熊公の独り言 U




◆ 03年 家族旅行 ◆
 昨年は長男の高校受験がありいつも夏に行うイベントの「家族旅行」は取りやめとなりましたが、今年は8月9日〜12日の3泊4日で石川県 金沢と能登半島の旅をしました。このコースは、熊公が31年前、高1の夏に一人旅をしたコース、息子が同じ年になり奇しくも同じコースをたどるとは、なんだか面白いです。
 いつもはお袋様を含めた家族全員での旅行ですが、今年はお袋様の都合がつかず、一緒の行動が出来ないのが残念でした。

 出発日の9日は未明に台風10号が四国に上陸し、進路は北陸方面へ、毎時20km〜25kmのスピードで北上中でした。前日から天気図と睨めっこ、9日の午後0時頃に金沢周辺に来る公算が大きく、旅行を取りやめにすることまで考えました。風雨が強くなる前に、そして、高速道が通行止めなどになる前に金沢に入れたらよいと考え、4時前に出発する計画を立てました。金沢までは約7時間の行程です。

 8月9日(土)
 3時45分に出発。山がちな上信越道・長野道のコースは避け、関越道・北陸道のコースを採りました。東京は曇り状態で、雨は降ってはいませんでした。荒天準備は万端整えて出発です。
 東松山ICを過ぎた辺りから雨が降り出し、嵐山PAでは土砂降りの雨になりました。ワイパーが利かなくなるくらいの雨、このままだったらどうしようかと考える程の雨で、これが続くようであれば引き返そうと考えました。上里SAを過ぎる辺りで雨があがり、日の出の時刻で辺りが明るくなり始めました。高崎・赤城高原・沼田・谷川岳・・・風はかなり強いものの、雨は降っても小雨程度、「これは行けるかも」と、明るい気持ちになってきました。
 関越トンネルをくぐり土樽に出ると、風はほとんどなく、明るい曇り空。気分はますます明るくなりました。長岡JCTで北陸道に入り、いよいよ台風10号に向かって近づいていく事になります。
 米山SAで朝食にして、ゆっくりと日本海を眺めると、本当にこれで台風が近づいているの?と思うくらい波は穏やかで、目の前に大きく佐渡ヶ島が眺められました。
 高田を過ぎ、糸魚川、そして一番の難所「親不知」へと進みます。ここがフォサマグナ、この崖が飛騨山脈が日本海に落ち込む地点・・・等と話ながら、車は富山に入りました。雨は降らず、風もほとんど無い状態です。
 富山を通過する頃、携帯に今日宿泊する『いりたや』さんから電話、おそらくは台風によるキャンセルの確認だったと思いますが、4時からお祭りで「百万石通り」のむさし−香林坊−片町間が通行止めになるので、車を宿の駐車場に止めても良いという連絡。ラッキーです。金沢のどの駐車場に止めようか考えていたところでしたから・・・。
 10時45分、予定通り7時間で金沢に到着しました。駐車場に車を止めさせてもらい、徒歩で兼六園・金沢城址公園へ行くことにしました。11時20分頃兼六園についたところ『本日、台風のため閉園します』と、張り紙されています。「何〜〜〜!!」です。
 風はない、雨は時々パラパラと降る程度です。仕方なく、名物の「兼六だんご」を食べに清水亭に行きました。
 「兼六だんごをお願いします!!」と言うと、「今日は台風が近づいてるからお客さん来ないと思ってまだ準備してないんですが、30分ほどお待ちいただければお作りします。」と言われ、待つことにしました。「なんだか、12時から開くと言うことですよ・・・」と言う情報が入り、おだんごを待ちながらお土産などを見ていると、「公園12時から開きます!!」と、声が掛かりました。ラッキーです。出来たてホヤホヤの兼六だんごを食べてすぐに公園受付に。人がほとんどいない兼六園を家族でのんびりと散策しました。

 
名物 清水亭の「兼六だんご」                  兼六園のシンポル徽軫灯籠

 この時期であれば兼六園は人だらけのはずですが、本当に静かでした。12時と言えば台風10号がちょうど頭上に来ているはずですが、その気配すら感じない、時々パラパラと雨が降る程度、雨の庭園はまた風情があって良かったです。
 その後、城址公園を回って、尾山神社・武家屋敷などを見学し、生麩のお菓子を食べたりしながら、宿に戻ってきました。荷物を部屋に運び込み、すぐに4時から行われている、百万石通りでのお祭り、『YOSAKOI ソーラン節演舞会』を見に行きました。
 それぞれのグループで踊りを競い合うものでした。大きな旗を振り回し、それぞれのグループが奇抜な衣装に身を固め踊っていました。少し見学してから、夕食を食べに『四季のテーブル』と言うお店に行きました。加賀料理を結構安く出してくれるお店で、美味しく頂きました。治部煮は美味しいものです。また、魚介類も本当に美味いです。
 宿に戻ってすぐにテレビを見ました。天気図を見ると確かに金沢上空を台風は通過していました。でも、全くそれを感じない天気でした。本当に不思議です。両白山地や飛騨山脈が障壁となって雨や風を防いでくれたのでしょうか・・・?


 9日 午前9時の天気図

 台風10号は福井県付近にあります。確かに12時頃
には金沢を通過していったはずなのですが・・・・。
 金沢の天気は風が少し吹き、雨は時々パラパラと降
る程度。この日北海道では大きな被害が出ています。
北陸地方の台風は東・南側の山々にブロックされて風
などは強くならないのでしょうか?
 町の人々は「荒れると思って準備している台風の時
は平気なんだよね!!」と話していました。
※ 天気図は『気象人』さんのホームページ 「気象ダイアリー」からお借りしました。
 8月10日(日)
 2日目の行程です。今日は能登半島の西側を歩きます。昨晩泊まった「いりたや」と言うところは、町屋風の作りの宿で、台風のためお客さんはキャンセルがあって、熊公家だけの宿泊でした。犀川に近く、武家屋敷も目の前で、宿の立地条件はとても良い場所です。
 今日の見学の第1は「千里浜渚ドライブウェイ」です。日本海に足を浸して、貝を拾ったりして遊び、海の宿で貝などを焼いてもらって食べました。白貝(万寿貝)を焼いたものは甘くて美味しいものでした。
 砂浜をちょっと掘るだけで桜貝ほどの大きさの白い二枚貝が沢山捕れ、これを海水の少したまっている砂の上に放してやると、スイスイスイと、砂に潜っていきました。面白いので何度もやって楽しみました。砂浜を自動車が平気で走れるのは本当に不思議です。
 次に行ったのは羽咋の能登一宮の気多大社、そして能登金剛の「厳門」へ行きました。天気が良く、青く凪いだ日本海、浸食によって出来た大きな自然のトンネル、広い海、美しい景色を眺めると気分が晴れ晴れして大きくなります。

 
  宿泊した「いりたや」                      千里浜渚ドライブウェイで水遊び

 
    能登一宮 気多大社                  能登金剛 「厳門」

 厳門を後にして次に見学したのは門前町の総持寺祖院、禅寺の静かなたたずまいは心が落ち着きます。ここで門前蕎麦を食べ、一路輪島に。途中、漆器工房に寄ったり、漆器美術館に寄ったりして、宿舎に入りました。
 夜8時40分から輪島駅前(正確には輪島駅跡前)の広場で、「御陣乗太鼓」の演奏があるというので行って来ました。その昔、七尾城を落とした上杉勢を奇怪なお面を付け、海草を髪の毛として太鼓を打ちならして追い払ったという太鼓ですが、迫力満点でした。思わず演奏のDVDとお面を買ってしまいました。

 
静かなたたずまいの総持寺祖院                   迫力満点の後陣乗太鼓の演奏

 8月11日(月) 
 朝食後輪島の朝市に行きました。海産物が安いのであれもこれも買いたくなっちゃいます。生きた松葉ガニを「4匹で5000円で良いよ、サザエも付けるから・・・。」と言われ、思わず買ってしまいました。茹でてもらい東京に宅配してもらうように手配しました。骨董やさんも有って、梅の花をモチーフにした歌が彫ってある銀杯を購入しました。坊主達は古銭を安くしてもらって買っていました。
 テングサから作る「スイゼン」という食べ物を食べて、輪島を後にしました。白米の千枚田、曽々木の時国家を見学、下時国家は350年ぶりの解体修理工事中で、ヘルメットをかぶって、櫓の上からの見学でした。
 奥能登塩田村で塩田について見学して一路能登半島先端、禄剛崎灯台へ。ここは駐車場が面倒なので見学をパスして富山湾側に回り込み、珠洲・九十九湾・穴水を経て、ここで能登有料道路に入っても良かったのですが、お土産の目的の1つ『能登の三年酒』を買っていなかったので、七尾方面に向かって走りました。酒屋でやっと見つけ、横田ICから有料道路には入り、金沢に向かいました。
 九十九湾の小木という所で鍛冶屋を見つけました。先を急いでいたので店先を見ただけでしたが、なんだか嬉しくなりました。お店はガランとしていましたが、まだ現役のようです。頑張って!!と祈りつつ金沢に向かって走りました。


天草から作る「スイゼン」 ゴマだれで食べます
心太や寒天とは違った葛切りのような食感で美味いものです

 
輪島の朝市                         白米の千枚田

 
        上時国家                       奥能登塩田村の揚げ浜式塩田と釜屋

 金沢に着いたのは5時、今日の宿舎は金沢駅の西口から8分くらいの所、夕食を食べに金沢駅の百番街へ、ここで最後の夕食を食べます。加賀料理ともお別れになりますから、ちょっと奮発してお食事をしました。

 8月12日(火)
 最終日です。金沢駅西口の駐車場に車を止め、近江町市場へ行きました。魚が安い 美味そう 買いたい!  市場は活気がありました。本当は大きな魚を買って帰り、自分でさばいて食べたいところですが7時間の道のりは鮮度を落としちゃいますから断念して、岩ガキを買ってその場で殻をとってもらい、パクリと食べました。身が大きくて、甘〜〜〜くて、旨味いっぱいで、大満足です。ホタルイカの沖漬けやイカの塩辛等を買って、今度は東町へ、卯辰山の西側の場所です。
 熊公のワイフはここで「三味線を弾きたい!!」 と、ズ〜〜〜ッと言っていましたから、まずは三味線のお店に。ワイフ一人レッスンを受け、何とか「♪サクラ サクラ 弥生の・・・・♪」 を弾けるようになりました。
 その後はお茶屋街を歩き、江戸からそのまま残っているお茶屋「志摩」を見学。こんな所で粋にお酒を飲んでみたいものだ!!と思いながら、お庭を見ながら抹茶を飲み、また近江町市場に戻りました。11時20分。ここのお寿司を食べるのが最後の目的です。行ってみると11時開店の回転寿司やさんはもう人が並んでいました。4人並んで座るようにお願いしたのでちょっと時間は掛かりましたが、30分ほどでカウンターに着くことが出来ました。
 熊公はいろいろな魚の味を楽しむために特上海鮮丼を頼みました。美味かった〜〜〜!! ちょっと食べたい握りも何皿か食べて、金沢駅に戻りました。

 
近江町市場で                        長男と食べた岩ガキ

 
お茶屋志摩の上座敷                    特上海鮮丼 1600円

 金沢駅で留守を守ってくれているお袋様にお土産を買って、2時少し前に金沢を後にしました。
 帰路は高田から長野道、妙高高原を越えて、上信越道に入り帰るコースを取りました。富山付近から天気が悪くなってきて、妙高高原は濃い霧のためノロノロ運転、更埴JCTから1車線区間にはいるために8kmの自然渋滞。次の八風山トンネルの1車線区間に入る所で3kmの渋滞。お決まりの嵐山付近と練馬出口のノロノロ運転・・・・。帰宅したのは8時15分頃でした。今回の旅行の走行距離は1310kmでした。
 富山で夕食用に買った「ます寿司」を開けて、思い出話に花を咲かせての楽しい夕食になりました。輪島の朝市で送った蟹も届いていて、これを肴にビールをグイ〜〜〜ッと飲みました。

 カーナビ付きの車での初めての旅行、知らない土地を走る時は本当に便利な道具です。宿にもスムーズに着けましたし、金沢市内を走るときも車線変更など楽に出来ました。

 熊公家ではこの15年間、家族旅行の一つの目標として、日本の沿岸を走ることを挙げています。今回の旅行で金沢の西「内灘」の海岸から日本海沿いに新潟、酒田、男鹿半島、八森、深浦、津軽半島。陸奥湾をぐっと回って下北半島、六ヶ所村から八戸・久慈、三陸沿岸から牡鹿半島、仙台から小名浜、東海村から九十九里、房総半島、東京湾、相模湾から伊豆半島を回り沼津までの沿岸を回ったことになります。
 伊能忠敬は16年で日本の沿岸を全て歩き、測量し、日本地図を作ったわけで、自分達のように自動車を使って移動するだけでも大変なことを良くやったものだと旅をしながら感心しています。
 早くも来年のコースを考えていますが、来年は内灘から福井の沿岸を歩くコースにしようかと話し合っているところです。今回の旅行も沢山の体験をすることが出来ました。子供達にも何か役に立つ経験があったら良いと思っています。
(2003.08.13.)






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