが、朝早くて当然まだ人影はない。

ブダペストの地名にはエルジェーベトと名付けられたものが多いが、これはハプスブルグ家の美貌の皇女エリザベートのことか。彼女はシシーとも呼ばれ人気が高い。絵を見ると確かに美しい。体型を維持するためにかなり運動もしていたようで、当時としては珍しい。体型を維持するにはやはり運動が一番か。

吊橋のエルジェーベト橋(写真A)を渡り、対岸へ。これはモダンな橋だ。渡った先はブダ側と呼ばれる。ちなみにホテルのある岸はペスト側。両方を合わせてブダペストとなる。橋を渡り川沿いに北上する。

川沿いを1kmほど走るとくさり橋に到着。これも吊橋で、大きな鎖で吊られている(写真E)のでくさり橋と呼ばれる。

ブダペストの街は地図のように街区が整形ではなく、道は少しずつ曲がっているので、走っていると方角が分からなってしまう。地図を持って走ったのだが、それでも分からなくなる。しかし、立ち止まってウロウロしていると汗が冷えて寒くなってくるので、おおよその目安を付けてまた走るという具合。

ヴェレシュマルティ広場で出て、何となく位置を確認。その後は地図に載っているホテルなどで位置を確認しながら走った。最後は行きに走ったラーコーツィ通りには出ずに手前の裏通りを走った。ここでも同じ通りよりも色んな場所を走りたかったため。気がつくとこの裏通りはエルジェーベト通りに出て、通りの先の目の前には、見慣れたホテルが建っていた。所要時間は1時間5分。距離は6.1km

ところで、ブダペストでは、ジョガーを朝は見かけなかったが、夕方、女性ジョガーを二名見かけた。ドナウ川の付近を走っていたので、やはりこのあたりがジョギングコースか。

中欧の街では、日本と異なり犬が放飼いとなっている。早朝のジョギングで、大きな犬が突然脇の小道からタッタッと走り出してくると、驚く。こちらの犬は日本より元気な気がする。なにか身軽だ。放飼いの犬はきっとストレスを持っていないと思うので、出会ってもむやみに吼えたりしないだろうという予想の元、目を合わさぬように知らぬ顔をして通り過ぎる。そのようなわけで、犬のフンも思わぬところに落ちている。そして、気を付けていたにも関わらず、帰ってからシューズの裏を見たら、残念なことに踏んだ痕跡が残っていた。

■ コース写真

@

ラーコ−ツィ通りからヴァーツィ通りを見る

 

A

エルジェーベト橋

 

B

ドナウ川

C

ドナウ川沿いの道路

 

D

旧市街から新市街を望む

E

くさり橋

歴史を感じさせる橋

F

ラーコ−ツィ通りの裏手の通り

G

ホテル前のエルジェーベト通り(緑が多く気持ちが良い)

 

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