熊公の独り言 W




◆ 国立歴史民俗博物館・成田山新勝寺へ小さな旅 ◆
 新型コロナは第7波の真っ最中です。熊公自体も左側の『内腸骨動脈 動静脈奇形』の栓塞手術が継続しています。導尿に伴う膀胱の不具合も7ヶ月経ってようやく調子が戻ってきた状態になりました。2回目の栓塞手術(本命手術)も9月1日(木)に決まりました。こんな状態なので大きな旅行を計画する状態ではありません。でも夏の思い出は造りたいですから、今年も日帰りの小さな旅を計画しました。

 行きたい所は色々ありますが、千葉県 佐倉の『国立歴史民俗博物館』と成田空港近くの『航空博物館』に行こうと考えました。ワイフは博物館だけではつまらないでしょうから、『成田山新勝寺』に寄る計画を立てました。

 コースとしては、自宅から首都高5号線−中央環状線−京葉道路−東関東自動車道を使い佐倉の『国立歴史民俗博物館』に向かい、そこから『成田山新勝寺』に行き最後に『航空博物館』に行って帰ってくるコースを計画しました。道路が空いていれば自宅−成田は1時間10分位のコースです。平日ですから1時間半と考えて計画を立てました。8時半出発で10時に『国立歴史民俗博物館』に到着できると考えて居ましたが、首都高は渋滞・・・。『国立歴史民俗博物館』到着は11時でした。帰りも渋滞に巻きこまれること考えて『航空博物館』は今回パスすることにしました。



◎ 8月19日(金)
      走行距離:154.9km  歩数:7388歩  およそ5.9km

 久しぶりに爽やかな朝でした。湿度が低いのは本当に快適です。8時半過ぎに出発しました。首都高速5号線には中台ランプからのりますが、ランプに入るためのスロープで渋滞に巻きこまれました。トロトロとカタツムリのようにゆっくりしたペースでやっと本線に合流。合流するとすぐに志村料金所ですが、ここもまたジワリジワリとしたペースで通過しました。料金所を過ぎると止まることはなく板橋JCTで中央環状線に乗りましたが、ここも今にも止まりそうなスピードでした。ゆっくりペースですから飛鳥山トンネルを越えた辺りからワイフに車窓から見える景色の案内して行きました。
 すぐに隅田川です。そして、『五色桜大橋』で『荒川放水路』を渡り左岸を進むことになります。この橋の上から荒川放水路の始まる『岩淵水門』がチラッと眺められます。その辺のことを話して、続いて『荒川放水路』の設計施工を担当した『青山 士(あきら)』の事や放水路開削以前の洪水対応などの話をしました。青山師は次男の高校の先輩です・・・。
 青山師はパナマ運河の開削に従事した方で、終戦近くに米軍が大西洋で運用されていた軍艦を太平洋に投入するのを遅らせるため、軍部からパナマ運河についての情報提供を求められ、「私は造ることは知っているが壊し方は知らない」と答た事など話しました。この辺は『昔取った杵柄』 4年生の東京都の学習で得た知識です。また、5・6年生の社会科見学で『JFEスチールの千葉工場』や『江戸東京博物館』へ行く時のガイド役を務めるためにゲットした知識です。
 小菅では『東京拘置所』紹介して、死刑はここで行われることなんかも話しました。

 京葉道路に入ると割合スムーズに流れ出し、最初の見学地 の『国立歴史民俗博物館』には11時に到着しました。車から降りると風が爽やかで気持ち良かったです。小さな旅には本当にピッタリの爽やかさでした。この博物館は佐倉城趾の一角にあります。さすがに国立大きな博物館で、第6展示室までありました。

   第1展示室・・・『先史・古代』
   第2展示室・・・『中世』
   第3展示室・・・『近世』
   第4展示室・・・『民俗』
   第5展示室・・・『近代』
   第6展示室・・・『現代』

 特別展示として『亡き人と暮らす』 −位牌・仏壇・手元供養の歴史と民俗− が展示されていました。大きくて充実した展示内容なのでジックリ見学していたら一日使っても無理そうです。1時半まで駆け足で見学しました。

 
国立歴史民俗博物館前で                         ハート形土偶    

 
  クマ形土製品                             鞘付き打製石器ナイフ

 展示品はレプリカが多かったですが勿論実物も沢山ありました。ハート形土偶・クマ形土製品等は愛嬌有りますね。また、打製石器のナイフに木の鞘が付いて居るものは自分でも作ってみたいと思いました。

 
古代の鉄製品・鍛冶の遺物

 
古代の官吏の文房具                          アイヌマキリ 

 古代の鍛冶に関する展示は見逃せないですね・・・。鋳造鉄斧のリサイクルで造られた鉄製品、羽口や箸・鉄滓や金床に使った石など見て居るとワクワクしてしまいます。
 木簡の誤記などを訂正するために使った『刀子』は造ってみたい物の一つです。また、アイヌの文化の紹介ではマキリも展示されていました。マキリは見て居て飽きません。

 
比婆荒神神楽復元模型

 
  福島の『お人形様』                          おなじみ『ビリケンさん』

 『比婆荒神神楽』の復元された龍は躍動感がありました。また、福島県に伝わる『お人形様』はユーモラスで迫力もありました。村境の林の中にこんなものが立っていたらドキッとしますね・・・。今回は展示されていなかったけれど、岩手の沢内にある道祖神の藁人形も大砲のような○○が出ていて凄いです。習俗には願いは同じようであっても、飾られたりする物が違って面白いですね。東京の清瀬では『ふせぎ』と呼ばれる藁で造った大蛇を飾ります。

 とにかく展示内容が豊富なので鍛冶関係など興味のある物を見るだけにして駆け足で見学しました。2時間半では到底見切れる物ではありません。
 また、コロナの関係で触れてみる事が出来る物、タッチパネルなどはほぼ全て休止されているのも残念でした。本当に忌々しいコロナです。o(・_・θ

 ミュージアムショップでは黒曜石の鏃(現代物)や火打ち石セット、クリアファイルなどを購入、土偶等のガチャポンを2種類やりました。結果、弥生式土器と中空土偶をゲットしました。でも、土偶は上半身と下半身の2パーツ入っているはずが、上半身2つ入っていて下半身がありませんでした。下半身だけだったらクレームですが、上半身2つであれば、好きなペンの頭に付けて楽しむことも出来ます・・・。でも、会社にはメールだけしておこうと思って居ます。\(_ _)

 1時半に博物館を後にしました。この段階で『航空博物館』行きはなしにしました。の『成田山新勝寺』に向かいました。途中『酒々井(しすい)町』を通りましたが考えてみると良い名前ですね。調べてみないと分かりませんが、お酒がくめる井戸があったのでしょうか・・・。そんなこと考えながら運転していました。

 新勝寺は真言宗智山派の大本山の一つ。本尊は不動明王で、不動明王信仰の一大中心地になっています。院号は『金剛王院』です。
 平安時代中期に起きた「平将門の乱」の平定のため、寛朝大僧正(かんちょうだいそうじょう)によって940年(天慶3年)に開山されました。1000年以上の歴史の有るお寺です。
 厄除開運、健康長寿、商売繁昌、学業成就などすべてにご利益があると言われています。歌舞伎役者の初代市川團十郎が成田不動に帰依して『成田屋』の屋号を名乗ったことは有名ですね。團十郎が不動明王の登場するお芝居を打ったことで、民衆の成田山信仰が高まったと言うことです。



 上の地図は新勝寺の見学コースです。点線部分が歩いたコースです。一週1km少々という感じでしょうか・・・。表参道の半分くらいを歩く感じです。

 
   川豊本店                             なんて言っても『鰻』です

 上の図のような計画で円を描くように見学することにしていたので、わざと新勝寺から一番離れている『弘恵会東町第2駐車場』に車を止めました。新参道を新勝寺に向かい、その後表参道を歩いて途中から短絡して駐車場に戻る計画です。

 駐車場には人が居ないで、本来800円前払いなのに、支払いしないでチョット不安を感じつつ『新勝寺』に向かいました。時刻は2時になっていましたから、まずは『新勝寺』を通り越して表参道のうなぎ屋さん『川豊本店』に向かいました。
 行列が出来るお店、待つのを覚悟していましたが時間が2時過ぎていましたからすんなりと入る事が出来ました。それでもお店の中にはかなりの数のお客さんがいました。お店の雰囲気から昔は参拝客の宿だった感じです。二階で食べましたが、本来は襖で間仕切りして参拝客を泊めた感じでした。
 お店の縁起は川魚の鮮魚店として始まり、昭和42年に現在の場所に本店を移したと言うことです。その移った元の商売は宿だった感じです。55年前の建物ではないと思いました。

 家で土用丑の日に鰻を食べることはありますがお店で食べるのは何年ぶりでしょうか・・・。長男と鹿児島に行った時以来だと思います。大きなお泊まり旅行にも行かないですから『上鰻重』を頼みました。メチャクチャ美味しかったです。
 食べていてあんまり美味しいので留守番をしているオフクロ様に『上鰻』をお土産にすることにしました。この美味しい鰻、ノンアルコールビールではなく本物のビールを飲みながら食べたかったです・・・。(;¬_¬)

 お店の前では鰻を捌いていました。その早いこと、見とれてしまいました。一匹捌くのに1分位でした。実際に撮影した時刻をチェックしても1分でした。

 
まな板に鰻を載せて、背開き・骨取り・3つに分けるで一分間

 
蒲焼きは匂いも良いですね                         川魚の佃煮を購入

 鰻を食べてから『新勝寺』に戻り、お参りというか見学をしました。江戸時代商売繁盛など御利益があると信仰されたということです。真言宗のお寺、真言は意味が分からないですが、説明本を読むことで理解できるし、本物の宗教で有ること分かります。熊公はカトリックですが古来から支持されてきている宗教にはきちんと他者を尊重する『他利』の精神があること感じます。

 
成田山新勝寺

     
不動明王 好きな仏様です                     仁王門をバックに記念撮影    

 新勝寺の見学のあとは表参道を歩きました。表参道を歩くことすぐに『又兵衛』という佃煮屋さんが有りました。川豊本店でノンアルコールビールを注文したら『お通し』として川魚の佃煮が出ました。良い味でした。ワイフが気に入ってこのお店に寄りました。試食させて貰うことが出来たので味を確かめて購入することが出来ました。クチボソやフナ、川エビなどが一緒になった佃煮美味かったです。熊公はアサリの佃煮を買いました。

 お土産購入で一番重要に考えて居たのは『鉄砲漬』を買うことです。元同僚で真言宗の方が居てお正月に初詣をされてそのお土産に『鉄砲漬』を貰い美味しく食べました。そのお店で買うことが目標です。頂いた時の袋を大切に保存して置きましたからお店の名前は分かっています。そのお店は『川村佐平治商店』です。門前右側にもお店がありましたが、本店で購入しようと思って居ました。

 
川村佐平治商店とお寺に近い門前町の様子             表参道駅までの中間の門前町の様子  

 見学コース図のように佃煮屋さんの『又兵衛』とうなぎ屋さんの『川豊本店』の間に『川村佐平治商店』は有りました。ここで我が家用と息子達や兄貴のお土産として購入しました。ここの『鉄砲漬』はお勧めです。中辛を購入しましたが、以前に頂いた物そのものでした。

 この後、駅方面に向けてお店を覗きながら歩きました。途中で『木杓子』を売っているお店がありました。ここで大小2つの杓子を購入しました。手作りの『木杓子』はなかなか有りませんから良い買い物が出来ました。次にピーナツ屋さんに寄りました。千葉といえば落花生です。オフクロ様は落花生が好きな人です。ただ、最近は歯茎の調子が悪くて入れ歯が当たる所が有るようで固いものが食べられない状態、本当は殻付き落花生を買いたいところでしたが、ピーナッツペーストとピーナツ入りカステラ煎餅を買いました。

 表参道の成田駅と新勝寺の中間地点くらいの所に『山田刃物店』というお店が有ります。このお店の前の一方通行の道を入っていくと丁度車を置いた駐車場に戻ることが出来ます。まずは刃物店を覗いてみました。昔は鍛冶屋さんだったのかな・・・。チョット格好いい切り出しとか剣鉈、勿論包丁や大工道具のような物が置かれてありました。ここは外から覗くだけにして、少し駅側に歩いて見ました。

 甘い物好きなオフクロ様に今川焼きのようなサツマイモを使ったお菓子が有るお店見付けておいたのでそこへ行ってみましたが、夏期休業中でした。山田刃物店から駅側は表参道でもお休みのお店が多い感じでした。

 山田刃物店まで戻り車に戻ろうと思って居ましたが、目の前が酒屋さんでした。義父が存命であれば絶対に成田の地酒を買って帰りました。今はそれがなくて淋しいです。また、熊公自身も血糖値のこと考えると日本酒は簡単には飲めないです。でも、お店の前に『空のサイダー』というものが有りました。オフクロ様はサイダーも好きな人です。ワイフがお土産に買うというので買って貰いました。

 
         表参道のほぼ中央『山田刃物店』            夕日でシルエットになった東京スカイツリーと荒川放水路

 車に戻りましたがやはり誰も居ないで駐車料金の請求の手紙などもなくそのまま帰路につくことになりました。時刻は4時になっていました。富里ICで東関東自動車道にのり、来た時と逆のコースで帰ります。帰りも渋滞に巻きこまれることを想定して、酒々井PAでトイレを済まし、飲み物を購入しました。

 帰り道、柳家小さん師匠の『真二つ』という落語をワイフに聞かせました。この落語、古道具屋さんが商売繁盛を祈願しに成田山へお参りする話です。江戸時代、神田から成田山にお参りするのに一泊目は浦安、そして成田山に宿泊してお参りして帰路につき、途中一泊して帰ってくる三泊四日の旅だったようです。ほんの少しですが成田山の参道のことが語られます。今日歩いた所ですから思い出しながら聞いていました。
 このお話の主人公は参拝の帰り道『魚切丸』という触れた物はその場で半分に切れてしまうという名薙刀を大根干しに使っているのを見付けます。何も知らない持ち主のお百姓さんに譲って貰うため、「杖に欲しい、刃なんかはなんかはいらないけれど、鉈代わりに使うから刃も一緒に貰う」と大儲けを企てる話です。二分(一両の1/2)で購入して、江戸に戻って三十両で売ろうと考えます。そして、これは成田山の御利益と考え、お百姓に薙刀を預け、お礼参りに成田山に戻り、お礼をして帰ってくると・・・。お百姓は杖に良いように柄を切りつめ持ちやすいように紐を付け、薙刀の刃を鉈代わりになるように折ってしまっているという話。「刃先は危ないから裏の池に投げ捨てた」 と聞き刃先を探しに池に飛び込むと・・・。半分になった主人公が向こう岸に打ち上げられるという落ち・・・。落語は色々勉強になりますね。

 渋滞は京葉道路に入る辺り止まることはありませんでしたがかなりノロノロになりました。中央環状線に合流する『小松川JCT』付近は少しですが止まるようなことが有り、次の『堀切JCT』・『小菅JCT』でも同じようでした。その後はノロノロになっても止まることはなく6時過ぎに帰宅することが出来ました。
 小松川−小菅間はノロノロ状態で走りましたからワイフが良い感じに『東京スカイツリー』の写真を撮影してくれました。『荒川放水路』を手前に雰囲気良く撮れたと思います。

 
お土産の鰻を喜ぶオフクロ様                  本日の旅行でゲットしたお土産

 オフクロ様に鰻のお土産を渡すと大喜びしてくれました。「こんなに美味しい鰻は今まで食べたことがない!!」 と、本当に美味しそうに食べてくれました。まさかお土産に鰻が来るとは思って居なかったようでした。サプライズ大成功でした。\(^o^)/

 今回の日帰り旅行もなかなか面白かったです。佐倉の『国立歴史民俗博物館』には今度一日掛けて見学するように行ってみたいと思っています。
(2022.08.20.)






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