閉校を前にして

両国高校定時制はこの三月をもって閉校します。はじめてこのニュースを聞いたとき、信じられない気持ちでした。絶対にあってほしくないと思いました。しかし、このことは動かしがたい現実でした。
インターネットで都立高校の再編を調べてみました。そうすると、最初の信じられない気持ちから、すこしづつやむをえないと思うようになりました。
経済や社会がいつも変化しているように学校も変化から例外ではありません。学んだ学校は何時までももとのままであってほしいのは誰でも同じだと思います。でも、そのことだけを主張したらどうでしょう。それでは学校の改革や再編は進みません。再編に伴って戸惑いやさまざまな問題も浮上します。でも、大きな流れとして改革は避けられません。教育や学校の改革は必要です。古くなってしまったことにいつまでも固執していたら社会の進歩についていくことはできません。何時までも教育が変わらなかったら不幸なことではないでしょうか。むしろ変わることが当たり前ではないでしょうか。
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およそ、
40年前の貧しいときにこの教室で学びました。生活がぎりぎりでほしい参考書も買えませんでした。勉強も難しくて分かりませんでした。どうしたら勉強が分かるようになるでしょうか。その勉強が将来にどうつながっていくのでしょうか。
何時もそんな思いから離れられませんでした。
教室で黒板に向かうときも不安に背中を押されているように感じました。
でも、教室ではクラスメートと一緒でした。明るい感じの人が多かったと思います。クラスの人たちをみて思いました。なんと賢い人たちなのだろうかと。
難しい勉強もクラスメートとともに学びました。
その頃のことを考えると、今では記憶がぼやけてしまっていますが、先生がたが私たちに話しかけてくる様子とか、クラスメートと共に机に向かったことなどが不思議と記憶に焼きついてしまっています。ぼんやりとなってしまった記憶ですがとても大切なものに思えます。その学校がまもなく閉校します。
80余年に及ぶ学校の歴史に幕が下がります。
残念ですね。でも、明るい気持ちで閉校を受け入れたいと思っています。
・・・(2009.1.25)
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両国高校定時制

都立両国高校定時制
閉校した両国高校浅草分校