両国高校定時制
重力場の方程式からはいったい何が見えるだろうかという思いから勉強を始めました。こ
の重力場の方程式は直接に解を求めることはできません。そのためにある条件を与えて求め
た解があります。シュバルツシルトの解と呼ばれます。
さて、光は重力の影響を受けて曲げられます。本当にそんなことが起こるのでしょうか。
信じがたいことですが起こります。光は太陽の近くを通りすぎるときに、その重力の影響を
受けて1.75秒(角)だけ曲げられます。そこで、この解を用いて、光が曲がることを考えます。
この問題は私には難問でした。どうしたらこの問題に近づくことができるでしょうか。
どんなに解説書を読んでもまったく分かりません。
どんなに考えても、解説書にある式がでてくるのか分かりません。図書館に行って、いろい
ろな本を調べました。そこで、解説書を読んでも、内容が省略されているものがほとんどで
した。いつも、疑問が消えません。時間ばかりが過ぎていきます。
あるとき、はっと気がついたことがありました。これまで見落としていた式があったのです。
どうして、今まで気づかなかったのでしょうか。
そこで、その見落としていた式を用いたところ、かなり複雑な計算のあとに光が曲がる式
が出てきました。なお、計算は式が複雑なので近似計算になります。近似計算といっても正
確な値が求まります。(その過程は複雑なのでこのページに記すことはできません)
その式に、すでに分かっている光の速度などの定数を入れて電卓で計算します。最後にラジ
アン(角)を度数(角)に直すと1.75秒(角)という値がノートに求まりました。この値はす
でに観測で確かめられている値です。
“計算式”
δ=4*(GM/CCR)*(180/π)*60*60=約1.75秒角
G:万有引力の定数、M:太陽の質量、C:光の速度、R:太陽の半径、π:円周率
一般相対性理論の創設者であるアインシュタインは、かつて、太陽の近くを通る光は
1.75秒(角)曲がると予言し、日食を利用した観測でその正しさが実証されたのです。
すると、世界中の大ニュースになったということです。
さて、天体写真の中には銀河の周りにドーナツ状の金環が見られることがあります。これ
は前方の銀河に邪魔されて普通は見えない背後の銀河が、前方の銀河の重力の影響で光の進
路が曲がり金環を形づくると考えられます。ちょうど、重力がレンズのような役目をはたし
ているので重力レンズ効果とも言われます。ところで、光は質量がゼロとされているので重
力の影響を受けるのはつじつまがあわないように思えます。そこはこう説明されます。重力
の影響で空間自体が曲げられます。(重力場で空間が曲がる)
だから、空間を進む光は曲がって観測されると考えます。
なお、光の曲がりはニュートン理論からも計算できます。光が小さな質量をもつと仮定します。
そうすると、光は、太陽の近くを通りすぎるときに、太陽の引力を受けて曲げられます。
その値を計算すると、約0.875秒角になります。これは、一般相対性理論で計算した値の
半分です。観測の結果は、一般相対性理論で求めた値が支持されます。 (2007.7.24)
最近、この計算を見直したら、ミスがあるように思えました。考えの進め方や計算にミスが
あったら困ると思いました。そこで、このページをいったん削除しました。
その後、再計算をしたところ、考え方や計算にミスのないことが分かったので再表示しました。
(2009.8.2)