熊公の独り言 T




◆ 生かされる ◆
 ここのところ熊公は偏った読書をしてきました。第2次大戦中の事がつづられた物を読みふけりました。
 ゼロパイロットである坂井三郎氏の本はほぼ全部読みました。そのほか、渡辺洋二氏の『異端の空』『死闘の本土上空』、塚田義明氏の『戦艦武蔵の最後』、吉田満氏の『戦艦大和ノ最期』、源田實氏の『海軍航空隊、発進』『海軍航空隊始末記』、ヘルベルト・A・ヴェルナー氏の『鉄の棺』、岩井勉氏の『空母零戦隊』、堀越次郎・奥宮正武氏の『零戦』、・・・・・。

 これは戦争が好きだからというのではなく、戦争を知らない世代の自分達が、その悲惨さや死んで行かれた方々のことを知っておくべきだと思い読んだものです。
 戦争に行った伯父達、東京大空襲を経験した父親は天国に行ってしまい、直接聞ける人は鍛冶屋作業でお世話になる須賀川の伯父1人になってしまいました。

 これらの読書や過去に聴いた伯父達の話などから、共通して感じることは、どんな極限の中におかれても、何か大きな力によって『生かされている』ということです。これを偶然だとか、運だとかで片づけてしまうことも簡単かも知れませんが、熊公はどうしてもこの本を書かれた方々の言葉や、伯父達の話を思い出すにつけ、計り知れない大きな力によって命を得たんだな!!と思わざるを得ないのです。
 勿論、亡くなった方々はそれがなかったというのではありません。この方々の流された血によって、現代の平和な日本があるものと信じています。そして、世界の平和のためにいつも祈り続けなければと思っています。
 更に、国家が暴走する恐ろしさを感じました。人の命を尊重しないで戦いを続ける事ほどの愚行はありません。大戦中の指導者達はどう考えていたのか、そのことを知りたいと思っています。今までに読んだ本は、渡辺氏の本は史実を追いかけたもので、源田實氏だけが航空参謀という肩書きであって、あとはみんな最前線で戦った人々の記録ですから・・・・。

 塚田義明氏の『戦艦武蔵の最後』の中で、武蔵に向かってくる魚雷に戦闘機が突進して防いだという部分が書かれてありました。仲間のために自分の命を捧げたこのパイロットの名前は知られませんが、すごい行動です。きっと、数多くこういった事があったのでしょう。記録に残らないこういったことも、しっかり心に留めておきたいと思います。
 国家の方針を批判できる状態ではなかったわけだし、教育によって死をいとわないで作戦に臨んだこれらの人々は、純粋に生きた人たちなんだと思います。

 熊公の妻の祖父は、サイパン方面に移動中、輸送船が潜水艦の魚雷攻撃を受け沈没、帰らない人になりました。お墓はあってもこの中に納められているのは遺骨ではなく遺品が納められています。
 この大戦でこのような方々は沢山いらっしゃるんでしょうね!! みんなのご冥福を祈り、これからもこういった戦記を読みつつ、平和のために祈りたいと思います。

 2001年9月11日の世界同時多発テロ、あの航空機のビルへの突進は、現実のこととは思えませんでした。NHKのニュース10を見ていた時の、リアルタイムの映像は、トリックであって、本当じゃないよね!!と、自分に言い聞かせていました。パレスチナとイスラエルの戦いもそうです。自分の考えをお互いに押し通し続ける事は最後にはあのようなテロや戦争に繋がってしまいます。どこかで『ゆるしあう』事が大切ですね。
 人を赦すということは言葉で言うのは簡単ですが、なかなか実行できないものです。だけど、赦すことに努力しない限り、真の平和は訪れないことも確かです。世界の人々、特に国家を運営する人々が、自国の利害ばかりにとらわれるのではなく、互いに受け入れあう姿勢、赦す姿勢をとれるように祈りたいです。 
 しかし、人間の歴史は、一番最悪な戦争の歴史といっても過言ではないですね。人間は最後まで愚かなのでしょうか。人間は自分自身の手で、人類の滅亡を導き出すのでしょうか・・・・・。
 (2002.05.25.) 






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