最近、両国高校の近くを歩きました。学校が近づくにつれて私の時計は40数年前の一瞬で止まりました。かつて定時制の教室で学んだことが浮かびました。今では記憶に残っていることはわずかになってしまいましたが。・・・・・・・
それは一瞬のことでした。幹線道路を走る自動車の騒音で現実に引き戻されました。たしかに40数年前、この学校に通いました。教室で、漢詩“春暁”を教わりました。
また、藤村の“若菜集”も教わりました。“竹取物語”や“伊勢物語”も教わりました。
それらの教えはなんと新鮮に響いたでしょうか。毎日の授業が待ち遠しくてなりませんでした。教室では、クラスメートとともに授業に聞き入りました。授業はとても大切に思えました。
でも、今、そんなことを想ってもどれだけの価値があるでしょうか。過ぎてしまったことにこだわっていても何にもなりません。
そのことはよく分かっています。
もう、そんな後ろ向きの考えはやめたほうがよいと思いました。
それに、これ以上何も思い出せませんから。・・・・・・・
両国高校定時制(浅草分校)も、来年の3月を以って閉校が決まっています。以前、最初にこのニュースに接したときは、そんなことは起こりえるはずがないと思いました。しかし、私は、徐々にこの現実を受け入れざるを得ませんでした。定時制は、結局のところ、時代の流れに抗することができなくて、閉校に追いこまれたということなのでしょう。・・・
でも、その代わりに浅草高校ができました。浅草高校は生徒の多様な学び方に応えてくれる学校です。これはよいことだと思いました。
道すがら、周りを見ると、学校近くの景観も著しく変わってしまいました。大きな建物が軒を連ねるように立っていました。40年も経てば何でも変わります。むしろ、変わらないほうがおかしいのだと思いました。
ところで、クラスメートや卒業生たちはどうしているでしょうか。卒業以来、クラスメートとは、ほとんど音信が途絶えてしまいました。“クラスのみんなはどうしているでしょうか。みな、元気でいるでしょうか。・・・・・・・
そんなことを考えながら歩いているうちにJR錦糸町駅が見えてきました。
(2008.7.21)
両国高校定時制