思い出
徒然草
第十一段「神無月の頃」
神無月の頃、栗栖野(くるすの)といふ所を過ぎて、ある山里にたづね入る事侍りしに、遥(はる)かなる苔の細道をふみわけて、心細く住みなしたる庵(いほり)あり。
木の葉に埋(うづ)もるる懸樋(かけひ)の雫(しずく)ならでは、つゆおとなふものなし。閼伽棚(あかだな)に菊・紅葉など折り散らしたる、さすがに住む人のあればなるべし。かくてもあられけるよと、あはれに見るほどに、かなたの庭に大きなる柑子(かうじ)の木の、枝もたわわになりたるが、まはりをきびしく囲ひたりしこそ、少しことさめて、この木なからましかばと覚えしか。
学校に入りたての頃に徒然草を読みました。難しい文がつづいていて、読みぬくいと感じました。この文章を読みながら、今も昔も人の心はあまり変わっていないと思いました。
・・・(2009.9.3)