熊公の独り言 V




◆ 紀伊半島一周の旅 @ ◆
 昨年・一昨年は中国地方、特に出雲の方を廻ってきましたが、去年から、今年は紀伊半島を一周することを計画していました。熊公の旅のテーマは日本の沿岸線を巡ることにあります。これまで坊主達がチビの頃から走り続けて、本州は紀伊半島と山口県が残っています。山口の方は鉄道で廻った経験がありますから、事実上この旅で本州の沿岸は廻ったことになります。
 昨年11月、愛車『ノア一世』は冷却パイプ破裂でオーバーヒート、18万kmも乗りましたから仕方ありませんが、そこで新車にしました。これまた『ノア』です。二世と呼んでも良いのですが、納車されたのが大雪の日、そこで『熊幸』という名前にしました。この車で仙台往復はしていますが、大旅行はこれが初めてとなります。



 去年に続き、ワイフが同行してくれることになっていますが、今年は息子達は同行できないと思っていました。次男が就職して、四日市に勤務することになりました。それで9日から帰省していましたが、16日に帰るということで、新幹線代を浮かせるため伊勢まで一緒に行動することになりました。

 旅行のコースは

 1日目:自宅−−−−伊勢外宮−内宮−二見浦−鳥羽水族館−鳥羽宿泊
 2日目:鳥羽−新宮 熊野速玉大社−神倉神社−那智熊野大社−那智の滝−那智山宿泊
 3日目:那智山−太地−潮岬−粉川寺−粉川宿泊
 4日目:粉川−堺市博物館−大仙古墳−法隆寺(中宮寺)−橿原考古学博物館−石舞台古墳−
      明日香宿泊
 5日目:明日香−甘樫の丘−亀石−鬼の俎・雪隠−橘寺−飛鳥寺−明日香資料館−伊賀上野
      忍者博物館−−−−自宅

というコースです。およそ1570km程の旅です。出発は16日(土)です。

 第1日目 8月16日(土)  走行距離:552.2km

 午前0時20分出発です。普通東名高速に入るには首都高を使えば簡単ですが、圏央道が関越道−中央道−東名道と繋がりましたから、40km程遠回りになりますが、関越道から圏央道を使い海老名に出ることにしました。時間としては30分くらいのロスでしょうか・・・。
 新東名を使って行きました。途中『掛川PA』にトイレ休憩で寄りましたが、何と新東名のPAは下手なSAよりも充実していました。深夜(3時)なのにお店は開いているし、そのお店も大きいのです。こんな事にビックリして楽しんでいると、四日市に帰る次男は「俺はあんた達のような旅の気分じゃないな、月曜から仕事、仕事に帰るんだぜ・・・」 と、ボソリと本音を。確かにそうですね。

 伊勢神宮 外宮には6時半に到着しました。朝早いから人はそんなに居ないだろうと思いきや、たくさんの人がお参りしていました。

 
伊勢神宮 外宮

 去年の旅で『日御碕神社−出雲大社−奈良−伊勢神宮』が「冬至の日の出線」「夏至の日没線」上に並ぶことを書きましたが、その東の端に来たことになります。
 外宮のお参りに続き、内宮に向かいました。4km位です。ここには外宮以上の人が居ました。

 
五十鈴川みそぎ場                          伊勢神宮 内宮


御稲御倉

 五十鈴川の清流に境内の静寂さ、やっぱり気持ちが引き締まるものがあります。熊公はクリスチャンですが、宗教を超える信仰の場所としての厳粛さを感じました。20年くらい前にも訪ねましたが、その時と同じ気持ちになりました。
 『御稲御倉』は弥生時代の高床式倉庫そのものですね。そして、『神明造り』は高床式の倉庫が原型と聞いています。
 お参りの後は『おはらい町通り』・『おかげ横丁』へ。腹ごしらえですが8時では開いているお店はまだ少ないです。赤福のお店はやっていましたので、朝飯前に赤福を食べました。

 
        おはらい町通りの様子                  ファミリーマートが町に溶け込んでいます・・・

 
     朝飯前の赤福                      名物:伊勢うどん(メカブうどん)

 伊勢うどんを食べさせてくれるお店が9時に開くということでしたので、『おかげ横丁』の開いているお店を見て歩きました。その中で、『火打ち石』と『火打ち鎌』、それに『火口』を販売しているところがありました。良く火が飛ぶという鎌を試させてもらったら。本当に良く火が飛びました。また、持っている火打ち石小さいので、大きめのものを買うことにして、合わせて『火口』も買うことにしました。鎌はきっとマグネシュームのようなものが含まれているのかもしれません。

 朝食後、次男を宇治山田駅まで送り、ここで別れました。やっぱり別れるのは寂しいです。しかし、たった9時間半の同行でしたが、チョッピリでも一緒に歩けたのは良かったかな・・・。元気でね!!


宇治山田駅前で別れる次男

 宇治山田駅からは夫婦旅、まずは二見浦に行きました。20年位前に行ったときはカエルの像なんか記憶になかったのですが、やたらカエルが置かれていました。

 
夫婦岩                               天の岩屋

 
ユーモラスなカエル                      焼き大アサリ 旨し!!

 『天の岩屋』でいつも思うのは、この狭い場所に八百万の神が集まって、『天宇受賣命』が踊ったのかな・・・・?ということ。神話の世界は奇想天外の部分も有りますね。
 見学の後は二見プラザに戻って、記念に真珠のアクセサリー類を購入しました。ワイフには可愛らしいネックレス、坊主達にはタイタックをプレゼントすることにしました。熊公は焼き大アサリ・・・。ちょっと差がありすぎか?

 二見浦の次は鳥羽水族館です。ここも20年ほど前に行きましたが、その立派さにビックリしました。なので、二見プラザの水族館は行かずに鳥羽に向かいました。水族館の駐車場は満杯、臨時駐車場に廻るように言われ、そちらに車を置きました。そこからはシャトル船で水族館まで、なんかこっちの方が楽しい感じです。
 水族館ですが場所が以前と違っている感じ・・・? 館内も雰囲気が違います。どうも建て替えられたようです。熊公にしてみれば前の方が良いな・・・。

 
         シャトル船                     大水槽 以前の水槽の方が良いな・・・


今月8日に生まれたスナメリの赤ちゃん

 2週間くらい前、ニュースで放送されていたスナメリの赤ちゃん(8月8日生まれ)は、母さんスナメリと並んで泳いでいました。以前に来たとき、大水槽が凄かったのですが、今回はアレレ? どうなっちゃったんでしょう・・・。鳥羽水族館には少々物足りなさを覚えつつ、早めでしたが宿に入ることにしました。
 時間がたっぷりありますから、鳥羽駅の方に歩いて行きました。途中『海女小屋』が並んでいたので、その一件に入り、焼き牡蛎とサザエの壺焼き、そして、ビールを楽しみました。駅のお土産屋さんなどを見て歩き、旅気分を味わいました。

 宿は夕食も朝食も部屋食。のんびり出来て良いですね。部屋からは鳥羽湾が眺められてゆっくり出来ました。


宿の夕食  伊勢エビ!!


 第2日目 8月17日(日) 走行距離:189.9km  通算:742.1km

 この日は那智山で宿泊ですが、宿を取った後ご主人から、「17日は熊野の花火大会がありますから、熊野を午前中に抜けるようにして下さい。」 と、電話を頂きました。まったく知らないで居ましたのでネットなどで調べたところ、大渋滞にはまって大変な目に遭ったという書き込みなど結構沢山出ていました。大会事務局にもメールを送って確認しましたが、「ご迷惑おかけし、申し訳ございません。詳しくは大会ホームページを見て下さい。」と言う一言だけ。それを見てもっと詳しく知りたいからメールを送っているのに、なんたる返信。少々腹立たしさを覚えました。更に具体的な聞きたいことをメールしましたがまったく返信無しでした。
 沿岸周遊ですから、本来は鳥羽から志摩、賢島の方を廻って那智入りしたかったのですが、とにかく午前中に熊野を通過するため、そちらは断念して、一気に新宮を目指すことにしました。
 熊野市内は10時に通過できました。3km程の渋滞で通過におよそ20分掛かりましたがこれで難関突破です。


熊野の花火会場

 しかし、迂回路をしっかり確保してもらいたいものです。現在の迂回路は311号線位で40km位迂回しなければならないことに。市内の山側の道は新宮方面行・尾鷲方面に通過する車に開けておくべきです。無いのなら整備するくらいの方針が必要に思えます。読んだ書き込みの中には5時間で1cmも進まなかったと言う書き込みがありました。
 この大会がなければ、『鬼ヶ城』等も見学できたのに、本当に残念でした。

 無事通過出来たところで、七里浜や紀宝町の道の駅巡りをして、新宮に入りました。まずは『熊野速玉大社』に行きました。その境内で『川原屋』と呼ばれる、江戸の昔のプレハブ住宅のような小屋でお店をしている所がありました。建てるのにも撤収するにも30分くらいで出来るものだそうです。工夫された小屋でした。

   
            熊野速玉大社                   平重盛が植えたと伝わる『梛』

 『速玉大社』の後は熊野の神様が降臨したと伝わる『神倉神社』に行きました。途中迷子になりながら・・・。

   
   不規則で急な階段             この大岩に熊野の神様が降臨したと言われます

 源頼朝が寄進したと言われる階段は560段位あるそうですが、その不規則さ、自然の山の岩積みという感じで、右側・左側で段数が違うとか、急なところもあって、登るのに躊躇する人も居ました。
 磐倉信仰の場所、この岩の下からは経筒や滑石製の勾玉なども出土しているそうです。

 
新宮の町が一望に出来ます                熊野比丘尼による曼荼羅の解説

 神社からの景色は抜群。新宮の町が一望でき、太平洋が見渡せます。白っぽく見えるのは熊野川、雨で土砂を海に流し込んでいるため、海まで白く見えていました。
 下に降りてくると熊野比丘尼が熊野曼荼羅を解説してくれました。そして、梛の葉をくれました。

 新宮速玉大社・神倉神社を後にして、那智山に向かいました。途中、遅い昼食を取りました。太地町が近いですし、那智勝浦はマグロの有名なところ、マグロ丼に鯨の竜田揚げを頼みました。ワイフは和歌山ラーメンを注文しました。

 
マグロ丼に鯨の竜田揚げ                         和歌山ラーメン   

 本物のビールが飲みたいところですが、そこは残り4kmほど運転があります。ノンアルコールビールで我慢です。和歌山ラーメンは麺はストレートの太麺、豚骨醤油味です。

 食後はすぐ宿に入る感じに3時過ぎに到着しました。到着後は那智大社・熊野古道(大門道)・那智の滝へ行くことにします。今年の旅行は階段登りが多い・・・。

 
    熊野那智大社                            西国一番札所 青岸渡寺

     
       青岸渡寺からの那智の滝                   飛瀧神社からの那智の滝

 那智の滝は本当に美しい滝でした。ずっと見ていても飽きない、優美さに豪壮さを兼ねた滝でした。飛瀧神社は滝がご神体になっています。

 
熊野神社の護符
速玉大社                               那智大社

 今回は本宮大社には行けませんが、熊野神社の二つの護符をゲットしました。戦国時代この護符の裏に誓約を書いたりして、それを破らないことを誓ったとか。この護符に書いた誓約を破ると、カラスが一羽死に同時に破った人間も死ぬと言うことです。また、カラスを切り取って水に浮かべてその水を飲むと病気が治るとか・・・。
 熊野古道を見に大門道を少し下ってみました。平家の公達もこの道を登ったのでしょうね・・・。

 
熊野古道 大門道                         2日目の夕食

 宿の部屋から滝が眺められました。本当に綺麗な滝です。良い場所に宿を取りました。しかし、那智山には宿はここだけだそうです。宿坊もやめてしまい、他の宿泊施設もみんなやめてしまったと言うことでした。世界遺産になっているんだから、泊まる人多いように思えるのですが・・・。

 夜テレビで熊野の花火大会をライブ中継していました。熊公は板橋や須賀川の花火大会を経験していますが、熊野の花火大会は間延びしていました。打ち上げと打ち上げの間隔、10分くらい打ち上がらない時もありました。もう少し上手く運営するべきですね。海上自爆という花火が売りのようです。海面に半球状に開く花火です。沖合に大きな客船が停泊していましたが、この花火を海上から眺めるツアーもあるようです。

 
熊野の花火大会  ライブ中継のテレビを写真に撮りました

 ワイフは青岸渡寺で地蔵様のご開帳があるからと宿の方に勧められ、お友達になった宿の泊まり客の女性3人で参加してきました。木造とは思えない輝きのあるお地蔵様だったと言うことです。熊公はこれまたお友達になった男性とお酒を飲んでいました・・・。

 後から聞いた話ですが、熊野の花火大会の影響で行動予定がずれて、急遽宿泊の申込の電話が有ったとか。宿泊予定の方の中には何時に着くか分からないからと、夕食をキャンセルされた方もいらっしゃるそうです。やっぱり交通渋滞のことを考えて大会を行うべきです。300年の歴史のある花火大会で町の人が楽しみにしているものである事は理解しますが、時代の流れから迂回路の確保や運営のスムーズさは絶対に必要だと思います。


 第3日目 8月18日(月) 走行距離:219.5km  通算:961.6km

 本州最南端を踏む日です。まずは太地町の『くじら博物館』に行きました。博物館の手前に捕鯨船がそのまま展示されている場所がありました。

 

 
昔の捕鯨の様子                            単発捕鯨砲

 
    イルカのショー                        鯨のショーが行われる場所

 この博物館、シーシェパード達からしたら大変な博物館ですね。でも、日本の捕鯨は捨てるところがないくらい食べ、使い尽くしたわけです。鯨を乱獲したのはアメリカでしょ・・・。脳油を取って、美味しい部分だけ食べて後は海に捨ててきたわけですからね。日本は今だって捕った鯨は全て使い尽くしている・・・。南氷洋の調査捕鯨を許さないのは絶対におかしいです。
 シロナガスクジラを牛とすると、ミンククジラは羊、牛と羊を同じ敷地に放すと、羊が牛の食べる分の草も食べてしまうそうです。鯨も同じ事で、ミンククジラが増えすぎるとシロナガスクジラは増えることが出来ない。この主張を科学的に証明しようというのが日本の考えなのに・・・。

 鯨のショーを見る時間は無かったのが残念、串本に向かいました。潮岬はお団子のように丸く突き出た岬、時計回りで潮岬灯台に向かいました。途中の潮岬観光タワーに登ったら、200円掛かりましたが、『本州最南端訪問証明書』というものをもらえました。

    
最南端:北緯33度26分、東経135度46分                    潮岬灯台  

 観光タワーからの景色は抜群でした。前左右は大海原、後ろ側には紀伊半島の山並。次に行った灯台の上は狭くてゆっくり出来ませんでしから、このタワーでゆっくり景色を眺めることおすすめします。

 
         潮岬観光タワー                   タワー展望台 潮岬灯台をバックに記念撮影


潮岬灯台から これから走る海岸線

 本州最南端を踏んで、この後はひたすら和歌山を目指します。白浜のパンダの居る『アドベンチャーワールド』、白良浜や円月島の見学は今回はパスです。和歌山までとにかく急ぎました。湯浅御坊道路は東京でも渋滞情報を良く耳にする道路、ここを予定通りに通過しないと困ってしまいます。

 今日の宿は和歌山市内ではなく、紀の川市の粉河ですから、和歌山ICから40分位走ります。その為急ぎました。
 宿には4時45分頃に到着。近くにお寺がある事は知っていましたが、ここが粉川寺と言われる名刹、宿の女将に見学してくるように言われ、さっそく歩いてきました。紀州公のお姫様が居たこともある由緒あるお寺でした。境内は広く綺麗でした。そして、西国三番札所と言うことでした。

 
    粉河寺山門                           境内の桃山時代の庭園

 
         本堂                         本日の夕食 鮎が美味しかった・・・

 女将は気さくな方で、夕食の時色々話をしました。「昔は境内の庭園の石を的にしてドッヂボールの練習や、ハンドボールのゴールにしたりしてたんですよ・・・、今そんな事したら大変なことになっちゃいますね・・・」なんて笑わしてくれました。また、岸和田の楽車の元となったのは粉川の楽車とか、でも今は引き手が居ないので寂れちゃっていると話していました。
  (2014.08.22.)






トップへ
戻る
前へ
次へ

熊公の独り言 T 熊公の独り言 U 熊公の独り言 W

熊公アニメの部屋 鍛冶屋の部屋入り口 好きな所入り口

高山植物のページ 菊谷さんのMIDIの部屋 リンクのページ お便りのページ