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両国高校定時制

両国高定時制
                     

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翌日、AB両君は顧問のM先生に昨日起こったことを話しました。それを聞いてM先生は「そうか。よくやったぞ。君たちがよく勉強してくれるので大変助かる。それでは、これから君たちに起こったことを考えてみよう」
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 そういって先生はチョークを持ち黒板に向かいました。
「まず、ローレンツ収縮について説明する。この現象はどんな場合でも必ず起こる。静止している観測者から見ると、ある速さで動くものは進行方向に収縮する。ここまではすでに説明済みだったね。では、あるものが目の前を速いスピードで通過したとする。それがどう見えるかを考えてみる。それは進行方向に収縮するかというとそうではない。これはそれほど単純ではない。シンプルな例で考えよう。もし、目の前をサイコロが通過したとしよう。すると、そのサイコロは手前から奥に向かって回転しているように見えるのだ」
 先生はそう言って黒板に図を描いて説明してくれました。その説明を聞いて二人は
「ああ、そうか。だからサイコロは回転しているように見えるのか」と思いました。少し難しいけど図を見て考えてから納得しました。
 先生はさらに説明を続けます。
「次に、A君が計算したように水1グラムのエネルギーは約2かける10の13乗カロリーとなる。ある本によると、このエネルギーは石炭3千トンに相当すると書いてある。しかし、質量をすべてエネルギーに変えることはできない。原子炉の中でウランを核分裂させてエネルギーを取り出す。そのときに質量の1%程度しかエネルギーに変えられないのだ。もちろんA君が考えたように、すべてをエネルギーに転換できればよいが現在では不可能なのだ。
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 でも、いいだろう。君たちはかなりよく勉強しているようだ。これからもこの調子でがんばって。・・・・・・・・・・・・・それから、話は変わるが、しばらくすると中間テストがあるぞ。学校の勉強もおろそかにしてはいけない。・・・・・・・・・・・
さて、今日はここまでにしよう」 (2007.5.18)