ローレンツ収縮
ここでは、ローレンツ変換を用いて特殊相対性理論を考える。
Sに対してS’が等速度vで遠ざかるとする。そのとき動くものは進行方向に収縮する。
これをローレンツ収縮という。
座標S’に長さがd’の鉛筆が置かれている。
2点, x’1 ,x’2に対し、
d’= x’2-x’1 とする。
その鉛筆がSにいる観測者から見たらどのように見えるか考える。
座標Sには2点, x1 ,x2があり
d= x2-x1 とする。
t=0, t’=0 において、原点が一致しているとする。
それからt秒後には、ローレンツ変換により
d’= x’2-x’1 =γ(x2−vt2) −γ(x1−vt1)
となる。
ここで vt2=vt1 であるから d’=γ(x2−x1) =γd
d = d’/γとなる。
すなわち d= d’√(1-vv/cc)< d’
Sにいる観測者が見る鉛筆の長さdは d< d’となり本来の長さd’より収縮して見える。
このローレンツ収縮は実験で確かめることはできるか。残念だがそれはできない。光の速度に対し、速度vが遅すぎるからだ。では、理論上どのように見えるか。それは回転しているように見える。その理由は有限の光を介して立体を写真のように平面に写し変えて見ることになるからだ。ある解説書に描かれている図を考えると回転している様子が分かる。(このパソコンでは図が描けない)
このローレンツ収縮はとても不思議に感じる。ある動くものは進行方向に収縮するのだ。その不思議さから特殊相対性理論に興味をもった人も少なくないと思う。
・・・(2008.10.28)
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