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両国高校定時制

両国高定時制
                     

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私が子供のころは大きなビルや照明も少ない時代でした。夜空を見上げると満天に星が瞬いています。まるで空から星が降ってくるようです。時おり、流れ星が夜空をかすめます。そんなときはあの空の向こうにいったい何があるのだろうかとの思いにとらわれます。今では、照明が明るすぎて星空を見ることも少なくなりました。
 ところで、アインシュタインは自分の作った重力場の方程式に宇宙項といわれる定数を付け加えました。宇宙定数を加えることでアインシュタインはどんなときでも変わらないは普遍的な宇宙像を描いていたと思われます。
しかしその後、ハッブル(天文学者)によって宇宙空間が膨張していることが発見されたのです。
 それを聞いて、アインシュタインは「宇宙定数を加えたのは私の最大の誤りだった」といったそうです。
 なお、その宇宙定数ですが数学的にはこれを加えてもまったく問題はないのですが。
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 さて、ここでハッブルはどのようにして宇宙の膨張を発見したのでしょうか。
私たちが道端に立っているときに、救急車が近づくことがあります。そのときは、サイレンの音は高く聞こえます。また、遠ざかるときには音は低く聞こえます。これはドップラー効果と呼ばれます。その説明としては、近づくときは救急車(音源)と私(観測者)の間で音の波長が圧縮されるので音の振動数は高くなり、音は高く聞こえます。逆に遠ざかるときは波長が伸びるので振動数は低くなり音は低く聞こえます。
 でも、このドップラー効果の説明は難しいですね。説明されてもすぐには分かりません。
 私も、両国高校定時制の4年のときにドップラー効果を勉強しました。そのときは難しく感じました。ほとんど分からなかった記憶があります。・・・・・・・・・・・・そのドップラー効果が光でも起こります。音の場合とはすこし違います。光の速度は光源の位置によらずにいつも一定です。だから、音と違って光源が近づいたり遠ざかったりする区別はしません。光は遠ざかるときは振動数が小さくなるので、そのときの光の色(スペクトル)は赤くなります。逆に近づくときは振動数が高くなり光の色は青くなります。その光の性質を利用してハッブルは遠くの銀河ほど速いスピードで遠ざかっていることを発見したのです。
 これまで宇宙定数はあまり重視されなかったようですが、最近は宇宙の膨張には宇宙定数が密接に関係しているといわれます。また、宇宙定数はフリードマンの方程式に現れるのでフリードマンの方程式も注目を浴びているように思います。 (2007.5.16)