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都立両国高校定時制8−3
ページ8-4に
両国高校定時制

I 先生との会話

4年になり卒業も間近というときに、クラスの数名で職員室におられた I 先生と話す機会がありました。
 先生は保健体育の先生でバスケットボールや柔道を教わりました。I 先生は大柄で目が優しい感じの先生です。先生は両国定時制でこれまでに多くの生徒を指導してこられました。そのとき、先生はこれまでの定時制でのさまざまな経験を話してくれました。先生の話では目的をもって勉強する生徒に恵まれたということです。また、修学旅行に行ったときの事も話してくれました。旅館の人からは生徒が挨拶をしっかりすることやとても礼儀正しいのでほめられたそうです。
 ホームルームでも生徒が自ら動いてくれるので、あれこれ言うことはなかったそうです。また、生徒を叱ったこともほとんどないという話でした。(その必要がなかったということでした。)
話は生徒同士で定時制のことにも及びました。

級友A「定時制はよく全日制と比較されるけど、それはあまり意味がないことだと思う。全日制で
    も定時制にしても形でなく内容が問題だと思う。勉強にしてもどういう姿勢で臨むかのほ
    うが問題だ。だから、個々の生徒の内面こそ大事ではないか。あまり制度にこだわるのは
    本質からはずれると思う」

級友B「私は本来なら、定時制は無いほうがよいと思う。だいたい、経済力の差で全日制と定時制
    に分かれてしまうことのほうが問題だ。誰でももっと恵まれた環境の下で高校生活が送ら
    れるべきだと思う。画一的な平等を主張するつもりはないけれど。この学校ではよい先生
    に恵まれた。先生がたにはとても感謝している」

私  「両国定時制で卒業できる。卒業を迎えられてよかった。さまざまな理由で全日制に進めな
    い人がいるのが現実だ。だから定時制は絶対に必要ではないか。でも、本来、全日制と定
    時制があるのはやはり不合理ではないかと思う」
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 このような会話があった後、私たちは卒業を迎えました。待ち望んでいた卒業ですが、いざ卒業となると机を並べた級友たちや先生がたとの別れがたい思いが胸をよぎります。また、私たちが慣れ親しんだ教室、何の変哲もない普通の教室ですが立ち去りがたい思いに駆られます。お世話になった担任のY先生ともお別れです。級友たちはこれまでの仕事を続ける人、卒業を機に新しい職業に就く人、上の学校に進学する人等さまざまでした。
 そして、卒業してしばらく経ったときに I 先生が大学の先生になられたことを知りました。また、担任のY先生は多摩地区の高校に転勤されました。
それから、40年近くが経った頃、級友から両国高校定時制が浅草高校(台東商業高校)に移転する知らせが入りました。その知らせに接したときは、「まさか、そんなこと、あるはずがない。何かの間違いではないか」と思いました。
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現在、両国高校定時制は浅草高校に移転しその分校になっています。  (2006.5.25)