思い出
貧窮問答歌 山上憶良
風雑(まじ)り 雨降る夜の 雨雑じり 雪降る夜は、すべもなく、寒くしあれば 堅塩(かたしお)を とりつづしろひ、糟湯酒(かすゆざけ)うちすすろひて、しはぶかひ、鼻びしびしに、しかとあらぬ、ひげ掻(か)き撫でて、我をおきて 人はあらじと 誇ろへど、寒くしあれば 麻衾(あさぶすま)引き被り、布肩衣(ぬのかたぎぬ)ありのことごと 着襲(きそ)へとも、寒き夜すらを、我よりも 貧しき人の父母は、飢え凍ゆらむ、妻子どもは 乞ふ乞ふ泣くらむ、この時はいかにしつつか、汝が世は渡る
天地は広しといへど、我がためは狭くなりぬる、日月は明しといへど、我がためは照りやたまはぬ、人皆か我のみやしかる、わくらばに人とはあるを、人並みに我も作るを、綿もなき、布肩衣(ぬのかたぎぬ)の海松(みる)のごと、わわけさがれる
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この和歌は学校に入った頃に参考書で読みました。授業が難しいと思ったので読むことにしました。文章を読むと貧しさがひしひしと伝わってきました。貧しさは人の心まで暗くします。また、この和歌は、なんと心に迫るのだろうかと思いました。
考えると、とてもよい文を読んだと思っています。
なお、麻衾(あさぶすま)とは麻布で作った粗末な夜具をさし、わくらばとは枯れてしまった葉のことをさしているようです。
・・・(2009.9.2)
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