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都立両国高校定時制
outsourcing
「ここで話題を変えよう」
「そうだね。すこし経済の話をしたい。最近、気がかりなことがある。考えても分からない
ことがある。
私が学んでいた頃から見ると、経済力は比較にならないほどに大きくなった。
豊かな社会になった。人々は海外旅行に出かける。人々は車を持ち、おしゃれな服を着て
いる。レストランなどは人であふれている。飽食の時代という言葉もうまれた。
でも、貧しさから抜け出せない人がいる。ワーキングプアーといわれる。懸命に努力して
いるのに貧しさから抜け出せない。大きな問題だと思う。誰でも希望があるから努力する
のだと思う。こういうことが放置されているのはよくない。
派遣社員という言葉もうまれた。この人たちは不安定な条件で働いている。また、長時間
の労働に苦しんでいる人もいる。
格差という言葉が聞かれるようになった。(格差は外国に比べたら低いらしいのだが。)
以前、私は経済力が増していくと人々の生活はそれに比例して豊かになると思っていた。
けれども社会はそんなに単純ではなかった。すごく複雑な生き物ように思える。いろいろ
な角度から社会は推測されるが、そんな推測はまるで役に立たないように思える。
まるで、社会は自分の意思を持ち生きているようだ。
ところで、経済は他国を抜きには考えられない。
かなり以前から、コストを抑えるために、企業は製造部門を海外に移転してきた。
その結果、人々は産業の空洞化という現象に悩まされるようになった。そして、中小企業
や町工場は大変に厳しい経営環境におかれるようになった。
これらの中小企業や町工場は技術の結晶といわれているのに。
最近、アウトソーシング(outsourcing)という言葉を聞いた。まだ、新聞のニュース欄
では見たことはないのだが。
それは企業の人事や財務などの中枢部門が海外に移転されることをさす。
コストを抑えるためだ。そうすると、国内の雇用が変化してくる。
職を失う人が増えるかもしれない。人々はさらに付加価値の高い仕事を要求されることに
なる。社会はアウトソーシングによってどうなっていくのか。また、こんなに仕事を海外
に依存してよいものかという疑問が残る。
でも、アウトソーシングはこれからも進んでいくと思う。そうしないと収益が確保できな
い。企業が生き残れない。経済は一国だけを見ても分からない。国と国とが相互に依存し
あっている。経済はいくつかの条件が複雑に関係しているので考えると難しい。
さて、社会や経済は複雑だということを前提にしても、豊かな社会になったのになぜ格差
や貧しさが解消されないのだろう。最近、これらのことが気になってしかたがない」
(2007・10.3)