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両国高校定時制
M先生は前の具体例についてドップラー効果を用いて考えました。難しいので結論を得るにはかなりの時間がかかりました。
「双子の兄が乗ったロケットが光速の0.8倍で進む。目的の星までの距離は4光年とする。地球の時間で測ると、兄が星に到着するまでの時間は5年であるから帰還するまでには10年の歳月が流れる。だから、弟は10歳年をとる。一方、ロケットの時計の進みは、特殊相対性理論により地球の時計の0.6倍だ。したがって兄は帰還までに6年しか年をとらない。すなわち、兄弟は別れるときに同年だったのに、再開時には弟が4年よけいに年を取っていることになる」
「なっとくする相対性理論」(松田卓也・二間瀬敏史)による。
「地上の弟は10年の歳月が流れる。ロケットではどうだろうか。ロケットの中の兄の時間を調べるために、定期的に兄から弟に信号を送るとする。すると、不思議なことが起こる。
目的の星に行くまでに兄の時間はゆっくりと流れる。弟が受け取る信号は9年もかかるのだ。その後、反転して地球に向かうときのロケットの時間は急速に進む。弟が受け取る信号は1年しかかからないのだ。
どうして、こんなことが起こるだろうか。それは、ロケットが地球から遠ざかるときには電波の波長が引き伸ばされることによる。地球に向かうときは逆に波長が圧縮されることによる。
これはドップラー効果といわれる現象だ。
この場合でも、弟は10年、兄は6年の時間が経過する。
いずれの場合でも、同じ結論になった。固有時などの方法と結論が違っていたら困ったことだった。これで、よかった。それにしてもドップラー効果の考え方は難しい。途中で何度も混乱してしまった。実のところ、難しいのでなかば諦めていたのだから・・・・・・・・・・・・・・・・・」 (2007.6.7)