7月24日〜27日まで、3泊4日で修学旅行に行ってきました。「熊公の独り言」の ◆ 高山植物 ◆ の所でも書きましたが、東星小学校の修学旅行は、高峰高原で行われます。
台風11号が小笠原諸島を暴風域に巻き込みながら西進している状況で、荒天準備をしての出発でしたが、修学旅行中の4日間はそれは素晴らしい天気に恵まれました。20年ほど前、この高峰高原での修学旅行最終日に台風の直撃を受けて、宿舎の屋根が飛ばされた経験を持っていますから、出発前は覚悟と準備を怠らずに行ったのですが、何も心配することなく実施できたことを嬉しく思います。
台風の直撃を受けたとき、夜中のことでした。子供達を一番安全と思われる3部屋に移動させました。屋根が剥がれていく不気味な音を聞きながら、この部屋がダメになったらどうすればよいのか・・・と考えていました。停電はもとより、廊下に滝のような雨が漏ってくる状況は映画のようでした。
午前4時頃でしょうか台風は過ぎ去り、翌朝子供達を移動させた部屋だけに屋根が残っていて、廊下やその他の部屋のどこからも朝日がこぼれたことを今でも鮮明に思い出します。外に出てみるといつもと変わらない優しい高原の風情が漂っていましたが、宿舎の屋根のトタンが紙のように丸められ近くのスキーリフトの鉄柱に巻き付いていたり、宿舎のすぐ裏から竜巻が起き、北斜面を下り下にあるホテル(現在チドリーホテルのある場所)の建物を倒壊させていたのはすさまじかったです。更に、黒斑岳方向を見てびっくり、表コースのある尾根の半分の木がなぎ倒されている・・・・・。次の黒斑登山からはそれまで森林帯だった場所が草原のようになってしまったのを思い出します。現在は人の背丈以上に森林が育ってきています。この時の帰りはバスが来ないのでもう一泊になるかと思っていたら、夕方遅く到着して、8時に出発しました。学校に到着したのは18時間後でした。全員が無事に帰れたことを神様に感謝した修学旅行でした。
話を元に戻して、今年は本当に良い天気で、全ての行事をこなしました。
〓1日目〓
鎌原の資料館と、観音堂見学。その後、嬬恋のキャベツ畑の中を走り新鹿沢温泉に出て地蔵峠、池ノ平で昼食をとり、宿舎へ。
鎌原の資料館の館長さんから話を聞く 浅間山の麓のキャベツ畑
今回鎌原の資料館で、石段下で人骨を発掘したご本人の館長さんから直接その様子をお聞きすることが出来て有意義でした。
嬬恋のキャベツ畑はいつ見ても壮観です。いったい何万個のキャベツが育てられているんでしょうか・・・・?
夜は『星の見える丘』と我々が呼んでいる高峰山に登る最初のピークに登り、星の観察をしました。満月が昇ってきて、天の川は確認できませんでしたが、人工衛星なども見られ素晴らしかったです。
子供の言葉で「月が自分たちより下にあるのを見て感動しました。」というのは、本当に言い得ています。
星の観察 足下の小諸・佐久の街の光
〓2日目〓
黒斑岳登山です。浅間山の活動の活発化に伴い火口から『500m以内立入禁止』が『4km以内』と規制が強化されたので、目の前の車坂峠より先は行けないと思っていましたが、出発2日前に『2km以内』と緩和されたので黒斑岳まで登ることが出来ました。熊公は「しんがり」を担当していましたので見られませんでしたが、先頭グループは「カモシカ」を見たということで、良かったです。
雲海を前に朝礼雲の上に浮かぶ山々は奥秩父の山 黒斑外輪山に出る手前からの浅間山ドーム
今年は浅間山の上げる水蒸気が多くて、活きている火山を目の前で見ることが出来ました。ドームを写した場所は以前は森林の中で、このような展望はありませんでした。白骨化した木は直撃台風の名残です。
夕方、『ササダニ』に喰われた児童が1名、最近このダニが多いです。頭を皮膚の中に食い込ませて血を吸う厄介な奴。今までの経験から何とか取り除き、小諸の病院まで行って処置してもらいました。熊公はこの搬送担当でしたので、この夜行われたお楽しみ会には参加できませんでした。かなり盛り上がったという報告を受けました。
宿舎に戻ったとき丁度霧に包まれていました。お楽しみ会に参加できなかったこのK君のために、車のヘッドライトを使って『簡易ブロッケン現象』を作ってあげ、その不思議な現象を楽しませてあげました。喜んだのは迎えに出てくれた職員だったようですが・・・・。
「ま〜っ!! 私、御光がさしてマリア様みたい・・・・・!」
この言葉で、ここにいた数人、ドッと大笑いしました。
黒斑岳で撮影した高山植物は新設した『高山植物のページ』に載せました。こちらもご覧ください。
まずは修学旅行の1・2日目の報告でした。
(2002.08.01)
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