閉校

朝早く戸外にでると冷風が肌を刺すようです。
でも昨今は、その風もなんとなく和んできた
ことが感じられます。あちらこちらから梅や
桜の便りも聞こえてきます。
浅草高校近くにある隅田公園の桜は見事なも
のです。空をあおぐと桜の花びらが頭上を覆
ってしまうようです。しばらくすると開花も
頂点に達します。
三々五々と連れ立って公園を行き交う人びと
の表情も何かしら明るく感じられます。
すこし公園を歩いてみましょう。隅田川には
遊覧船が行き交い、川面には水鳥がゆったりと舞っていて、波打ち際にはその鳥たちが群れて戯れていました。浅い日差しながらも、川面から吹つける風には春の到来が感じられました。こんなときには気持ちも明るくなってくるようです。
学校では、四年生がすべての学業を終えて、3月11日には卒業式が錦糸町校舎でおこなわれたということです。
最後の卒業式でした。
これですべて終了です。
卒業生たちの前途が明るいことを願います。
桜の花が咲き乱れ、春が輝きをまし、多くの人が学校や社会への新しいステップを踏みだすさなかに学校の門は閉じられました。
かつて、この学校で学んだ卒業生たちはこのことをどう受けとめているでしょうか
閉校と聞いて、どんなことが心に浮かんだでしょう。
教室の灯火が思い浮かんだでしょうか。
クラスメートの笑顔でしょうか。
定期考査などでがんばったことでしょうか。
放課後に友と励んだ部活動でしょうか。・・・
また、なにか暗い気持ちにはなりませんでしたか。
落胆するような気はしませんでしたか。
大切なものがなくなったと思う人はいませんでしたか。・・・
でも、しかたがないことですね。
そんなときは、気持ちを明るく切り替えるしかないように思います。
私たちにできることはそれぐらいなのですから。

・・・(2009.3.12)

両国高校定時制