変わるアメリカ(5)
オバマ氏が上院議員に当選したのは2004年でした。地すべり的な勝利だったということです。その2年後、彼は大統領選挙に立候補すると宣言したのです。大統領候補者にはすでにヒラリー氏やマケイン氏の名前があがっていてオバマ氏の名前は目立ちませんでした。指名選挙ではヒラリー氏が先行していたようで、私はオバマという名前は知りませんでした。オバマ候補はたしかに人気は高いがそれは一時的なものだと思っていました。ところが進むにつれて差は大きく開いていったのでした。ヒラリー候補がどんなにがんばっても効果はでませんでした。マケイン氏との本選挙ではどうだったでしょうか。選挙が進むにつれてオバマ候補が圧勝していったのでした。どうしてなのでしょうか。
ある日本の著名なジャーナリストは、オバマ氏を「特別の運命を背負った神の子」のようにみえるといったのでした。その言葉を聞いて、ずいぶん思いきったことを言う人だなと思いました。なぜなら、“神の子”とは、新約聖書ではキリストを現す言葉だからです。そのオバマ氏はスピーチでどんなことを語ったのでしょうか。人びとは彼のどこに惹かれたのでしょうか。そこで、彼のスピーチを読んでみました。次に彼の肉声(CD)も聞きました。
彼の力強いスピーチの一節一節に聴衆の割れるような拍手と喚声があがっていました。人びとが彼のスピーチを聞いて、涙を流し胸を躍らせていたのでした。人びとはオバマ候補に魅了されてしまっていたのでした。私は、はじめて、人びとがオバマ候補を応援する意味が分かったような気がしました。聞いていて胸が熱くなるようなスピーチでした。
オバマ氏には人を惹きつける魅力があるのです。普通なら不可能に思えることを可能にしてしまう何かがあるのです。アメリカという大きな国をリードできる資質があるのです。現在のアメリカの困難を打開できる力と知恵があるのです。アメリカ国民はそれを見抜いて彼を大統領に選んだのでした。アメリカ国民は、肌の色など問題にせず真に優れた人を選んだのです。
アメリカには新しい波が押し寄せているのが感じられます。変化を求めるアメリカ国民の意欲が感じられます。経済的な苦境のなかにあってもアメリカには若々しい力がみなぎっていることが感じられます。・・・(2008.12.24)
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