韓国の제주도(済州島)では、通りから家の門に至る狭い小道を[올레](オルレ)と言う。 済州島の方言であり、済州島ではごく一般的に使われている言葉だそうである。 しかし、この言葉が転じて、2007年の秋、[ウォーキング・コース]として開発されると、一躍、韓国全土に有名になった。 つまり、単なる通りと門とをつなぐ小道ではなく、一つのコースを4~6時間くらいかけて山や海辺の自然の中を散策する[ウォーキング・コース]として広まってきたのである。 今や、済州島には25コースに及ぶウォーキング・コースが整備され、島を一周する形になっている。 ウォーキング・コースといえども、中には非常に厳しいトレッキング・コースもあり、本格的な山歩きの装備と技術とを要求されるコースも含まれている。 これに触発されて、韓国各地に済州島オルレをまねたウォーキング・コースがいくつか開発されている。 代表的なものとして、ソウルの성곽길(城郭道)、智異山の돌레길(周遊道)などが有名である。 どのコースも、1コース当りの距離や所要時間は似たようなものであり、コース途中での休憩や食事などの時間を考えると、一日に1コース走破するつもりで計画するのが妥当と思う。 事前にコースの調査を十分に行い、体力などに照らして、無理のない行動が要求される。 ここでは、有名なコースをいくつか紹介してあるが、いずれも開発途上であるので、変更が行われる場合もあるから、詳細資料をとりよせて、コースの確認をするのがよい。