熊公の独り言 T




◆ 高山植物 ◆
 熊公は高山植物を見るのが好きです。熊公の勤める学校の修学旅行は日光と言うような場所ではなく、小諸の高峰高原です。私が勤め始めたときにはもう此処でした。30年近く此処で修学旅行をしています。浅間山のことを調べたり、天明の大噴火で埋没した鎌原の観音堂や資料館を見学したり。嬬恋のキャベツ畑を見学したりして、高峰高原にあがります。この高原では黒斑岳登山を中心に3泊4日で高山植物の学習。夜は天体観察をします。山を歩きながら短歌や俳句を作ったりもします。
 熊公が就職する前に経験した修学旅行は、神社やお寺を引き連れられて歩いた経験が主でしたから、この山での修学旅行は新鮮でしたし、毎年のように行っていても感動することが沢山有って、全くあきることがありません。手前味噌かも知れませんが、実にすてきな修学旅行だと思っています。
 宿舎は『高峰高原ホテル』です。このホテルを子供達が専有するのはうちの学校だけに許されているそうです。此処のオーナーとは本当に親戚づきあいのように親しくさせてもらっています。
 ここで、山でのマナー、自然の大切さ、そして、あまり知られない歴史などを体験学習しています。

 
コマクサ                            ハクサンシャクナゲ
 
クガイソウ                     タチコゴメグサ
 
シャジクソウ                             ゴゼンタチバナ

 私達が見ている高山植物は登山道沿いのほんの僅か、人知れぬ場所でも綺麗に咲いている高山植物。何でこんな綺麗なものが有るんだろうか・・・・と、哲学的な考えをしてしまいます。創造主を賛美して、いのちいっぱいに生きているこの花々を見ていると、勇気づけられ、元気が出てきます。

 NHKの花の100名山でも、この山は紹介されていますが、この何年間か、丁度100名山が話題になったあたりから、ガクンと高山植物が減りました。一昨年のことですが、子供達と山歩きをして高峰山を下山中でした。サンダル履きのオバサン方が列をなして登ってきました。登山の準備なんかなしという感じ・・・・。ビックリしたのは手に手に高山植物を抜き取り持っていることです。あわてました。「山を登る資格無しだ!!」と、子供達と話しながら下山して宿に戻ると、観光バスが止まっていました。ヒョイと見ると花の山を巡るバスツアーのようでした。まったくバス会社ではこういう企画をするときに登山者の心得を伝えないのですね。それとも、花摘みツアーのように宣伝しているのでしょうかね。まったく腹が立ちました。
 日本人の金儲け主義の最たるものです。山はどうなっても良い、会社が儲かれば・・・・。と言う姿勢が見え見えでした。
 それにしても、摘んだ高山植物をどうするつもりなんでしょうね・・・・。摘めば数時間でだめになり、翌年からは花がつかなくなってしまうこと考えているのでしょうか? 日本人の利己主義を感じました。何でそっとしておいて、つぎに訪れる人に見せる心遣いがもてないのでしょうか・・・・。

 高峰の近くに池ノ平があります。コマクサが見られる場所。20年以上前から見てきましたが、その頃は出会う人もまばらで、花の宝庫でした。みんな花を愛して来ている感じを受けました。しかし、NHKの「関東甲信越の小さな旅」で紹介され、だめになりました。花はグングンへって、山は行列です。今は、流行のように訪れている感じで、花を愛しているという雰囲気は伝わってきません。道端の本当に目立たない小さな花には目を向けず、大きな目立つ花だけを見てコースを巡ってるだけという感じです。
 時には犬などのペットをつれて歩いている人を見かけます。そこに住む動物たちのことなんかまったく考えていない行為です。カモシカやその他の動物たちにどんな影響が起きるか、考えないのでしょうね!! と、言いつつ、人間も動物ですから、充分に生態系に影響を与えているわけですね・・・・・・。その為にも、充分なマナーを守る義務があるわけです。

 マスメディアがこう言うことを取材する前に、国民の社会的なマナー向上の大キャンペーンをするべきです。富士山が世界遺産に登録されない理由はゴミの山だからと聴きます。入山規制と言った強硬な姿勢をとる必要もあるんじゃないかと思います。
 (2002.05.11.) 






トップへ
戻る
前へ
次へ

熊公の独り言 U 熊公の独り言 V 熊公の独り言 W

熊公アニメの部屋 鍛冶屋の部屋入り口 好きな所入り口

高山植物のページ 菊谷さんのMIDIの部屋 リンクのページ お便りのページ