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両国高校定時制

両国高定時制
                     

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一方、A君は自転車が得意なのでいくらでもスピードが出せます。どんどんスピードを上げました。そうしたら、こんどは、A君に異変が起こりました。自分の体重がぐんと増えるのを感じたからです。A君はがんばってさらにスピードを上げました。
 すると、更に体重が増えるのを感じました。そろそろ、限界に達します。そこで、A君は気がつきました。
「そうだ。今までどうして気がつかなかったのだろう。自分自身に特殊相対性理論の効果が起こったのだ。すべてのものは運動すると質量が増加するのだった。そうだった。速度が増すと質量が増加して、光の速度に達すると質量が無限に大きくなっていくのだ。これは放課後にM先生から教わったばかりだった」
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 A君は数学が得意だったのですぐに質量増加の式を思い浮かべました。「もし、光の速度に達したらこの式によると確かに質量は無限大になる。このことは、どんなものでも光の速度を超えられないという間接的な証拠になるのだった。」
 A君はさらに自転車をこいで目的地である公園に着きました。その公園で一休みです。そこでのどが渇いたので水を一杯飲みました。疲れを癒したA君は、次に水1グラムを手のひらに載せて考えました。この中にどのくらいのエネルギーがあるかを計算して見たくなりました。
「特殊相対性理論によると、エネルギーは質量かける光の速さの2乗だから計算は簡単だ。暗算で十分できるぞ。そうだ。でてきた値の単位はジュールだ。1カロリーは4.2ジュールだから、値をカロリーに直すためには4.2で割ることが必要だ。
 すると答えは、約2かける10の13乗カロリーとなる。10の13乗とはどれくらいの値かな。大きすぎて見当がつかないな。もし、このエネルギーがすべて利用できたら人類のエネルギー問題は一挙に解決できる。あとで先生に話してみよう。今日はいろいろなことが分かりとてもよい1日だった」 (2007.5.18)
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注:特殊相対性理論は慣性系(慣性系とは加速度など、外から力が働かない状態をいう)の世界なので、このページでA君が自転車のスピードを上げる加速度運動は慣性系に反するので事例の誤りです。A君が自転車で等速度運動をしている事例に改めます。すると、A君は自分の質量増加を認識できません。静止している観測者B君にとってのみA君の質量増加が観測されるはずです。ページをつくった後で気がつきました。今後の戒めとします。(2007.5.18)